246★シアちゃんはポジティブっ娘
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
「うん、それじゃあ、タイトルに『氷』が付くヤツは? ライムは、知っているかなぁ? ああ、攻め様は俺様系の魔物よ。 ただし、かなりヘタレの……のそうね、溺愛系かな? 魔物っていうわりにさ、ほぼ人型ばかりのヤツで………。私達が転生して、現在生きているこのレイパレ(R18)もどきの世界に蔓延る魔物とは雲泥の差があるほど、かなり脆弱系のヤツなんだけど………」
そう言われた瞬間、私はハッとする。
『氷』と『魔物』で思い当たるBLマンガがポンッと脳裏に思い浮かぶ。
アレは面白かったけど………魔物って言うわりに、なんか凄く弱すぎない?って思ったっけ………。
いや、ちょっと待って、今なんか………脳裏をよぎったわよ、すっごく重要なコト。
シアちゃんと直前まで話していたのは、呪文の物質化。
そこで脳裏に流れた映像は………子供の玩具(=物質化した呪文)に埋もれた姿。
たしかに、アレならガッちゃんに呪文を食べさせられる。
「あっ…ああ…理解ったわ…シア………にしても……アレねぇ~……成る程ね。シアが何を言いたいか………理解ったわ。たしかに、アレなら確実にガッちゃんが食べれるわねぇ………。でも、私達にできるかなぁ?」
アレは、あくまでもマンガの中の話しだからねぇ………夢物語よね。
だけど、今の私達の環境も、前世の世界では乙女ゲームやラノベの世界なのよねぇ………。
そんなちょっとネガティブな思考へと滑り落ちかけたところに、シアちゃんは天真爛漫な感じで、なんの気負いも無く言い放ってくれる。
「あのメガネの天然系美少年が、魔物さんの涙のお蔭で持っていた、あのスキル? で良いのかな? とりあえず、できるかどうか試してみない? なんでも、試してみないとね。なんか、やればできる気がするし………。それに、私達の前世で生きていた世界の方が………たぶんだけど、上位の世界だと思うんだ。だから、思いが強ければ実現するよ…きっと。ううん……実現させるのよ。そしたら、解呪なんて必要ものね、たしかに………」
もしかしたら、やればできるかもしれないのかな?
そしたら、右腕の腕輪の中で、仮死状態でいる子達を蘇生できるかな?
強い口調で、前向きな発言をするシアちゃんに、私のこころも揺れる。
だって、もし本当に、ジオンの声や身体を呪縛する縛鎖の呪文を、物質化させられるならば、それをガッちゃんが食べて、エネルギーに変換できる可能性が大きいもの………。
そう、物質化さえしてしまえば、なんでも食べられるらしいガッちゃんが、その呪縛の縛鎖に込められている膨大なエネルギーを、魔晶石に変換できるはずだから………。
だから、思わず私は心もとない口調で呟いてしまう。
「できるかな?」
私の呟きに、シアちゃんはにっこりと笑って、なんの気負いも無い感じで言う。
「やってみればいいじゃない。もし、私達で物質化できなかったら、また、別の方法を探せば良いわよ。この世界は、思いが強ければ叶うわ。私は、そう思っているモノ。ああそうだ、ゲン担ぎにコレどうかな? かなりレアなアイテムでしょ………」
シアちゃんはそう言って、自分のインベントリから大きめの扇を取り出して、私にほらほら見てコレっ、という感じで見せる。
それはレイパレ(R18)のオープニングとエンディングにチラッとだけ出ていたモノとそっくりだった。
「それって………」
ああ、本当にレイパレ(R18)本編と外伝の共通の幻の攻略対象者に付随するキーアイテムの扇なのね……もしかしたら、イケるかもしれない。
どっちかって言うと、ネガティブな私だけど、シアちゃんと話していると、できるかもって思うわね。
うふふふ………シアちゃんてば、楽しそうねぇ~………本当に、前向きよねぇ………こういう娘ってポジティブって言うんだっけ。
しかし、あの見付からなかった扇がねぇ………。
「そう、キーアイテムのひとつ」
胸を張ってそう言ったシアちゃんは、私に試してみようっと誘い、クルッと振り返って自分を見守るジオンに言う。
「ってコトで………やってみようよ、ライム。私達の実験に付き合ってね、ジオン。まず、私が座っていたそこの石に座って………。そしたら、この扇を開いて握って、ね」
隷属奴隷となったから、主のシアちゃんに従っているわけじゃないと、私でも見て判るほど、ジオンはシアちゃんを大事に思っている。
きっと、気付かないのはシアちゃんだけね。
フリード君も気付いているようだし………ジオンは………アレは自覚しているわね。
聞いた限りじゃ、出会ってそんなに経っていないようだけど、恋に時間なんて関係ないものね。
きっと、一目惚れってやつでしょうね………面白いから、教えてあげないけどね………モトは、敵だったんだもの………敵に塩は送らないわよ。
私がそんなコトを考えている間に、ジオンはシアちゃんに指示された通りに石に座って扇を握っていた。
そんなジオンに、満足そうに頷いたシアちゃんは、私に言う。
「さぁ…やってみようよ、ライム。呪文の縛鎖の物質化に挑戦よ」
まるで小学生が、初めての理科の実験にワクワクするような表情で、私に言う。




