030★対のお部屋はそっくりでした
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
大きくなったコウちゃんをしばらくもふもふした頃、コウちゃんがスルリと腕から抜けて、肩に座りながら私に向かって言う。
『ごめんねぇ~…ますたぁ~……お腹の部分はかなり減らしたけどぉ……二の腕と太腿は、また後でで良い? どうやら、コウちゃんってば思いっきり魔力枯渇になったままで長期間いたから、一度に吸収できる魔力量がかなり少なくなっているみたいなんだぁ』
お耳をへにゃりとさせてそう言うコウちゃんに、私は微笑って言う。
「うふふふふ………それは大丈夫よ。かなり身体が軽くなったから……コウちゃんも少しずつ、本来の魔力量になるはずだから無理しないでね」
そう言いながら、私は再び下着のヒモを締めなおして結びなおし、後ろで蝶々結びしていた重ねの布を解いて、後ろで交差させて前に持ってきて、ギュッと前に締めて結ぶ。
うふふふふ………嘘みたいねぇ~……かなぁ~り……痩せられたわぁ。
なんといっても、ちゃんとお腹に凹みができたもの。
「さぁ~てと………反対側の強欲の回廊のお宝回収の前に、もうちょっとお水を飲みますか」
飲めば体力が回復して、心身がスッキリする壷のお水をもう1度飲みながら、私はこの後の行動を考える。
コウちゃんの言葉から考えて、この壷は持っていっても良いモノらしいからゲットしましょう。
いやぁー良かったわぁ~…先に腕輪型のインベントリを手に入れていて………。
そうじゃ無かったら、この壷を持っていこうなんてカケラも考えられなかったわね。
でも、回復効果のある水入りの壷があれば、喉が渇いた時に気軽に出して飲めるから良いわぁ~………。
そんなコトを考えながら、喉の渇きが癒えた私は壷に左手首に嵌まる腕輪を翳して、呪文を唱える。
次の瞬間には、そこにあった水を満たしていた壷はあっさりとインベントリの中へと消える。
ただ、私はこの時も、腕輪に嵌められている魔晶石に表示されたモノは確認していなかった。
そう、表示されるモノを一切確認していないのだ。
はっきり言っていくつもある部屋の中のお宝を回収する作業に追われて、何をインベントリへと入れたかなど、いちいち確認するだけの時間が惜しかったのだ。
いや、時間は停止状態の場所と言われても、長くそこに居たいとは思わなかったので、考えないようにしていただけなのだが………。
後で『自分が、コレを持っていて良いのか?』と後悔するようなモノが結構どころではなく収納されていた。
だが、この時の私は、のちのち後悔することになるなどと、カケラも思い至らなかったのはたしかな事実だった。
大きくなったコウちゃんは、私の肩からフワッと飛び上がり、空中をふよふよと歩き始める。
どうやら大気中に存在する魔素を、足場に歩いているようだった。
翼はというと、3対とも背中に折りたたまれていた。
「コウちゃん、翼で羽ばたかなくても空中にいられるのね」
空中を歩く姿を見た私は、素朴な感想を口にしていた。
『うん…ここの魔素と真那は、ちょうど良い配分で、濃い目なんだ』
そっかぁー…魔素のほかに、真那も濃いのかぁ………なるほど。
じゃなくて、次に行こう、次っ………。
「さて、それじゃ、コウちゃん、この部屋で回収するモノも、イベントもなさそうだから、次の部屋に行こうか?」
私のセリフに、コウちゃんはコクっと頷いく。
『そうだね。それじ対になっている部屋に移動しようか………』
そう言って、入って来た時に通った等身大の大鏡の真正面の壁に設置されている、まるっきり同じ装丁の等身大の大鏡の前へと移動する。
私もその前へと移動し、立つ。
そこに映る自分は、更に美少女に変身していた。
そう、更に身体が引き絞られて、ちゃんと凹凸がある姿へと変化した私、シルビアーナがそこに立っていた。
その姿をマジマジと見て、無意識の溜め息を零れ落とす。
これが、本来の私の姿ってことよねぇ………。
いや、努力して手に入れたモノじゃないけどね。
後で自分のスペックを確認したら、少し鍛錬しないとね。
薄く柔い手じゃ冒険者なんてできないもの。
勿論、筋肉も必要よ。
ひとしきり、本来のシルビアーナとしての自分の姿を確認した私は、ふよふよと浮かぶコウちゃんに手を伸ばし、自分の肩へと誘導する。
私の手の意図を認識したコウちゃんは、そのままスタッと肩へと乗り込む。
さっきも思ったけど、大きさとか変わっても、ほとんど重さとか感じないわねぇ………。
そう思いつつ、大鏡の鏡面に両手をあてて魔力を通すと、さっき同様に大鏡の中を通って反対側の対の部屋へと移動していた。
見た目だけで言うなら、そっくりそのままなので、大鏡の移動に失敗したのではないかという錯覚を覚えるほど、そのままだった。
「ねぇ…コウちゃん、私ってば失敗してないわよね」
思わず確認する私に、コウちゃんは頷いて答えてくれる。
『うん…大丈夫だよぉ~……ここは対の部屋だから、そっくりなだけだから………』
それを聞いて、私は安心する。
コウちゃんというナビ(または、サポーター)がいるから、安心してこのダンジョンの裏ルートを突き進めるのよねぇ。
本当に、助かるわぁ~………。
高スペックな上に、もふもふで可愛くて、私の大事な子。




