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悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する  作者: ブラックベリィ


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268/276

268★【牢縛(ろうばく)の神殿】の魔晶石は…危険なモノ?安全なモノ?


作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。

設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。

感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)


主人公は、かなりマイペースです。

生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。




 それでも、この右の腕輪の中で蘇生されるときを待っているあの子達の安全には換(か)えられないものね。

 このジオンの精神体を【封印】していた【牢縛(ろうばく)の神殿】にあった魔晶石だと、絶対に安全なモノだと言えないものね。

 なんの細工もされていない純粋な魔晶石じゃないと、あの子達の蘇生には使えないのよねぇ………マジで、どこかに落っこちてないかしらねぇ。


 欲望と安全の狭間(はざま)で揺(ゆ)れる私を余所(よそ)に、コウちゃんがシアちゃんをチラチラと見ながら言う。


「ママ、誰かひとりだけを蘇生するんじゃなくて、魔晶石にため込まれた魔力を解放(ほど)いて、全員に均等に与えるんならば、シアさん達に、あいつら(兄弟姉妹)の姿を見せるコトぐらいはできるよ」


「えっ…そうなのコウちゃん?」


「うん。ただし、その場合はジオンの【呪縛】をしていた紫色の魔晶石の他に、俺達3人の魔力を恐縮して作った、あの魔晶石も使えばだけど」


 手渡された紫色の魔晶石を、神獣の姿を見せるのと引き換えに、確実に消費してしまえば後々『返して』と言われる心配が無いという意味を込めて言うコウちゃんに、シアちゃんが何事(なにごと)かを考えるそぶりを見せる。

 そして、指輪からなんのためらいも無く、12個の魔晶石を取り出す。


 あっ…本当に4個の魔晶石はかなぁ~り大きいわ。

 でもって、残りの魔晶石って8個もあるのよね。


 もし、あれがそのまま使えるモノなら………いやいや、ダメよライム。

 シアちゃんが言う12個 の魔晶石の制作者が、あのダンジョン(=【難攻不落の深淵(しんえん)の絶望ダンジョン】)の魔晶石と同じ制作者かも知れないんだから。


 そう思う私の気持ちを余所(よそ)に、シアちゃんがジオンの名を呼ぶ。


「ジオン、この8個を持ってて、フリードはこっちの4個を持ってね」


 ついで、ジオンの両手に8個の魔晶石を出したのを見て、私は目が釘付けになるのを自覚した。


 シアちゃん、魔晶石の全部を出して、ソレをどうするの?

 いや、この【牢縛(ろうばく)の神殿】に【封印】されていたジオンとフリード君が手に持って大丈夫なの?


 純粋にそう思ったら、シアちゃんがフリード君の掌(てのひら)に出したジオンのコブシぐらいある大きい4個の魔晶石を乗せて、そのひとつを手にしていた。

 白色の魔晶石に視線が自然と吸い寄せられるのを感じて、私は内心で苦笑する。

 そんな私に、シアちゃんは白色の魔晶石を私に向かって差し出しながら、なんの気負いも無く言い放つ。


「ライム、もんもんと悩むよりも、まずは安全かどうか確認してよ。とりあえず、ライム自身が握ってみなよ。私てきには、なんにもキケンなモノは感じないんだよね。はい、まずは大きい方の4個のひとつね。私には何の影響も感じないから、どれが危険か判らないわ。だから、見た目てきに安全そうな白色からね」


 はぁ~………シアちゃん、マジで貴女(あなた)は天然すぎよぉ。

 もう、そんな風に差し出されたら、手にとってみたくなるじゃないの。

 本気で、私は安全な魔晶石が欲しいのよ。


 私は、シアのちゃんが差し出した白色の魔晶石と、シアちゃんの顔を見比べてから、覚悟を決めて、ソッと白色の魔晶石を手に取ってみる。


 ああ、良かったぁ~………とりあえず、危険なモノは何も感じないわね。

 まだ、完全に安全とは限らないけど、たしかに害意のようなモノは感じないわね。

 とりあえず、確認する意味も込めて、私は意識を集中して魔晶石の中をよぉ~く視(み)る。

 魔晶石の中にへんな術が込められていないかを確認するために………。


「どう? なにか術がかかってる?」


 魔晶石を確認する私に、シアが不安げな声で聞いて来る。


 う~ん………私が視(み)る限り、この魔晶石に魔力搾取の術などは入ってないわね。

 あの時と大違いだわ。

 だって、この白色の魔晶石はほのかに温(あたた)かいもの。


「うーん、たしかに持った感じでは何も感じないわね。あれは、私が触っても、ビリッとしたから………。うん、コレなら大丈夫かなぁ~……… コウちゃん、いけそう?」


 心配はあるけど、私の魂と一緒に転生したコウちゃんは、この世界で異空間にある【虚牢(うつろう)】に【封印】されて、魔力の搾取を受けていたガッちゃんよりはリスクの少ないコウちゃんにそう聞く。

 コウちゃんも、自分の方がガッちゃんよりも耐性があると踏んで、身(み)を大きく乗り出して、私の掌(てのひら)に乗る魔晶石を覗(のぞ)きこむ。


 大丈夫かしら?

 うわぁ~………ものすごく、ドキドキするわ。

 でも、もし安全な魔晶石ならば、何を対価にしても欲しいわ。


「うん、ママ、見た感じでは大丈夫そうだよ。どうかな? ガッちゃん?」


 危険が無いと感じたコウちゃんの言葉に、安全をとって魔晶石を覗(のぞ)き込むことすらしていなかったガッちゃんも、白色の魔晶石をマジマジと覗(のぞ)き込む。


 ガッちゃんも大丈夫って保障してくれるなら、本気でシアちゃんと交渉しようかな?

 ああは言っていたけど、私としては相応の対価は払いたいのよね。

 ………じゃなくて、後でフリード君とジオンにも、まずは魔王シリーズを着せないとね。

 いや、シアちゃんほど不安は感じないけど、備(そな)えあれば憂(うれ)いなしって言うじゃない。


 なんて思っている私の肩で、ガッちゃんがコウちゃん問いかけに答えていた。





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