278★都合よく寝籠(ねかご)がある理由
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
そんなコトを思いながら聞けば、シアちゃんはにっこりと笑って答えてくれる。
「うん、大丈夫だったよ。コウちゃんとガッちゃんが肩に乗って直ぐにね、赤ちゃんを他人に見えなくする魔法と一緒に………えっとぉ~…たぶん重量軽減魔法かなぁ……重さを軽くする魔法をかけてくれたから………あまり重さは感じなかったよ」
そう、コウちゃんとガッちゃんの優しい気遣いのお陰で、シアちゃんの腕は無事だったのね。
「そう、それは良かったわ。ありがとう、コウちゃんガッちゃん。ふたりのお陰でシアの腕は無事ね」
「うん、ママの従姉妹だっけか? 大変そうだったの、俺は覚えてるよ。だから、ガッちゃんと一緒に重量軽減魔法もかけたんだよ」
私の言葉にコウちゃんは胸張りで、ガッちゃんはちょっと恥ずかしそうに長い幅広の耳を無意識にお手入れしていたりする。
うん、安定に可愛いわねぇ~………。
コウちゃんの俺って気遣いできてえらいでしょうっていう姿はなんとも言えない微笑ましさを感じるわ。
ガッちゃんはガッちゃんで、長い幅広のお耳を一生懸命にお手入れする姿なんて、額に角と秘石のふたつが無ければ、まさにコロコロぽてぽてでもふもふものロップイヤーのようね。
ただお尻尾は、フェネックのモノよりも更に長くもふもふで愛らしさを引き立てているわ。
なんてことを思っている間にフリード君が続きの隣室へと行き、手に赤ちゃんに使うような、大きな寝籠を持って戻って来るところだった。
それをソファーセットのテーブルの上に置いて、フリード君がシアちゃんに呼びかける。
「はい、まま、寝籠だよ。赤ちゃんはこっちに寝かせてね」
フリード君の言葉にシアちゃんはちょっときょとんしてから、コクッと頷いてソファアのセットが設置されている場所へと移動する。
ジィーと不思議そうな瞳で寝籠を見ているシアちゃんに、フリード君がなんでソレがあるかを説明する。
「まま、この寝籠はね。イリスさんが買ってくれたモノだよ。ままが抱えていた繭をね。後でこれに入れて置くようにって言って手渡されたんだよ。赤ちゃんに、ちょうど良いのがあって良かったね」
あっそう言えば繭だったって、フリード君は言ってたわね。
なるほど、それこの借り上げられた宿屋の中に寝籠なんてモノがあるのね。
この宿屋の中に都合よく寝籠がある理由をフリード君の説明で知った私はなるほどと納得する。
良いコトを思い付いたわ。
だったら、その寝籠を利用しましょう。
シアちゃんやジオンに気の利いた無理のない嘘なんて、まず考えられないでしょうしねぇ………。
「あら、それ良いじゃない。イリスさんに手渡された寝籠に繭を入れて出かけて、帰宅して、繭の様子を確認しようと寝籠の中を見たら、厳重に【封印】しておいた繭が赤ちゃんへと変容していた………で、すむと思うわよ。何と言っても【牢縛の神殿】に【封印】されていた繭だもの。中に何が入っていたって、おかしくないんだからさ。そうしちゃいなさいよ」
私の言葉に、どうやってあの団長さんや副団長さんに説明しようかと悩んでいたらしいシアちゃんが、ぱっと嬉しそうな表情になりながら頷く。
うん、その笑顔は無意識ね。
ちょっと見た目が儚いだけに、妙な衝撃があるわね。
ソッチの趣味の無い私でも、なんかクラクラして、シアちゃんをかいぐりたおしたくなるわね。
いや、愛玩用ペットてきな意味で………って、何を考えているのかしらね、私は。
じゃなくって、話しを進めないと、本当に今日が終わっちゃうわね。
シアちゃんは腕の中の赤子を寝籠に降ろしながら、私の提案に頷いて言う。
「うん、そうね。それが一番妥当かなぁ? 下手な嘘をつくよりも、そう言っちゃったほうが、簡単で良いよね。【牢縛の神殿】の水晶柱に【封印】されていたのは一緒なんだから………。ただ、この赤ちゃんってば、全然起きないのよねぇ………」
そんなシアちゃんの言葉に、私は思い当たるコトがあって、慌てて寝籠に寝かされた赤子の状態を確認してみた。
掌に魔力を集め、ゆっくりと眠り続ける赤子に照射してみれば………。
うわぁ~………やっばりぃぃぃぃぃ~………ふえぇぇ~ん………マジで予想通りなのぉ~………うわぁぁぁ~………どうしましょう?
いや、最初に、私が、気付くべきだったわねぇ………コウちゃんやガッちゃん達の置かれていた環境や状態のことを知っていたんだから………。
あの【牢縛の神殿】の水晶柱に【封印】されていたんだから、余分な魔力なんてカケラも無い、完全に休眠状態になっているわ、この赤ちゃんも。
腕輪ン中の子達とほっとんど変わらないじゃないのぉ~………うそでしょぉぉ~……勘弁してよ。
すぅーっと魔力は赤ちゃんに吸い込まれて行く、その意味を理解した私は、思わず大きな溜息を吐きながら、呟いてしまう。
「あっちゃー………この赤ちゃんも一緒だわぁ………。回復に魔晶石で大丈夫かしら? それとも、覚醒するのに、何か条件のようなモノがあるかしら? まぁ…どちらにしろ試してみないとね」
私はそう言いながら、赤ちゃんに翳した掌から読みとったモノを考える。




