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悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する  作者: ブラックベリィ


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30/58

030★対のお部屋はそっくりでした


作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。

設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。

感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)


主人公は、かなりマイペースです。

生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。




 大きくなったコウちゃんをしばらくもふもふした頃、コウちゃんがスルリと腕から抜けて、肩に(すわ)りながら私に向かって言う。


『ごめんねぇ~…ますたぁ~……お腹の部分はかなり減らしたけどぉ……二の腕と太腿(ふともも)は、また後でで良い? どうやら、コウちゃんってば思いっきり魔力枯渇(まりょくこかつ)になったままで長期間いたから、一度に吸収(きゅうしゅう)できる魔力量がかなり少なくなっているみたいなんだぁ』


 お耳をへにゃりとさせてそう言うコウちゃんに、私は微笑(わら)って言う。


「うふふふふ………それは大丈夫よ。かなり身体(からだ)が軽くなったから……コウちゃんも少しずつ、本来の魔力量になるはずだから無理しないでね」


 そう言いながら、私は再び下着のヒモを()めなおして(むす)びなおし、後ろで蝶々結(ちょうちょむす)びしていた重ねの布を()いて、後ろで交差させて前に持ってきて、ギュッと前に()めて(むす)ぶ。


 うふふふふ………(うそ)みたいねぇ~……かなぁ~り……()せられたわぁ。

 なんといっても、ちゃんとお腹に凹みができたもの。


「さぁ~てと………反対側の強欲(ごうよく)回廊(かいろう)のお宝回収の前に、もうちょっとお水を飲みますか」


 飲めば体力が回復して、心身(しんしん)がスッキリする(つぼ)のお水をもう1度飲みながら、私はこの後の行動を考える。


 コウちゃんの言葉から考えて、この(つぼ)は持っていっても良いモノらしいからゲットしましょう。

 いやぁー良かったわぁ~…先に腕輪型のインベントリを手に入れていて………。

 そうじゃ無かったら、この(つぼ)を持っていこうなんてカケラも考えられなかったわね。


 でも、回復効果のある水入りの(つぼ)があれば、喉が(かわ)いた時に気軽に出して飲めるから良いわぁ~………。


 そんなコトを考えながら、喉の(かわ)きが()えた私は(つぼ)に左手首に()まる腕輪を(かぎ)して、呪文を(とな)える。

 次の瞬間には、そこにあった水を()たしていた(つぼ)はあっさりとインベントリの中へと消える。


 ただ、私はこの時も、腕輪に()められている魔晶石(ましょうせき)表示(ひょうじ)されたモノは確認していなかった。

 そう、表示(ひょうじ)されるモノを一切確認していないのだ。


 はっきり言っていくつもある部屋の中のお宝を回収する作業に追われて、何をインベントリへと入れたかなど、いちいち確認するだけの時間が()しかったのだ。

 いや、時間は停止状態の場所と言われても、長くそこに()たいとは思わなかったので、考えないようにしていただけなのだが………。


 後で『自分が、コレを持っていて良いのか?』と後悔(こうかい)するようなモノが結構(けっこう)どころではなく収納(しゅうのう)されていた。

 だが、この時の私は、のちのち後悔(こうかい)することになるなどと、カケラも思い(いた)らなかったのはたしかな事実だった。


 大きくなったコウちゃんは、私の肩からフワッと飛び上がり、空中をふよふよと歩き始める。

 どうやら大気中に存在する魔素(まそ)を、足場に歩いているようだった。

 翼はというと、3対とも背中に折りたたまれていた。


「コウちゃん、翼で()ばたかなくても空中にいられるのね」


 空中を歩く姿を見た私は、素朴(そぼく)感想(かんそう)を口にしていた。


『うん…ここの魔素(まそ)真那(まな)は、ちょうど良い配分で、濃い目なんだ』


 そっかぁー…魔素(まそ)のほかに、真那(まな)も濃いのかぁ………なるほど。

 じゃなくて、次に行こう、次っ………。


「さて、それじゃ、コウちゃん、この部屋で回収するモノも、イベントもなさそうだから、次の部屋に行こうか?」


 私のセリフに、コウちゃんはコクっと頷いく。


『そうだね。それじ(つい)になっている部屋に移動しようか………』


 そう言って、入って来た時に通った等身大の大鏡の真正面の壁に設置(せっち)されている、まるっきり同じ装丁(そうてい)の等身大の大鏡の前へと移動する。

 私もその前へと移動し、立つ。


 そこに(うつ)る自分は、(さら)に美少女に変身していた。

 そう、(さら)身体(からだ)が引き(しぼ)られて、ちゃんと凹凸がある姿へと変化した私、シルビアーナがそこに立っていた。

 その姿をマジマジと見て、無意識の()め息を(こぼ)れ落とす。


 これが、本来の私の姿ってことよねぇ………。

 いや、努力して手に入れたモノじゃないけどね。

 後で自分のスペックを確認したら、少し鍛錬(たんれん)しないとね。

 (うす)(やわ)い手じゃ冒険者なんてできないもの。

 勿論(もちろん)、筋肉も必要よ。


 ひとしきり、本来のシルビアーナとしての自分の姿を確認した私は、ふよふよと浮かぶコウちゃんに手を伸ばし、自分の肩へと誘導(ゆうどう)する。

 私の手の意図(いと)を認識したコウちゃんは、そのままスタッと肩へと乗り込む。


 さっきも思ったけど、大きさとか変わっても、ほとんど重さとか感じないわねぇ………。

 そう思いつつ、大鏡の鏡面に両手をあてて魔力を通すと、さっき同様に大鏡の中を通って反対側の対の部屋へと移動していた。

 見た目だけで言うなら、そっくりそのままなので、大鏡の移動に失敗したのではないかという錯覚(さっかく)(おぼ)えるほど、そのままだった。


「ねぇ…コウちゃん、私ってば失敗してないわよね」


 思わず確認する私に、コウちゃんは(うなず)いて答えてくれる。


『うん…大丈夫だよぉ~……ここは(つい)の部屋だから、そっくりなだけだから………』


 それを聞いて、私は安心する。

 コウちゃんというナビ(または、サポーター)がいるから、安心してこのダンジョンの裏ルートを突き進めるのよねぇ。

 本当に、助かるわぁ~………。

 高スペックな上に、もふもふで可愛くて、私の大事な子。




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