026★ラノベの定番インベントリ機能のある腕輪をゲットしました
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
困ったなぁ…と思い、私は肩にちょこんと座るコウちゃんに聞く。
「コウちゃん………この腕輪って私の腕に着けるの無理そうだけど……ほら、すっごいスカスカで……手首どころか、二の腕でもちょっと………」
そう言う私に、コウちゃんは言う。
『んーとね…腕輪がスカスカなのは、まだ、腕輪に主って認められてないからなの。その腕輪は、ずぅ~っと今の今まで深い眠りの中にいたから……込められていた魔力も抜けきっちゃって、すっからかんだから………そのままじゃ起動しないんだ。まず、左の手首に通してから、反対の右手で腕輪を手首ごと覆って、魔力を込めてみて………』
そっか……前世の掲示板でも、たしかに誰もこの強欲の回廊を見つけていなかったわ。
だから、込められた魔力が抜けきっちゃって起動しないのね。
そういえば、魔道具の類も込められた魔力が抜けると使用できないって設定が定番だったわ。
私はコウちゃんに言われたとおりに、無警戒でぶかぶかの腕輪を左手首に通して、右手で腕輪を覆い、そのまま魔力を意識して込めてみる。
と、すぅーっと何かが身体の中を移動して、左手首に集まるのを感じた。
うっそぉぉ~……本当に、こんなに簡単に魔力が動くの?
いや、コウちゃんの魔力が動くのは判ったけど。
自分の魔力の動きも簡単に判るし、簡単に動くなんて………。
そう思った次の瞬間、悲鳴を上げたくなるように痛みが左手首から全身へと走る。
まるで、焼き鏝でも押し当てられたかのような灼熱の痛みと、ドライアイスを皮膚の柔らかい部分に押し当てられた時に味わうようなの強烈な冷たさを同時に感じた。
…っ………いったぁぁぁぁ~……ひぐぅぅぅぅ………皮膚が焼けるような…痛みが………。
私は、そのなんとも言いがたい相反する苦痛に襲いかかられて、意識が遠のきかける。
それで、私は必死に途切れかける意識を繋ぎ留めて、かろうじて意識を保っていた。
そして、痛みが薄らいだ直後から、ぎゅぅぅぅぅ~っと手首をきつく締め付けられる感触が始まる。
そのぞわりとした何とも言えない恐怖を覚えるような感覚に、唇を噛み締める。
その感覚は、デジタル式の手首で測る血圧計に締め付けられるソレの何百倍も痛かった。
それが、どれだけ続いたのかはわからない。
一瞬だったのか? 1時間だったのか?
その感触が唐突に消えて、すぅーと身体の芯から柔らかい何かに包まれる。
気が付くと、腕輪は綺麗に左の手首に嵌まり、最初からそこにあったかのような顔をして存在していた。
『良かったねぇ~ますたぁー…腕輪に主として認められたんだよ』
「主に認められた?」
私がそう呟くと、コウちゃんは嬉しそうに頷く。
『うん、認められたんだよ』
それが何を意味するかわからないまま、私はほっとして深く息を吸い込みゆっくりと吐き出した。
どうやら、この部屋での一番のイベントは終わったらしいと気付き、左手首に視線を落としてから、山積みの財宝へと視線を向ける。
「はぁ~……さて、あの財宝のお山をどうやって運べば良いのやら………」
そう困っていると、コウちゃんが助言してくれる。
『ますたぁー…その左手の腕輪を財宝に翳して【収納】って唱えれば、ぜぇ~んぶ入るよ』
そう教えられて、どうやって持ち運びすれば良いか悩んでいた私は、いそいそと左手首の腕輪を翳して、コウちゃんの助言通りに唱える。
「お宝ぜぇ~んぶ【収納】」
そう唱えた次の瞬間には、綺麗さっぱりと山積みとなっていた財宝は消えていた。
「へぇぇぇ~……すっごぉ~い……これって、アレね……ラノベとかで良く出でくるアイテム…インベントリってやつね」
この腕輪が狂いし神子が所有するインベントリなのかは判らないけど、インベントリなのはたしかね。
そう感心して左手首の腕輪を見ると、そこに嵌めこまれている魔晶石に、入っている物のリストが表示される。
うぅ~ん……どこぞで開発された、手首に嵌めるタイプの極小PCってところかしらね。
じゃなくて、こういう時は壁も触って確認よね。
視覚に頼っていたら、二度手間三度手間になる可能性あるもの………。
そう思った私は、両目を瞑って、ゆっくりと壁を撫でて行く。
勿論、本来は届かない高い位置が天井にも、極自然に魔力の触手のようなモノを伸ばして、感覚で見落とししたモノが無いかを探す。
うん…良かった…見落としたモノはどうやらなさそうね………。
丹念に室内を探した後、見落としが無いことを確認してからハッとする。
そう、私がコウちゃんと入って来た扉の内側を、調べていないことに気付いたのだ。
その扉は開きっぱなしである。
ようするに、私の瞳からは開いた扉の裏側を見ていないのだ。
私は扉の元へと行き、内側から扉をしっかりと閉じて見た。
「あっ…やっぱり……ここにもあったかぁ………」
ぴっちりと扉を閉めた瞬間に、扉の左右に剣が出現したのだ。
『うわぁ~ますたぁ~ってば…すっごぉ~い…隠しアイテムもゲットだね』
その言葉を聞いて、コレはレアなアイテムらしいことに気付いた。
が、しかし、なんか気持ち的に疲れていたので後で確認と思いながら、その左右の剣に左手首の腕輪を翳して、呪文を唱えて収納したのだった。
まだ、1室目……この強欲の回廊に、いったいいくつの財宝部屋があるのかなぁ……。
ちょっと遠い瞳になってしまう私だった。




