028★等身大の大鏡の先は?
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
大鏡に映った少女の頭髪は、青みすら帯びた銀糸。
その瞳は、綺麗な薄紫色。
私は思わずキョロキョロと周囲を見回す。
周囲には、やはり誰も居なかった。
そして気付く、そのふとましいが、それでも綺麗なといえる少女が着るドレスが、今の自分が着ていたモノとさほど変わらないことを………。
ちょっと待って、この色のドレス………って…えぇぇぇぇぇぇぇぇ………。
もしかしなくても、やっぱりこの等身大の大鏡に映っているのって、私ってことぉ?
驚いた表情のふとましい少女の肩には、コウちゃんがちょこなんっと座っている。
まじまじと大鏡を見てから、私は自分の手を鏡面に触れさせて確認する。
指先に触れた鏡面の感触と、映る手が同じように動いたことで、現状をやっと認めることができた。
はぁ~………寸分の狂いもなく同じように動いたわね。
ってことは、やっぱり、このまだまだふとましいけど、可愛い子は私ってことんのね。
いや、たしかに、寝ると小高い丘のようなお腹は、かなり減ったとは思っていたけど………。
いや、確かに腰の後ろで蝶々結びしたけど、思っているよりはパーティードレスがズルズルになってなくて、ホッとするわ。
ブカブカでお引きづりになってなくで良かった~………。
だいぶ痩せれたとは言っても、こうして大鏡に映った姿を見ると、まだまだね。
いや、本当に身体も動きも軽くなったけどね。
あとで、もう一回………いや、二回……ううん数回、コウちゃんに痩身美容の施術してもらって痩せたいわね。
じゃなくて、今は疑問や希望なんてモンは、いったん箱にしまって棚の中にしまいましょう。
とにかく、この等身大の大鏡を通って次に進まないとね。
私は無理やり意識を切り替えて、大鏡の鏡面に両の掌をペタッと付けてコウちゃんに言われた通りに魔力を込める。
すぅーっと身体から再び何かが抜ける感触を味わう。
それと共に、大鏡が内側から光りが零れ始める。
本当にねぇ…あんなにも感知すらできなかった魔力を、こうも容易く使用できるんですものねぇ………どんだけよっ。
あの3点セットのセイで、いったいどれだけ私はマイナスを背負っていたのよっ。
それもこれも、まず間違い無く、あの脳内お花畑のルドルフ皇太子のセイだってことは、いやってほど理解るわね。
まぁ……でも、そのお陰で可愛いコウちゃんと出会えたことには感謝するわね。
だからと言って、あのお花畑のルドルフ皇太子や、あのビッチヒロイン達がやったことを許す気なんてさらさらないけど………。
そう考えている間に、等身大の大鏡が輝きを放ち、両手がスゥーっと何の抵抗もなく鏡面を通る。
そのまま、私は一歩を踏み出した。
ちょっと微妙な感覚のズレを感じつつ、スカッという音がつきそうなほど簡単に等身大の大鏡を抜けたソコは………。
「今まで部屋の半分の規模の大きさくらいかしら?」
室内は今まで部屋と違い質素な感じがした。
ちなみに壁際には壷が置かれていた。
「あら、壷があるわ」
そう呟いた私は、そのまま壷のところへと向かった。
壷には、水のようなモノが首元の近くまで満たされていた。
その壷に入った水のようなモノを見た瞬間、妙な喉の渇きを感じた。
だから、私は肩にちょこなんっと座ったままのコウちゃんに恐る恐る聞いてみた。
「コウちゃん、なんか喉が渇いた感覚があるんだけど?」
私の言葉に、肩のコウちゃんはケロッと答える。
『この部屋は正常に時間が流れているからじゃないかな? 別に危ないモノは入ってないよ。その水は回復薬みたいなモノだから……喉が渇いているなら飲んじゃえば……なんなら、その壷もインベントリに入れちゃえばいいよぉ~………』
コウちゃんのセリフに、そういうモノなんだと、私は深く考えずに、壷の水面へと指先を付けて、唇へと導く。
それが、どういうモノかなんて考えもせずに………。
回復薬の役目を果たすという水は、ほどよく冷えていて、つるっと口腔 へと滑り込む。
私は水の感触を感じた途端、心身に溜まっていた疲労感らしきモノがすぅーと消えるのを感じたのだった。
喉の渇きが消えて、心身が癒される感覚に身を浸して、しばらくその心地良さに双眸を閉じてうっとりする。
はぁ~……確かに、コウちゃんが言ったように、この壷のお水は回復薬みたいなモノが混じっているようね。
でも、ただの水よねぇ………たぶん………。
じゃなくて、回復薬みたいなモノだっ言うならコウちゃんも飲めば良いのに………。
そう単純に思った私は、肩に乗るコウちゃんに言う。
「そう言えばコウちゃん、なんか縮んでない? 回復薬になるなら、この壷のお水を飲んだ方が良かったんじゃない?」
私のセリフに、コウちゃんは首を振って答える。
『ううん…残念だけど、この壷のお水じゃコウちゃん回復できないんだぁ………』
コウちゃんのセリフに、私はちょっと考える。
えぇーと…理由はわからないけど、回復薬の入ったお水じゃコウちゃんはダメなのね。
あっ…だったら、私の魔力を分けてあげれば、また元のサイズに戻れるのかな?
あの時、コウちゃんは私の身体から溢れた魔力が、濃縮された状態で滞留して、脂肉となっているって言ってたわね。
その脂肉の状態になっている魔力を、私から吸収して、コウちゃんは大きくなったのよねぇ………。




