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悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する  作者: ブラックベリィ


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251/261

251★とりあえず、バケモノは退治されたようです


作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。

設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。

感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)


主人公は、かなりマイペースです。

生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。




 シアは魔晶石を握(にぎ)っていない方の片手をパタパタと振って、私の手に綺麗に浄化されて紫色に変化した魔晶石をひょいっと手渡たしてくれた。


「良いの?」


「良いの、良いの。そういうモノは必要な人のところに、あるべきなんだから………」


 手の中にズッシリとおさまった、紫色の魔晶石から感じる穏やかで安定したやすらぎすら覚える波動に、ほぉ~っと無意識の溜息が零(こぼ)れおちた。

 そんな安堵感も束(つか)の間(ま)だった。


 何故(なぜ)なら、次の瞬間、空間が大きくブルルッと震えて、グニャリという擬音(ぎおん)が入りそうな空間の撓(たわ)みを感じたからだ。

 その瞬間、ジオンが鋭く指示を出す。


「不味いっ……この空震(くうしん)は…なにか危険モノが出現(あらわ)れる兆候(ちょうこう)だっ………あの神殿に走れっ……」


 そんな咄嗟(とっさ)の判断力は、流石(さすが)ね、ジオン。

 しかも、その時には、しっかりとシアちゃんを片腕抱きしているなんて、し………。

 私が、ジオンの行動を内心で褒めている視線の先では、ジオンがさっさと走り出す。


「あそこは…まがりなりにも、神聖な神殿だっ………なにか禍々(まがまが)しいモノが出現(あらわ)れるぞっ………いそげっ」


 私達へと無意識の指示を飛ばした次の瞬間には、シアを抱えて走るなんて、合格ですね。

 フリード君も走っているし、コウちゃんとガッちゃんは肩に戻ってきている。

 もちろん、私だってもうダッシュする。

 たった数メートル先の神殿の扉(とびら)が、とても遠く感じられた。

 

 ジオンに抱えられたシアより先に扉(とびら)にたどり着いた私は、観音開きの扉(とびら)に手をかけようとした。

 その瞬間、微(かす)かなパチッと言う音と共に、手を弾かれる。

 それを視認したシアが、叫ぶ。


「私が開きます。ジオン、降ろして………」


 一瞬躊躇(ためら)ったジオンがしぶしぶと降ろすと、シアが観音開きの|扉(とびら)の模様(もよう)に触れる。


 あら、私は拒否されたのに、シアは弾かれ無いのね。

 謎の神殿の【封印】を最初に解放したからかしら?


 そんなことを考えていると、ジオンが叫ぶように言い放つ。


「俺が、空間の狭間(はざま)から出現(あらわ)れるモノと戦う。シアは急いで扉(とびら)を開いて神殿の中へ入れっ………あんたもだ、ライム」


 あら、私も気にかけてくれるのね。

 もしかして、意外と紳士的なのかしら?

 もっとも【神子】を解体し、コウちゃんやガッちゃん達を【封印】した男達の仲間だから、あまり信用できないけど………。


 ただ、その仲間と何らかのトラブルがあって、ジオン自身も【封印】されてしまったのはたしかなようだから、なんとも言えないわね。

 なんと言っても、ジオンはかなぁ~り念入りに呪詛(じゅそ)の呪縛(じゅばく)をかけたうえで【封印】されるくらだから、かなり強いはず。


 なんて思ってるいる間(あいだ)に、シアが神殿の観音扉の装飾に触れていた。

 そして、自分の魔力を注(そそ)ぐ姿に、私は納得する。


 なるほど、そうするんだ。

 あっ…扉(とびら)が反応した。


 扉(とびら)が開い瞬間、シアがさっさと走り込む。


 うふふ………シアってば、自分がどんくさい自覚があるんだね。

 きちんと開いた扉(とび)の中に、いの一番に入ったモノ。


 なんて思っていると、シアが叫ぶ。


「みんなもっ…早くっ」


 私も急いで神殿の中へと飛び込む。

 足手まといになるつもりはないけど、得体の知れないモノはちょっと………。


 なんて思いながら、開いた扉(とびら)を潜(もぐ)る寸前に、両肩に乗っていたコウちゃんとガッちゃんがポンッと飛び降りてしまう。


 えっ…ちょっと………。


 驚いて振り返って見たコウちゃんとガッちゃんは、何時の間(ま)にか扉(とびら)の前に立って迎撃態勢を取るフリードの左右に陣取り、同じように迎撃態勢になっていた。

 そのコトに気付いたシアが叫ぶ。


「フリードっ」


「大丈夫、ままのコトは俺が守るっ」


 シアの呼びかけに、フリードは振り返りもせずにそう言い放って、ジッと空間の歪(ゆが)みを見詰めている。

 それを確認し、私もコウちゃんとガッちゃんに呼びかける。


「コウちゃんガッちゃん」


 あれっどっちも振り返りもしないどころか、答えてもくれないの?

 ちょっとつれなく無い?

 とは思うものの、それだけ緊迫しているってコトよね。


 この警戒を考えると、この世界の通常の魔物じゃないってコトかしら?

 恐竜もどき達ですら、ケロケロしていたんだから………。

 いったいなにが出現(あらわ)れると言うの?


 そう思った次の瞬間、私も総毛立つ感覚を味わい、気持ち悪い空間の歪(ゆが)みへと視線を向ける。

 と、ちょうどそこが裂けて、バケモノが出現(あらわ)れる………って、うわぁ~………某死神マンガの堕(お)ち汚(けが)れた魂のなれの|果てぇ~?

 なんて思った私に、シアちゃんが視線を飛ばして来る。


 うっ……理解(わか)るよ、その気持ち。

 もろにリアル、ホ○ウ?だもんね。


 だから、私もついつい頷(うなず)いてしまう。


 そんな私達の反応を見る余裕の無いジオンが、出現(あらわ)れたバケモノを盛大に、ザックリと叩き切る。

 同時にコウちゃんとガッちゃんがバケモノにかぶり付いたのを見て、思わず、そんなバケモノを齧って、ふたりともお腹壊さない?なんて思った。

 そして、チラッとシアの様子を見れば、瞳をキラキラさせていた。


 うん、なんとなくシアが何を考えているか理解(わか)るわね。

 きっと、ジオンを某死神少年になぞらえているんでしょうね。

 私から見ると、敵キャラの某城付きの彼の方が似合いそうなんだけど………。

 なんて思っていたら、ガッちゃんとコウちゃんが綺麗さっぱりとジオンに叩き切られたバケモノを食べきってしまっている。





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