273★安全のために、もっともらしい作り話しをでっち上げちゃいましょう
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
赤ちゃんを腕に、のほほんとそう言うシアちゃんに私は、観音扉に触れた時に感じた拒絶感のようなモノを思い出して眉をひそめていた。
私は、思わず自分の手を見てしまう。
あの時、扉に触れた瞬間に、なんか弾かれた気がしたのよねぇ………。
識別や認識の類いの術が扉に組み込まれてるのかな?
外の声を拾った限りじゃぁ~………どうやら、魔力もかなり啜られるみたいね。
なんて思っていたら、ジオンが動いた。
「とりあえず、その赤子は他人には見え無いんだろう。なら、扉の前に移動しようか」
自分が呪詛の鎖、呪鎖で雁字搦めだったコトを時の彼方へと捨て去り、シアちゃんの腰を大事そうに抱いて移動するジオンの行動に、私はついつい呆れてながらもその行動を見守ってしまう。
なんとなくシアちゃんの腰を当然のように抱き寄せるジオンを見ていた私は、そこでハッとする。
ここ(=神殿内)にシアちゃん達と一緒に居たし、この後のこともあるので、行動は共にした方が良いということで、その後に付いて行く。
勿論、シアちゃんの腕の中にいる赤ちゃんにかけられている透過術を更に補強したのは言うまでもない。
同時に、ジオンに注意を促しつつ、そのついでに唆すことも忘れない。
当然、外部の者達に聞こえたりはしないだろうが、外に話しの内容が漏れないようにと、細心の注意をはらいながら、それでも用心のために遮音結界をかけていたりする。
小心者の私は、なによりも安全を一番に考えて行動することを心がけている。
「そう言えば、ジオンはここに来た時は、まだ呪詛の見えない鎖に呪縛されて声も出せない状態だったわね。それを、この神殿の中で解呪したコトにしちゃいなさい。アレを他人に理解りやすく説明するのは、あの2人組から、シアの与えられた能力とか、コウちゃんやガッちゃんという神獣の話しに、私のコトも説明をしないとならないでしょうからね欲長けた馬鹿者達に狙われたり、シアに余計な警戒を持たれたりしたら困るもの。勿論、私達も困るし、ジオンにもフリード君にも、余計な災厄が降りかかっちゃうからね。ぜぇ~んぶ、この神殿のセイにしちゃえば良いのよ」
私の言葉に、シアちゃんが即座に乗ってくれる。
やはり、説明するのが面倒だと思ったようね。
「そうね、そういうコトにしちゃいましょう。ゲームやラノベあるあるの設定で、この神殿の祭壇のところで、なにか光が降って来てジオンにかけられていた呪いが勝手に解けたってコトにしちゃえば良いわよね。ジオン、それで良い?」
勇者召喚や聖女への神託にあるような、ラノベ定番の一部をそのまま口にするシアちゃんに、ジオンはなんの疑問も持たずに頷く。
「ああ、それで良い。それで、ライム、あんたはどうする?」
あっ私に話しをふるぅ………まぁ、そうだよね。
んじゃぁ~………適当な魔物を狩りに来たってことにしようかしらねぇ?
う~ん………この辺の魔物って………角ウサギは意味無いし……森林狼だと騒ぎそうだし……うん、そうだ魔狐が良いかな?
アレなら単独行動もあるしね。
「そうね、適当な魔物……魔狐にでも追いかけられて………偶然、この神殿に着いて、シア達と合流したコトにするわ」
私の適当な内容に、ジオンが頷く。
「んじゃ、それで行くか」
シアちゃんも頷いているから、そういうことにしちゃいましょう。
なんて密談もどきをしている間に、澄んだ音が響く。
どうやら、観音開きの扉が外側から開いたようだった。
扉が開いたと同時に、騎士団服を着た女性が飛び込んできた。
ふぁ~…なんかちょっと見たコトあるかなぁ?
記憶にチラッとだけど………まぁいっかぁ~…今は関係ないしね。
いや、それジオンが警戒するって、シアちゃんに跳び付かれたら不味いけど………。
ジオンがシアちゃんの前にすっと立っている。
ちょっとぉ~…何時の間に抜刀したのよ。
このハイスペックなハーフエルフのアバターの瞳にも映らないなんて………。
いや、シアちゃんが大事なのは理解るけどね。
それは、流石に不味いと思うけど………。
でも、ソレも正解なのよね。
なんと言っても、シアちゃんの腕ん中には赤ちゃんがいるんだから………。
それにしても、ぐっすりと寝ているのかしらねぇ………。
まぁ…大人しくて助かるけどね。
だって、ぐずっている赤ちゃんを人目から隠すのは難しいもの。
開いた扉に一番最初に飛び込んで来た女性騎士団員は、向けられた刃に動きを止めて息を飲む。
「………っ……」
これは不味いわね。
私が声をかけるしかないよねぇ………はぁ~………しんどいわ。
「ちょっと、ジオン、警戒し過ぎだよ。その制服って、魔の森側の門を守る騎士団の服だから………。まして、女性に剣を向けるのは、流石にダメでしょう。いっくらシアが大事だからって………」
私の軽い声に、どうやら相手を認識したらしいジオンが嘆息して言う。
「なんだ、あんたか………たしか、 メラルク副団長だっけか? 済まなかった、シアめがけて飛び込んで来たんで、勝手に身体が動いた」
そう言って、ジオンは剣を納める。




