033★石壁には|魔晶石《ましょうせき》が|埋《う》め込まれていました
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
私の驚きの言葉に、コウちゃんが説明してくれる。
『あっ…それねぇ~…ますたぁーがぁ…既に反対側の強欲の回廊の左の腕輪を手に入れて、攻略してあるからだよぉ~……勿論、経由地点のお水の両方も飲んでるしねぇ~………良かったねぇ~…左側を先に攻略して、お水を飲んでおいて………』
にこにこしながら言うコウちゃんに、私は内心でガックリする。
コウちゃん、ソレ重要な情報だから………はぁ~……。
普通なら……たぶんこういう植物の壁があったら………こう…わっと蔓の触手のようなモノで襲われるが定番よねぇ………。
まして、この題名不明のなんちゃって乙女ゲームを作ったのは、エロゲー会社なんだから………。
そういう意味では、コウちゃんの助言に感謝ね。
だって、そうじゃなかったら、たぶん襲われていたでしょうから。
はぁ~……ここで悩んでもしょうがないわね。
たしかに、前世で私が生きていた時はエロゲー会社の作ったやり込み要素が満載のなんちゃって乙女ゲームだったかもしれないけどねぇ。
残念なことに、現在のこの状況はパソコンやテレビ画面に映る絵空事じゃなくて、現実なのよねぇ。
思わず、私はそう内心で自分の気持ちに突っ込みを入れて、軽く首を振り、気持ちを無理矢理に切り替える。
から、植物の壁の後ろに出現した石壁を撫でてみる。
うん、きちんと石壁の感触がするわね。
とりあえず、私の認識が狂わされているということは無さそうね。
それにしても、今更の疑問だけど、こんなところでも植物って育つものなのかしら?
このダンジョンの中は、濃度の濃い魔素と真那があるから大丈夫とか?
もしかして、ここの植物達は光合成に必要な日光は必要ないのかしら?
いや、それよりもちゃんと光合成とかってするのかしら?
ちょっと植物に拒否られて、無意識に落ち込んだ私は、ついついそんなコトを考えてしまう。
『ますたぁー…大丈夫ぅ~………』
心配そうなコウちゃんの声でハッとした私は、逃げた蔓や咲いた花に、蕾みなどがどの程度動いたかを確認する。
うぅ~ん…花の位置も蕾みも移動しているわね。
成程そのまま、その場に居る訳じゃないのね。
となると、こうして私が手を出して動かないモノの中に鍵となるモノが在るって考えれば良いのかしら?
マジマジと見て、後ろの石壁を撫でながら思案する。
それとも、植物が作る壁の後ろに存在する石壁に、隠し扉みたいなモノが存在して、その中に在るのかしら?
まぁ…どう考えても、天井も含めて調べなければならないのはたしかね。
そう思った私は、最初に手を付けた壁から探索を始めることにした。
丁寧に掌を石壁を満遍なく撫でるように動かす。
と、大半の蔓やその他は移動するのに、ごく稀に動かない蔓があった。
それは石壁に描かれた蔓や蕾みだったり、本物と硬さを持つ蔓だった。
なんの進展もないまま、ひたすら黙々と石壁に掌を滑らせる私を、コウちゃんは黙って見守っていた。
たぶん、このイベントは自分の知恵だけで、自力で攻略しなければいけないモノなのだろう。
実際、攻略本を見ながらやると、その楽しさが半減するのはたしかだしね。
攻略本を見ながらだと、簡単で便利かも知れないけれど、その分の感動が薄いのも事実だしね。
私はいくつ目になるかわからない、石壁に描かれた花の華芯を撫でた。
うん? うぅん? 今、何か微かな違和感を感じたわ。
その部分を調べる為に、私はゆっくりと右手の人差し指と中指の指の腹に神経を集中させて、違和感を感じた部分を再度確認するように撫でた。
そして、撫でて気付いたのは、その華芯が魔晶石でできているということだった。
そう、石壁には、魔晶石が嵌め込まれていたのだ。
「えっとぉ~………コレって魔晶石よねぇ………」
呟く私の肩で、コウちゃんが身を乗り出し、滑り落ちそうになって、その魔晶石に触れてしまう。
その次の瞬間、コウちゃんは悲痛に鳴く。
『きゃうぅぅ~……』
私は肩から落ちかけたコウちゃんを抱き締め、その魔晶石から慌てて引き離す。
「きゃぁぁ~……コウちゃん、大丈夫? 私が触っても平気だったから、油断しちゃったわ」
まだ痺れているらしいコウちゃんを癒そうと、腕の中に魔力を集めるイメージを思い浮かべながら、癒しの繭を作り上げる。
キラキラと光る魔力の塊で作り上げた繭の中で、コウちゃんがくったりしながらぼやく。
『…きぅぅ~……まさか……オレの……魔力……喰われる…なんて………油断したぁ……せっかく、ますたぁーに魔力その他をもらって、回復してきていたのにぃ~………』
愛らしくブツブツと呟くコウちゃんの、思わず無意識のままくすっと笑ってしまう。
本当に、コウちゃんて可愛らしいわぁ~………。
じゃなくて、私は大丈夫なのに、コウちゃんは魔力を盗られちゃったの?
そうなると、かなり気をつけないと、コウちゃんが食べられて弱ってしまうわね。
まぁ今のところ、私自身を狙って来ることはなさそうだけど………。
とにかく、この部屋にあるという腕輪を見付け出さないと、このイベントは終わらないね。
でも、魔晶石があった位置は覚えておきましょう。
1つ目があったってことは、石壁に対して似たような位置か、三角形か立体の菱形かの位置にあるとふんで良いわね。




