036★前世で飼っていた子のことを思い出しました
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
どこか嫌そうに言うコウちゃんに、私は肩を竦めて言う。
「うん、そのつもりよ。こんな寂しいところに置いて行くなんて可哀想じゃない。まして、どう見ても子供に見えるし、独り立ちするくらいまで面倒を見てあげようかなって思っているわよ」
私の言葉に、コウちゃんは何故かちょっと遠い目をする。
なんか変なコトいったかな、私?
ちょっと心配になった私は、一角天馬自身の意思と自主性を重んじると明言する。
「まっ…もっとも、この子が付いて来てくれるならだけどね。無理やりここから連れて行くことはしないつもりよ。でも、コウちゃんみたいに意思疎通ができて、テイムできるなら一緒に旅をしたいわねぇ~………」
前世じゃ馬なんて手が届かない生き物だったもの………。
なんと言ったって、広い敷地に専属の獣医さんは必須だし、かならず運動が必要だったし、なによりかかる費用が半端なかったから………。
犬猫のように、簡単に引き取りなんてできない動物よ、馬は。
その馬……いや、一角天馬だけど…を、連れて歩けるなんて楽しそうよねぇ………。
いや、コウちゃんのように懐いてくれればだけどね。
『ふぅ~ん……やっぱり……ソイツを連れて行くんだ』
どこかどころか、はっきりと拗ねてます状態のコウちゃんに、私はクスッと笑う。
前世・アラフィフ喪女の時に飼っていた、黒猫に性格が似ているわねぇ~………。
他の子(猫や犬その他)を優先して構うと、部屋の隅とかで拗ねて………。
私が抱き上げに行くまで、動かない可愛い子だったわぁ~…トラちゃんて。
色は………あらっ…こうして思い出すと、コウちゃんてば、トラちゃんを反転したような感じねぇ………。
あの子は、黒地にうっすらと光り加減で虎縞が浮かぶ子だったものねぇ………。
コウちゃんは、白銀色に薄墨のような虎縞が浮かんでるのよねぇ。
じゃなくて、さっさと進まないとね。
「くすくす………勿論、コウちゃんが一番可愛いわよ。このもふもふ感は最高よ」
そう私が言うと、コウちゃんは自分は愛されているんだという自信を取り戻したようで、無意識な仕草で愛らしく胸張りする。
ああ…やっぱりコウちゃんって可愛いわぁ~……はぁ~…もふもふしたい。
じゃなくて、やっと元気になったようで、良かったわぁ。
ただ、魔力を喰われたって言っていただけあって、体格のほうはだいぶ縮んだままなのねぇ。
最初に見付けた紺碧の魔晶石に、たまたま肩から滑り落ちそうになって触れてしまったセイでこうなったのよねぇ。
あのほんの一瞬の接触で痺れて動けなくなって、衰弱しちゃうんだものびっくりしたわ。
挙句が、くったりしているコウちゃんがどんどん縮んでいくんだもの。
お陰で、慌てて私の生命力を込めた保護膜のような光りの繭を作って包んだけど、それで正解だったようね。
保護膜が消えたということは、もう大丈夫ってことよね。
ただ、またまたコウちゃんの体格が見事に縮んでしまったわね。
コウちゃんが気にするかもしれないから、かなり縮んでしまったことは指摘しないでおきましょう。
ふふふふ…………本当に、コウちゃんは可愛いわぁ。
その愛らしい胸張りポーズをみて、本当に私はコウちゃんが復帰したことを実感する。
そこに、コウちゃんがさもしょうがないという風に念話を送ってくる。
『しょうがないなぁ~………ますたぁーは、動物全般好きだもんねぇ……あぁ~あ…独り占めできると思ったのになぁ~………』
そう本音を漏らすコウちゃんに、私はその豊かなもふもふを撫でながら言う。
「それじゃ、コウちゃんだけ特別に、ますたぁーじゃなくてママって呼ばせてあげようか? ほら、コウちゃんだけ特別よ」
私の言葉に、きょとんとしたコウちゃんは、その言葉の意味を理解して、モジモジする。
『ま…ますたぁー……あぅぅぅ~……ま…ま………』
恥ずかしそうなコウちゃんに、私はくすくすと笑いながら言う。
「そう……コウちゃんのママよ。コウちゃんだけがそう呼びかけて良いのよ」
『嬉しいぃ~…ママ…俺だけのママ……』
グリグリと頭を胸に擦り付けて、興奮した子猫のようにうにゃうにゃするコウちゃんを抱き締めながら、私はその背中を優しく撫で撫でする。
やぁーねぇー…本当に、トラちゃんそっくりだわぁ~………。
私に転生があるなら、コウちゃんにも…いや、あのトラちゃんにも、転生ってあっておかしくないわよねぇ………。
そんなコトを考えつつも、とにかく、このダンジョンのイベントを何とかして、外にでる為の方法を忙しなく考える。
とにかく、あの腕輪を回収しないと………。
でも、この菱形の立方体ってどうやって解除すれば良いのかしら?
ご機嫌が戻ったらしいコウちゃんに、聞いた方が早そうね。
「コウちゃん、この腕輪付きの一角天馬が入っている立方体は、どうやって解除したら良いのかしら?」
コウちゃんは、私の言葉に、顔を上げて小首をこてんっと傾げて言う。
『たぶん…両手をあてて、ます…ママの…魔力を注げば、封印の解除されると思う』
「そう…それじゃ、ちょっとだけ肩に移っていてね」
コウちゃんの言葉に、私は頷いて、その身体を再び肩へと移動させる。
素直に肩へと移動したコウちゃんは、菱形の立方体の中にいる一角天馬を見上げ、嘆息していた。
それを見ないフリして、私は立方体に両方の掌をペタッと着ける。
硬質な感じの感触に、私は目をぱちくりさせる。




