275★フォレンの街に帰還しよう
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
「とりあえず、帰るぞ。夜間は魔物が活発に蠢くからな。もう、夕闇が直ぐそこまで迫っている。魔狐が出たと言うならなおさらだ。アレは、夜になると昼間の10倍も力を発揮する魔獣だからな。お前達も帰還の準備は良いか? さっさとフォレンに帰還するぞ」
『『『『『はいっメラルク副団長』』』』』
メラルク副団長の言葉に、騎士団員達は気を引き締め、周囲を警戒する。
そんな中、ジオンが私を振り返って言う。
「ライム、悪いがシアの側に居てくれ。俺はちょっと覇気で周辺の魔獣達を威圧してくる。安全にフォレンの街に帰還したいからな。えっと、メラルク副団長、それとあんたらも腹に力を入れてろよ」
言うだけ言ったジオンは、シアちゃんから離れて、開いた観音扉を潜り、外へと出た。
扉から少し離れたところに立ち止り、ジオンはシャッと剣を抜いて大地に突き刺す。
そして、それまで抑えていたのだろう、ジオン本来の巨大な気を思いっきり放出し始める。
へぇ~……あれって覇気ってヤツよねぇ~………実物で見ると本当にすごいわねぇ~………。
ジオンの全身から陽炎のような揺らめきが湧き上がって、放射状に広がっていくのが視えるわ。
前世のアニメなんかでよくそういう描写があったけど、実際に視て肌身で感じると、めちゃくちゃとんでもないわね。
今の今まで、ジオンは完全に内包する【力】を抑えていたんだ。
解放すると、流石に怖いわね。
うん、女神の愛しい子の【神子】を狂わせて解体したひとりだけあるわ。
つっても、ジオンってば解放し過ぎよぉ~………。
ああもう、コウちゃんもガッちゃんも総毛立ってるじゃないの。
あぁ~あ、フリード君なんてシアちゃんの隣りで硬直してるわ。
幸いなことに、ジオンが覇気を漲らせて解放しても、赤ちゃんに変化は無いようね。
でも、ジオンが覇気を解放して、周囲の魔物を追い払ったことで、ぜぇ~ったいに明日からしばらくは色々とありそうだよねぇ~………。
まっ…私の知ったこっちゃないけどね。
なんて私が思っている間に、ジオンは剣を納めてこちらを振り返って言う。
「とりあえず、これでフォレンの街まで帰還する道中で魔獣に襲われるコトはないだろう。シア、フリード、宿屋に帰ろう。ライム、あんたも一緒に行くだろう」
ジオンの言葉に、私も頷く。
まだ交渉ごともあれば、注意することもあるし、ジオンとフリード君に着せる防具一式のコトもあるのだから………。
「そうさせてもらうわ。ね、メラルク副団長?」
私の声かけに、メラルク副団長はこめかみを押さえながら、小さな声で呟いてから頷く。
「まっ…私の知ったコトではないな。たまには、あいつらも苦労すれば良いんだ。私達は、シア(=主)を大事に思うジオンのお陰で、楽に帰途に着けるから、文句などない」
そうだよねぇ~………ジオンの覇気でこの神殿の周囲にいる魔物達は、一目散に我先にって逃げだしただろうからねぇ。
普段、楽をしている者達は大変だろうねぇ~………。
たぶんに、魔物の分布図も変化すると思うしね。
まっ……メラルク副団長同様、私の知ったことではないけどね。
そんなコトを私が思っている間に、自分を納得させたメラルク副団長は、連れて来た騎士団員をグルッと見回して言う。
「全員、帰還する。彼のお陰で、魔獣の出現は極限まで抑えられた。今のうちにさっさとフォレンの街へと戻るぞ」
『『『『『はいっ』』』』』
「それじゃ行こうか、シア。それと、ジオンにフリード、冒険者ライムさん。安全だとは思うが、油断なく帰ろう」
「はぁーい、みんな帰ろうねぇ」
シアちゃんの言葉に、フリード君が嬉しそうに応じる。
だって、尻尾ふりふりだもんね。
「はぁ~い、まま」
良い子のお返事をしたフリード君には悪いが、安全第一ということで、私は小声でジオンに言う。
「ジオン、シアはもう足が疲れていると思うから、抱っこしちゃいなさいよ。ああ、両腕でお姫様抱っこはダメよ。安全をとって片腕で抱っこね。シアの足で歩かせたら、私達の速度のかるぅ~く5倍は時間がかかるわよ」
私の忠告を聞いたジオンは、素直に赤ちゃんを抱いたシアを軽々と抱きあげる。
「そうだな、もう暗いから足元もおぼつかないだろう。シアが無理して歩いて転んだりしたら大変だからな。メラルク副団長達の足手纏いになったら困るだろう、シア。ここは素直に抱えられていてくれ」
「うん……理解った。素直に抱っこされているわ」
ジオンの言葉に、シアちゃんも自分が足手纏いになるコトを理解っているのか素直に縦抱っこされることを許容する。
うん、これで安心ね。
後は、私とフリード君がシアちゃんの側を守れば完璧。
周囲は騎士団員達が守ってくれるものね。
ジオンに抱えられたシアちゃんの隣りに、私とフリード君は立つ。
「シアって危なっかしいもんね」
「うん、フリードがままを守る」
そんな私達を確認し、ひとつ頷いたメラルク副団長は、騎士団員に号令し、冒険者達の始まりの街フォレンへと向かう。
私達は、フォレンの街の魔の森側の門番をしている騎士団員達に囲まれるようにして街へと向かい始めた。
私とフリード君は、ジオンのシアちゃんを抱く腕側を伴走するようにして速足で進む。




