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悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する  作者: ブラックベリィ


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24/263

024★攻略方法が斬新です


作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。

設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。

感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)


主人公は、かなりマイペースです。

生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。




 私が、今までの鬱屈(うっくつ)の原因のひとつに心の中で盛大(せいだい)に喚(わめ)いている間に、コウちゃんが流(なが)した魔力に反応して、壁が綺麗な水晶へと変化する。

 その水晶の壁には、綺麗な室内が映(うつ)っていた。


「へぇ~…ここの壁って、魔力を流すと水晶になるんだぁ~………じゃなくて、壁が水晶になるのは理解(わか)ったけど、ここからどうやって移動するの?」


 その質問に、コウちゃんが腕の中から私を振(ふ)り返り、水晶壁(すいしょうへき)に映(うつ)る室内の映像の扉(とびらぶぶん)部分を可愛いお手手で指(さ)し示(しめ)して言う。


『あそこから入るんだよ。あの扉(とびら)は映像じゃなくて本物の扉(とびら)なんだ。魔力を壁に流すと出現(しゅつげん)する仕組(しく)みなんだ』


 コウちゃんの説明に、私は納得(なっとく)する。


「ああそういう仕組みなのねぇ……」


 今まで知らなかった仕組(しく)みに、私がまじまじと水晶壁(すいしょうへき)に映(うつ)る室内の扉(とびら)の部分(ぶぶん)を観察していると、コウちゃんが移動を促(うなが)す。


『行こう、ますたぁー………』


 短いその言葉に、私は頷(うなず)く。


「そうだね……それじゃ、行こうか………」


 心の中では、この部屋ってこんな仕組(しく)みだったのぉぉぉ~っと泣きながら、私は軽くなった身体(からだ)に心まで軽くなり、コウちゃんの指(さ)し示(しめ)した扉(とびら)へと向かう。


 感慨深(かんがいぶか)げに歩く私は、まだ、その時は自分の容姿がかなり変わったことに気付いていなかった。

 そう、水晶壁(すいしょうへき)に映(うつ)る部屋の内装と、別の場所へと移動できるという扉(とびら)しか見ていなかったのだ。


 余裕(よゆう)のない私は、水晶壁(すいしょうへき)に映(うつ)る自分の姿など目に入っていなかった。

 なにせ、コウちゃんがすまなそうに宣(のたま)ってくれたのだ。


『あっ…ますたぁー…早くねぇ……コウちゃん久(ひさ)しぶりの魔力行使だから、あまり上手く込められなかったからぁ……消える前に扉(とびら)を開いて移動しないと、もう一回最初からやり直しなのぉ~………』


 そのコウちゃんの発言に、私は慌(あわ)てて水晶壁(すいしょうへき)に映(うつ)る扉(とびら)へと急(いそ)いだ。


 そうよ、こういう時って、そういうパターンが多いのよ。

 忘れていた訳じゃないけど、3回分の前世で攻略できなかった、難攻不落の深淵の絶望ダンジョンの【狂いし神子の討伐(とうばつ)】の攻略の取っかかりだもの………。


 本当の正式な進め方を知って、感動と感慨(かんがい)で思考が少し鈍(にぶ)っていた私は心の中で叫ぶ。


 うわぁぁ~ん……間に合ってってぇぇぇ~………。

 あうっ…いやぁぁぁぁ~……ハイヒールが脱げそう。

 どぉ~して…こんな状態になってからしか、気付かないかなぁ~………。

 足にパーティードレスの一部を引き裂いて巻いておけばよかったぁ~。


 私は、ここから脱出(だっしゅつ)するコトしか考えていなかったので、足元のハイヒールにまで気が回らなかったのだ。

 そう、身体(からだ)が痩(や)せれば、当然のごとく大根のようなズドンッの足も痩(や)せて細くなっていたのだ。

 そして、ハイヒールはブカブカになっていた。


 もつれそうになる足で必死に早歩(はやある)きして、水晶壁(すいしょうへき)に映(うつ)る扉(とびら)へと手をかける。

 と、あっさりと扉(とびら)は開く。

 どうやら、なんとか間に合ったらしい。


 私は、コウちゃんを腕に扉(とびら)を潜(くぐ)った。

 そして、背後の様子を確認しようと振(ふ)り返る。

 だが、そこにはただの地下迷宮の壁しか存在しなかった。


 残念、どういう風に変化するか見れなかったわ。

 じゃなくて、とりあえず一歩前に進んだのよね。

 真正面の精緻(せいち)な大門から入るのが正規ルートじゃないなんて、誰も思いつかないわよ。


 あんだけ何度も、正面の精緻(せいち)な大扉(おおとびら)から入って、数え切れないぐらい全滅しただけに、正規ルートを知って私は何とも言えない気分になる。

 ただ、悔(くや)しいと…パーティーを組んだ仲間達に、こんなルートがあることを教えたいと、心の底から思ったのはたしかな事実だった。


 私は複雑な内心のまま、室内を確認する。

 そこは水晶壁(すいしょうへき)に映(うつ)ったままの部屋だった。


 そう、もし仮(かり)に、試(ため)しにと魔力を壁に流(なが)しても、そこにある扉(とびら)が別室への本物の扉(とびら)であると理解(わか)っていなければ、攻略できない仕組(しく)みなのだ。

 コウちゃんが扉(とびら)が別室への扉(とびら)だと教えてくれなければ、きっと通過(つうか)できなかっただろう。


『マスター……あそこの扉(とびら)に行って………』


 そういうコウちゃんが指(さ)し示(しめ)す先には、確かに扉(とびら)があった。


 私は言われるまま、コウちゃんを腕にその扉(とびら)へと向かう。

 そんな中で、一応は聞いてみる。


「ねぇーコウちゃん、ここには魔物とか出現(しゅつげん)しないの?」


 コウちゃんは、小首を愛らしく傾(かし)げてから言う。


『俺が知っている状態では無かったよ………ここのシステムが変化しているとは思えないし………たぶん、この先も居ないよ』


 うふふふ………コウちゃんってば、一人称がコウちゃんから俺に戻っているわ。

 私の魂の中に飛び込んだことに、だいぶ罪悪感を持っていたようだから…ちょっと心配していたのよねぇ。

 それも、私に自分の罪の告白をして、私から許しの言葉をもらったことで、やっと本当の意味で落ち着いたのねぇ………よかったわぁ。


 そんなコトを考えながら、私は視線の先の扉(とびら)にたどりつき、難(なん)なく扉(とびら)を開いて部屋を出る。

 と、そこは回廊(かいろう)の作りだった。


「えぇ~とぉ…別の廊下(ろうか)ってこと?」


 私の呟(つぶや)きに、コウちゃんはコクンッと頷(うなず)く。


『うん、そう……でね、こっちに出ると扉(とびら)は消えちゃうんだ………』


 言われて振(ふ)り返れば、背中は何処(どこ)から見ても、何の変哲(へんてつ)も無い地下迷宮の廊下(ろうか)の壁だった。


「えぇーとぉ……どっちに行けば良いの?」


『どっちでも良いんだよぉ……』


 その言葉にビックリする。


「えっ?」






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