027★お宝回収はとても大変だった
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
私は、とにかく強欲の回廊にある扉という扉を開けて部屋に入り、ただひたすら左手首に嵌めたインベントリへとお宝を回収しまくった。
そして、たぶん最後の部屋の宝物をたった今、ぜぇ~んぶ回収し終えた。
その瞬間、どこかでカタンッと言う音がした。
『あっ…良かったねぇ~ますたぁー…どうやら、お宝を全部回収し終わったようだよぉ~………』
「本当…コウちゃん? これで強欲の回廊にある財宝を回収し終わったの?」
ついそう聞いてしまう私に、コウちゃんが頷いて言う。
『うん、今のカタンッていう音はねぇ。この回廊のラスト部屋が出現した音なんだよぉ~………』
楽しそうにそう言うコウちゃんのセリフに、私は苦笑いをこぼれ落とす。
うふふふ…この部屋が最後じゃなかったのねぇ………。
って、そうよねぇー………そんな簡単じゃないわよねぇ。
RPGにしろ乙女ゲームにしろ、色々なイベントをクリアすると出現するモノって、かならずあるモノねぇ………。
これは、反対側の回路へと続くキップなんだから、頑張らないとね。
「そうなの? ということは、こちら側の強欲の回廊のお宝は回収が済んだって証拠ね。それじゃ、そのラストのお部屋に行きましょうか? さて、ラストの部屋はどこかしらねぇ?」
小首を無意識に傾げてそう言う私に、コウちゃんがちょっとすまなそうに言う。
『あのねぇ~…ますたぁ~…そのラスト部屋は、コウちゃんでも何処に出現するか判らないの……今まで開けた部屋の何処かってことしか………』
そのセリフを聞いた私は、ちょっと遠い瞳になってしまう。
そして、コウちゃんの一人称が再び俺からコウちゃんになっていた。
だって、もう1回この強欲の回廊にあるお宝が入っていた部屋を回るということなんだもの………。
本当に、気にしなくていいのにねぇ……コウちゃんって可愛いわねぇ。
こういうゲームって、そういうモンなのだから、もうしょうがないって諦めるしかないのよね。
「…そ…う……それじゃ、もう1度強欲の回廊にある部屋を、ひと部屋づつ確認して回りますか」
そう言って、私はその部屋を出て、隣りの部屋の扉を開けるのだった。
入って室内を見た私は、がっくりする。
私の決意と、コウちゃんの済まない気持ち………どうしてくれるのぉ~…………。
まぁ~……良い意味で裏切ってくれるわねぇ~………はぁ~……。
開いた扉の向こうにある、部屋の中央には台座が出現していたのだ。
更に言えば、そこには曰くありげな首飾りがひと際燦然と光りと輝いていたのだから………。
「コウちゃん………」
思わず肩に座るコウちゃんに手を伸ばし、その頭を撫でながら名を呼んでしまう。
『ごめんねぇ~……ここの細工物の大半は、皆でよってたかって、遊びで作ったモノが詰め込まれているんだぁ………』
ねぇ…コウちゃん、その皆ってどなたさん達なのかしら?
聞くの怖いからあえて聞かないことにしよう。
勿論、この先も聞く気はないわ。
そう思った私は、さらりと聞き流して言う。
「そうなの………」
『うんっ』
嬉しそうに胸を張ってそう言うコウちゃんに心癒されながら、私は無感動に左手首に嵌めたインベントリへと収納することにする。
「そう………とりあえず【収納】」
確認は後で良いわ。
もう、ここは心を無にして、サクサクと回収して行くわよ。
そうよねぇ~…一巡で済むわけないわよねぇ~………。
さっきまで回収した各部屋のお宝が、一山いくらなぐらい高価そうよねぇ~………。
部屋中央に台座付きで出現したお宝って、それひとつで国が買えそうなモノばかりなんだもの。
とにかく、各部屋のお宝を再度回収して、反対側の回廊へのキップを手に入れるのよ。
黙々と部屋の中央に出現した台座のお宝を回収する私に、コウちゃんが言う。
『ますたぁーが今入れたので最後だよ。今度こそ本当に反対側の安全地帯の休憩室へ転移できるはずだよ』
コウちゃんのセリフに、私はちょっと考える。
えぇ~とぉ~…転移ってことは、なんかソレらしい場所があるってことよねぇ~………。
それって何処かしら?
そんなことを考えながら反対側にある強欲の回廊へと出るために足を進めれば、少し離れたところに等身大の姿見用の鏡が出現していた。
その瞬間に、私はやっと反対側の安全地帯である、休憩室へと移動する手段を得たことを知る。
「コウちゃん、あの鏡が転移用の通路と思って良いのかしら?」
私の確認の言葉に、コウちゃんはにっこりと笑って言う。
『うんっ…魔力を通すと通れるのぉ……』
いっぱい突っ込みたいことはあったが、今はこのダンジョンを抜け出ることに意識を向け、私は自分にとっての最優先事項を優先することにした。
私はコウちゃんの助言に従い、等身大の鏡の前に移動する。
等身大の鏡の真正面に私は立った。
その瞬間、私は今の自分をはじめて直視してびっくりする
えっ? えぇぇぇ? えっとぉぉぉぉ~………。
もしかしなくても、ここに映っている姿が今の私?
その等身大の鏡に映っていたのは、確かにまだまだかなりふとましいが随分と綺麗な少女の姿だった。




