272★赤ちゃんは隠して連れ帰りましょう
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
ガッちゃんはそのまま、額の秘石で視ているモノを口にする。
「騎士団員の数は全部で12人。女の人がリーダーのようです」
ガッちゃんの言葉に、シアちゃんはちょっとホッとした表情になる。
その様子から、シアちゃんの知り合いらしいコトは見てとれたが、直ぐに元の場所に移動しなければならないコトを私達は自覚する。
だって、今の私達は魔晶石の力で稼働させた転移術によって、別の階?に来ているのだから………。
「コウちゃん、ガッちゃん直ぐにシアの肩に移動して、あの赤ちゃんの存在を透過術で隠して………。不自然にならないように、私も補助するから、シアは堂々としていてね」
珍しくオタオタするコウちゃんとガッちゃんに、そう小声で命令する。
並大抵のコトでは、動揺ひとつしないコウちゃんとガッちゃんだけど、やっぱり女神の【神子】関係の赤ちゃんは、ちょっと…いや、かなぁ~り動揺を誘うようね。
今だってオタオタしちゃっているしね。
いや、わかるけどねぇ………。
あのシアちゃんとジオンにフリード君だと。
本当に、心配のタネしかないわね。
………じゃなくて、さっさと魔晶石の回収よ。
きっと、これいじょうのことは、もう本当に無いでしょうしね。
あちこちに嵌めた魔晶石を回収に走ろうとした私達に、シアちゃんが言う。
「えっとね…この水晶柱の中に入って、あっちに移動してからでも、魔晶石の回収はできるよ………っていうか、ソレはずしちゃうと移動できないから………」
あっそういう仕組みなの………。
納得した全員は、たったと第9の水晶柱の中に入るためにシアちゃんの側に戻る。
私達が戻るまでに、シアは指輪の嵌めてある手を翳して、広げた扇と紫色の魔晶石を回収していた。
足を踏み入れるコトを躊躇うモノが無くなったと同時に、全員が水晶柱にさっさと入る。
全員が入ったと同時に、シュインっという音が微かに響く。
移動が完了したと同時に、私は魔晶石の回収に走った。
ちらっと見れば、ジオンとフリード君も魔晶石の回収に向かっていた。
私が魔晶石の回収に走った瞬間に、コウちゃんとガッちゃんはさっきお願いしたコトを実行していた。
そう、シアちゃんのところに行って、その両肩に乗り、その腕の中の赤ちゃんを人目から隠すための透過術を発動させたのだ。
勿論、コウちゃんとガッちゃん自身も透過術で消えている。
とは言っても、私には視えているけどね。
ジオンやフリード君には、透過術を使って消えているコウちゃんやガッちゃん、それに、赤ちゃんは視えてるのかな?
「シアさん、しばらくの間は僕とコウでその赤子の存在を人目から隠します」
ガッちゃんがそう言えば、コウちゃんもシアちゃんに言う。
「大丈夫、俺達の透過術は生半可なやつらには見破られないから………。俺達と同等か(=シアやフリード)それ以上(=ジオン)の能力がある者にしか看破できないから安心してくれ。あんたは、その赤子を落とさないように、しっかりと抱いているだけで良い」
「ちゃんと認識変化もかけますから、赤子を抱っこしていても誰も不思議に思いませんから、大丈夫ですよ」
ガッちゃんとコウちゃんがシアちゃんの相手をしている間に、私はとにかく大きな魔晶石を4個、ぱっぱと回収する。
このハイスペックなアバターはのお陰で、本気の移動速度で動けば一瞬でそれだけのコトができる。
勿論、コウちゃんやガッちゃんの声がしっかりと聞こえていたりする。
小さな声でも、私の耳はちゃぁ~んと拾っているのだ。
うん、選んだアバターをハイエルフのハーフにしておいて良かったわぁ~……本当に、しみじみと現在進行形で、実感しているわ。
シアちゃんの隣りに戻った私にやや遅れてて、ジオンとフリード君も魔晶石を4個づつ回収してきていた。
ちょっと魔晶石をどうしようか悩んでいる間に、ジオンとフリード君がシアちゃんに向かって掌の上に乗せた魔晶石を見せていた。
その瞬間、私はぱっぱと2個づつ2人の掌に乗せる。
その次の瞬間には、12個の魔晶石は消えていた。
シアちゃんの指輪型インベントリに回収されたのだ。
今は魔晶石のコトは後で、外の様子はどうなったかしら?
「どう? ガッちゃん」
主語を抜いた私の問いかけに、ガッちゃんは額の秘石で視ているモノを答える。
「うん、もう少しで観音扉の前だね。思ったよりも到着が早いよ」
その答えとほぼ同時に、不快感を催す音が響き、外の声が神殿内に響く。
なに、この不快音? えっ? どういう仕組み?
『まだ開かないのか?』
『もう少し待って下さい。メラルク副団長』
その声を聞いて、つい不安にかられる。
中の声は聞こえて無いわよね。
外の声を拾って中にだけ聞こえるっていう仕組みになってるのかしら?
『この扉を開けるには、結構な魔力量が必要なんです』
『澄んだ音が響いたら、スゥーッと開きますから』
外の会話に、シアちゃんは不思議そうに小首を傾げて言う。
「そんなに扉を開くのに、魔力量って必要なのかな? たしかに、ズルズルズルッて魔力を吸われる感覚はあったけど」




