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悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する  作者: ブラックベリィ


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33/52

033★石壁には|魔晶石《ましょうせき》が|埋《う》め込まれていました


作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。

設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。

感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)


主人公は、かなりマイペースです。

生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。




 私の驚きの言葉に、コウちゃんが説明してくれる。


『あっ…それねぇ~…ますたぁーがぁ…(すで)に反対側の強欲(ごうよく)回廊(かいろう)の左の腕輪を手に入れて、攻略してあるからだよぉ~……勿論(もちろん)、経由地点のお水の両方も飲んでるしねぇ~………良かったねぇ~…左側を先に攻略して、お水を飲んでおいて………』


 にこにこしながら言うコウちゃんに、私は内心でガックリする。


 コウちゃん、ソレ重要な情報だから………はぁ~……。

 普通なら……たぶんこういう植物の壁があったら………こう…わっと(つる)触手(しょくしゅ)のようなモノで襲われるが定番よねぇ………。

 まして、この題名不明のなんちゃって乙女ゲームを作ったのは、エロゲー会社なんだから………。


 そういう意味では、コウちゃんの助言に感謝ね。

 だって、そうじゃなかったら、たぶん襲われていたでしょうから。

 はぁ~……ここで悩んでもしょうがないわね。


 たしかに、前世で私が生きていた時はエロゲー会社の作ったやり込み要素(ようそ)満載(まんさい)のなんちゃって乙女ゲームだったかもしれないけどねぇ。

 残念なことに、現在のこの状況(じょうきょう)はパソコンやテレビ画面に(うつ)絵空事(えそらごと)じゃなくて、現実なのよねぇ。


 思わず、私はそう内心で自分の気持ちに()っ込みを入れて、軽く首を()り、気持ちを無理矢理(むりやり)に切り()える。


から、植物の壁の後ろに出現(しゅつげん)した石壁を()でてみる。


 うん、きちんと石壁の感触がするわね。

 とりあえず、私の認識が(くる)わされているということは無さそうね。

 それにしても、今更(いまさら)の疑問だけど、こんなところでも植物って育つものなのかしら?


 このダンジョンの中は、濃度の濃い魔素(まそ)真那(まな)があるから大丈夫とか?

 もしかして、ここの植物達は光合成(こうごうせい)に必要な日光は必要ないのかしら?

 いや、それよりもちゃんと光合成(こうごうせい)とかってするのかしら?

 

 ちょっと植物に拒否(きょひ)られて、無意識に落ち込んだ私は、ついついそんなコトを考えてしまう。


『ますたぁー…大丈夫ぅ~………』


 心配そうなコウちゃんの声でハッとした私は、逃げた(つる)や咲いた花に、(つぼ)みなどがどの程度動いたかを確認する。


 うぅ~ん…花の位置も(つぼ)みも移動しているわね。

 成程(なるほど)そのまま、その場に居る訳じゃないのね。

 となると、こうして私が手を出して動かないモノの中に(かぎ)となるモノが()るって考えれば良いのかしら?


 マジマジと見て、後ろの石壁を()でながら思案する。


 それとも、植物が作る壁の後ろに存在する石壁に、(かく)(とびら)みたいなモノが存在して、その中に()るのかしら?

 まぁ…どう考えても、天井も(ふく)めて調べなければならないのはたしかね。


 そう思った私は、最初に手を付けた壁から探索(たんさく)を始めることにした。


 丁寧(ていねい)(てのひら)を石壁を満遍(まんべん)なく()でるように動かす。

 と、大半の(つる)やその他は移動するのに、ごく(まれ)に動かない(つる)があった。

 それは石壁に(えが)かれた(つる)(つぼ)みだったり、本物と(かた)さを持つ(つる)だった。


 なんの進展(しんてん)もないまま、ひたすら黙々と石壁に(てのひら)(すべ)らせる私を、コウちゃんは黙って見守っていた。


 たぶん、このイベントは自分の知恵だけで、自力で攻略しなければいけないモノなのだろう。

 実際、攻略本を見ながらやると、その楽しさが半減するのはたしかだしね。

 攻略本を見ながらだと、簡単で便利かも知れないけれど、その分の感動が薄いのも事実だしね。


 私はいくつ目になるかわからない、石壁に(えが)かれた花の華芯(かしん)()でた。


 うん? うぅん? 今、何か(かす)かな違和感を感じたわ。


 その部分を調べる為に、私はゆっくりと右手の人差し指と中指の指の腹に神経を集中させて、違和感を感じた部分を再度確認するように()でた。

 そして、()でて気付いたのは、その華芯(かしん)魔晶石(ましょうせき)でできているということだった。

 そう、石壁には、魔晶石(ましょうせき)()め込まれていたのだ。


「えっとぉ~………コレって魔晶石(ましょうせき)よねぇ………」


 (つぶ)く私の肩で、コウちゃんが身を乗り出し、(すべ)り落ちそうになって、その魔晶石(ましょうせき)()れてしまう。

 その次の瞬間、コウちゃんは悲痛に鳴く。


『きゃうぅぅ~……』


 私は肩から落ちかけたコウちゃんを抱き()め、その魔晶石(ましょうせき)から(あわ)てて引き(はな)す。


「きゃぁぁ~……コウちゃん、大丈夫? 私が(さわ)っても平気だったから、油断しちゃったわ」


 まだ(しび)れているらしいコウちゃんを(いや)そうと、腕の中に魔力を集めるイメージを思い浮かべながら、(いや)しの(まゆ)を作り上げる。

 キラキラと光る魔力の(かたまり)で作り上げた(まゆ)の中で、コウちゃんがくったりしながらぼやく。


『…きぅぅ~……まさか……オレの……魔力……()われる…なんて………油断したぁ……せっかく、ますたぁーに魔力その他をもらって、回復してきていたのにぃ~………』


 (あい)らしくブツブツと(つぶや)くコウちゃんの、思わず無意識のままくすっと笑ってしまう。


 本当に、コウちゃんて可愛らしいわぁ~………。

 じゃなくて、私は大丈夫なのに、コウちゃんは魔力を()られちゃったの?

 そうなると、かなり気をつけないと、コウちゃんが食べられて弱ってしまうわね。


 まぁ今のところ、私自身を狙って来ることはなさそうだけど………。

 とにかく、この部屋にあるという腕輪を見付け出さないと、このイベントは終わらないね。

 でも、魔晶石(ましょうせき)があった位置は覚えておきましょう。

 1つ目があったってことは、石壁に対して似たような位置か、三角形か立体の菱形(ひしがた)かの位置にあるとふんで良いわね。




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