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悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する  作者: ブラックベリィ


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265/268

265★無事に転移できたようだけど………


作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。

設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。

感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)


主人公は、かなりマイペースです。

生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。




 はぁ~しみじみ良かったわぁ………ジオンに、女神の【神子】から誕生した神獣に対(たい)して何のこだわりもなくて。

 コウちゃんとガッちゃんを、私が止めるコトできても、ジオンは止められないものねぇ………。


 私はジオンの問いかけに、そんなコトを考えながら答える。


「コウちゃんもガッちゃんも………勿論(もちろん)、私も大丈夫よ」


 私の言葉に、ジオンは覚悟を決めた表情で、フリード君が抱き付く側とは反対に立ち、シアちゃんの腰にさりげなく腕を巻く。

 その様子を見て、フリード君がきちんとジオンの利き腕(=剣を持つ)が空くようにしているのを見て、思わず私は関心してしまう。


 良い子ねぇ~………フリード君は。

 女神の【神子】から生まれた神獣っ子は、きっと、みんな良い子なのね。


 そんなコトを思いながら、シアちゃんを真ん中に、水晶柱の中へと踏み込んだ3人に続いて、私も足を踏み入れる。


 へぇ~違和感ないわねぇ………変な魔力搾取もないみたいね。

 ただただ純粋に、別の場所へと移動するためだけのモノだからかな?


 水晶柱に入る時に僅(わず)かに感じた違和感以外は、どうってコトない感覚に、ホッとした次の瞬間、シュオンッと言う音が微かに響くと同時に、明確な違和感が襲う。


 うわぁ~…外の見える高速エレベーター感覚?

 視界がブレて重力が全身にかかる………っと、これで終わりかしら?


 そう思った頃には、どうも移動が終わっていたようだったので、私はシアちゃんに声をかけてみる。


「シア?」


 私の呼びかけの意味を即座に把握し、シアちゃんはコクコクして言う。


「この部屋で正解だと思う。………んでもって、この水晶柱から出るでしょう。そうすると、ジオンの影というか精神体?と魂核(こんかく)のカケラだったフリードが入った繭が【封印】されていた第9の水晶柱になるんだ」


 第9の水晶柱ねぇ………なんて思いつつ水晶柱からシア達と一緒にでて、向き直って水晶柱を観察する。

 その次の瞬間、強烈な耳鳴りが襲う。


 きぃぃぃぃぃぃーん


 不快感を覚えるような、金属音に近い音が何処からとも無く響く。

 その直後に、青年と思しき聞きなれない声が響く。


[久しぶりだね、ジオン・ヘザー]


 水晶柱の中に2人組の映像が出現(あらわ)れた途端、コウちゃんとガッちゃんが、見知らぬ犬にでも遭遇した猫の子のように、ふぅぅぅ~っという威嚇(いかく)音を出しながら毛を逆立てている。


 あらあら………くすくす………可愛いぃ~……なんか久々に既視感(デジャヴ)

 コウちゃんもガッちゃんも、まるっきり犬に唐突に遭遇した子猫みたぁ~い………。

 ふふふふ………全身の毛を逆立てて…しゃ~ふぅ~しゃ~ふぅって言いながら、背中を丸めて精いっぱい威嚇(いかく)している姿ってたまらく可愛いわぁ~………ああ、私の中のにゃんここころが満たされるわ………じゃないでしょ、私。


 私が両肩に乗るコウちゃんとガッちゃんの様子に、クスクスしている間も、水晶柱の中に居る2人組の映像が話し続けていた。


[これが発動し、僕達の動画が再生されているというコトは、無事、あいつらの呪縛から君が解放されたと思って良いのかな? おめでとう、ジオン

あっそうそう、先に言っとくね。僕達に質問しても無駄だよぉ~………コレは単なる伝言動画だから………]


 ああ、やっぱり立体映像なんだぁ~と思いつつ、私はいまだに毛を膨(ふく)らませて条件反射で威嚇(いかく)しているコウちゃんとガッちゃんを両肩から降ろして、腕に抱き抱えて小声で言う。


「コウちゃん、ガッちゃん、アレは単なる立体映像よ。害意あるモノじゃないから、大丈夫よ。それに、あの2人組はジオンと一緒に【封印】された側でしょ」


 私の言葉に、私の魂と共に転生を繰り返したコウちゃんが、先に立ち直る。


「うん、そうだった。ついつい条件反射で、映像に威嚇(いかく)しちゃったよ。女神の【神子】を解体して産まれた神獣に搾取の【封印】を施(ほどこ)したやつらの仲間ではあるけど………。結局、ジオンと同様にあいつらも【封印】された2人だからね………」


 コウちゃんの言葉に、少し遅れて正気を取り戻したガッちゃんも頷(うなず)いて言う。


「魂のカケラだけになった繭のフリードを、ある意味で保護したのはこの2人組みたいだね。見たところ、明確な悪意はないし………」


 腕の中でコウちゃんとガッちゃんが落ち着いたコトを確認し、私はジオンに聞いてしまう。


「ジオン以外に【封印】された残りの2人って、そういう性格なの?」


 私の問いかけに、ジオンは思いっきり溜息を吐きだしてから言う。


「ああ、基本的にはな。性格にも軽くて明るい。ただし、怒ったらヤバイやつらだ。伝言映像だけココに残して、居ないってコトは、自分達を【封印】した残りのあいつら4人の後を追った可能性が強いな。この世界に気配を感じないからな」


 ジオンの回答の間(あいだ)も、水晶柱に投影された立体映像は喋(しゃべ)り続けている。

 その内容も、本来なら重ぉ~いモノなのに、とぉ~っても軽く言っていた。


[………って言うコトで、俺達はジオンの【封印】の解放を諦めたんだ。そりゃぁ~もう……何重にも、狂気に似た慎重さで、解放に条件を編み込んでかけられた呪縛には手も足も出なかったよ。ジオンにかけられた雁字搦(がんじがら)めの呪鎖(じゅさ)は、俺達には手に負えなかったんだ。流石(さすが)に、条件が厳し過ぎた。すまない、ジオン]




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