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悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する  作者: ブラックベリィ


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35/255

035★菱形の立方体の中には、一角天馬(ユニコーンペガサス)の幼体が居ました


作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。

設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。

感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)


主人公は、かなりマイペースです。

生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。




 私は慌(あわ)てて部屋の角隅(かどすみ)へと避難(ひなん)する。

 石壁の中央に魔晶石(ましょうせき)が嵌(は)め込まれているので、部屋の角隅(かどすみ)に逃げれば光線(こうせん)の被害は無いのだ。

 私はその場所から、何が起こるかを黙って見ていた。


 そして、天井から発射された光線(こうせん)が何度も何度もそれぞれの魔晶石(ましょうせき)の間を交錯(こうさく)し、2つの正四角錐(せいしかくすい)の片方の上下を逆さまにして、底辺を合わせたような、立体的な菱形(ひしがた)が部屋の中央の忽然(こつぜん)と出現(しゅつげん)していた。


 その立体的な光(ひか)りの菱形(ひしがた)の中に、なにやら哺乳類と鳥類の特徴を持つ生物が出現(しゅつげん)しだした。


「へっ? えぇぇぇぇぇ~……」


 私は、恥ずかしいことに貴族子女らしからぬ声で思わず叫(さけ)んでしまっていた。

 だって、その立体的な菱形(ひしがた)の中には、どう見ても一角天馬(ユニコーンペガサス)と呼ぶのがふさわしい姿の幼体が居たのだから………。

 その幼体は、目を瞑(つぶ)って半丸まりの状態でいる。


 えっとぉ~……この部屋のイベントって、腕輪が出現(しゅつげん)するモンじゃなかったの?

 なんで、生物(なまもの)が出現(しゅつげん)するの?

 じゃなくて、こんな中に入った状態で、この子(一角天馬(ユニコーンペガサス))は生きているの?


 なんか、コウちゃんと良く似ているわねぇ。

 特に…額(ひたい)の角(つの)が1つで、背中の翼が3対なんて………。

 コウちゃんの兄弟?

 いやいや………姿的(すがたてき)に有り得ないんじゃなかな?


 ここって、遺伝子の組み換(か)えとか遺伝子融合(いでんしゆうごう)をさせて、キメラ化させた子なのかしら?

 もしかして、ここってそういう実験施設………じゃないわっ。


 嗚呼(ああ)、前世の記憶のセイで………妙(みょう)な発想が………。

 でも、現(げん)に前世の女暗殺者だった私は、そうやって誕生しているし………。

 こうして、この世界に転生? して生まれてきている。

 そういう知識を持った者が居てもおかしくはない。


 いやいや…ここのダンジョンって、創造主の女神様が初めて生み出した神子が、狂ってしまったことで《封印》されている場所よねぇ。

 でも、私自身の前世もタイムパラドックス状態で、同時期に繰(く)り返して生まれているし………。


 それを考えると、創造主の女神様が存在した時代に、別の世界からとか別の次元から、なんてことも考えられるのよねぇ………。


 公式攻略本には、創世記(そうせいき)のことなんて一切書いてなかったけど、裏設定でエグイのがあったのかも………。

 例えば、創造主である女神様が、現在は存在していない理由(わけ)とか………。


 えぇぇぇい…止め…止め…そんなこと考えたって意味は無いわ。

 私は、今(いま)どうすれば良いかを探さないといけないのよ。

 そして、コウちゃんと一緒にこの世界を冒険して、美味しいモノをいっぱい食べるんだから………。


 とにかく、この左手首に嵌(は)まる腕輪と対(つい)の腕輪を見付けて、このダンジョンを抜ける。

 それが、最優先よ。


 別に攻略しなくたって良いわ。

 コウちゃんと無事に脱出(だっしゅつ)できるなら………。

 とにかく、対(つい)の腕輪を探さないとね。

 まったく、いったい何処(どこ)にあるのかしら? 


 菱形(ひしがた)の立方体の真ん中に浮かぶ一角天馬(ユニコーンペガサス)の幼体が出現(しゅつげん)したことに困惑(こんわく)する私は、つい腕に抱えているコウちゃんに聞いてしまう。


「ねぇ…コウちゃん、腕輪が出現(しゅつげん)するんじゃなかったの?」


 つい、現実逃避ぎみにそう言えば、ちょっと力無い声で前足を軽く上げて言う。


『……腕輪…だよぉ……ほらぁ…角(つの)のところにある…でしょぉ~……』


 どこか力無い声で、とてもつまらなそうに言うコウちゃんに、私は小首を傾(かし)げてしまう。


 うん? どうしたのかな? なんか、コウちゃん萎(しお)れている?

 仲間の姿を見て、嬉しくないのかな?

 じゃなくて、この幼体の一角天馬(ユニコーンペガサス)の角(つの)の根元にあるの?


 コウちゃんに言われて、私はマジマジと菱形(ひしがた)の立方体の真ん中に浮かぶ一角天馬(ユニコーンペガサス)の幼体の角(つの)の根本を確認する。


 ………あぁ…たしかに………ソレらしいモノが嵌(は)まっているわね。

 いかにも、この右手首の腕輪と対(つい)って感じの腕輪がある。


 コウちゃんの指摘(してき)に…その場所(角の根元)を確認し、私は納得する。


「ああ、たしかに……角(つの)の根元にあるわね」


 頭の大きさの割(わ)りに、かなり太くて短い角(つ)の根元に、今、私が嵌(は)めている腕輪とそっくりなモノを視認(しにん)して頷(うなず)く。


 とりあえずは、対(つい)の腕輪の回収よ、シルビアーナ。

 そんでもって、もしもまだこの中で生きているなら………助けてあげたい。

 だって、どう見ても幼体だしねぇ………。

 見捨てて行けないから……連れて行ってあげたいかも………。

 あっ……そっか……。


 そこで私はやっと、コウちゃんの気持ちに気付いた。


 どこか声に力無く、つまらなそうな声の理由(わけ)に思い当たり、私はふっと笑ってしまう。


 そっかぁ~…なんか見たコトある感じだと思ったら、あの子達の姿に近いんだ。

 アラフィフ喪女(もじょ)の私が、前世で飼っていた猫ちゃんや犬達に………。


 そこで、やっとあの子達(飼っていた猫や犬)を思い出す私って薄情なのかなぁ………。

 じゃなくて、あの子達は誰が引き取ってくれたのかなぁ?

 黒歴史のお宝は恥だぁぁぁ~って、自分の前世を思い出してすぐに思い浮かんだけど………。


 あの子達の大半って、前のご主人が事故で亡くなって………って………あれ?

 何だろう? 今…なんか思い出しかけたような………。


 自分の中に思い起こされた記憶に引っかかるモノを感じて、思わず縋(すが)るに腕の中のコウちゃんを抱き締(し)める。

 私の腕の感触に、どこか安心したらしいコウちゃんは、はふっと溜(た)め息を吐(は)いて言う。


『ますたぁー…コイツも連れて行くの?』




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