024★攻略方法が斬新です
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
私が、今までの鬱屈の原因のひとつに心の中で盛大に喚いている間に、コウちゃんが流した魔力に反応して、壁が綺麗な水晶へと変化する。
その水晶の壁には、綺麗な室内が映っていた。
「へぇ~…ここの壁って、魔力を流すと水晶になるんだぁ~………じゃなくて、壁が水晶になるのは理解ったけど、ここからどうやって移動するの?」
その質問に、コウちゃんが腕の中から私を振り返り、水晶壁に映る室内の映像の扉部分を可愛いお手手で指し示して言う。
『あそこから入るんだよ。あの扉は映像じゃなくて本物の扉なんだ。魔力を壁に流すと出現する仕組みなんだ』
コウちゃんの説明に、私は納得する。
「ああそういう仕組みなのねぇ……」
今まで知らなかった仕組みに、私がまじまじと水晶壁に映る室内の扉の部分を観察していると、コウちゃんが移動を促す。
『行こう、ますたぁー………』
短いその言葉に、私は頷く。
「そうだね……それじゃ、行こうか………」
心の中では、この部屋ってこんな仕組みだったのぉぉぉ~っと泣きながら、私は軽くなった身体に心まで軽くなり、コウちゃんの指し示した扉へと向かう。
感慨深げに歩く私は、まだ、その時は自分の容姿がかなり変わったことに気付いていなかった。
そう、水晶壁に映る部屋の内装と、別の場所へと移動できるという扉しか見ていなかったのだ。
余裕のない私は、水晶壁に映る自分の姿など目に入っていなかった。
なにせ、コウちゃんがすまなそうに宣ってくれたのだ。
『あっ…ますたぁー…早くねぇ……コウちゃん久しぶりの魔力行使だから、あまり上手く込められなかったからぁ……消える前に扉を開いて移動しないと、もう一回最初からやり直しなのぉ~………』
そのコウちゃんの発言に、私は慌てて水晶壁に映る扉へと急いだ。
そうよ、こういう時って、そういうパターンが多いのよ。
忘れていた訳じゃないけど、3回分の前世で攻略できなかった、難攻不落の深淵の絶望ダンジョンの【狂いし神子の討伐】の攻略の取っかかりだもの………。
本当の正式な進め方を知って、感動と感慨で思考が少し鈍っていた私は心の中で叫ぶ。
うわぁぁ~ん……間に合ってってぇぇぇ~………。
あうっ…いやぁぁぁぁ~……ハイヒールが脱げそう。
どぉ~して…こんな状態になってからしか、気付かないかなぁ~………。
足にパーティードレスの一部を引き裂いて巻いておけばよかったぁ~。
私は、ここから脱出するコトしか考えていなかったので、足元のハイヒールにまで気が回らなかったのだ。
そう、身体が痩せれば、当然のごとく大根のようなズドンッの足も痩せて細くなっていたのだ。
そして、ハイヒールはブカブカになっていた。
もつれそうになる足で必死に早歩きして、水晶壁に映る扉へと手をかける。
と、あっさりと扉は開く。
どうやら、なんとか間に合ったらしい。
私は、コウちゃんを腕に扉を潜った。
そして、背後の様子を確認しようと振り返る。
だが、そこにはただの地下迷宮の壁しか存在しなかった。
残念、どういう風に変化するか見れなかったわ。
じゃなくて、とりあえず一歩前に進んだのよね。
真正面の精緻な大門から入るのが正規ルートじゃないなんて、誰も思いつかないわよ。
あんだけ何度も、正面の精緻な大扉から入って、数え切れないぐらい全滅しただけに、正規ルートを知って私は何とも言えない気分になる。
ただ、悔しいと…パーティーを組んだ仲間達に、こんなルートがあることを教えたいと、心の底から思ったのはたしかな事実だった。
私は複雑な内心のまま、室内を確認する。
そこは水晶壁に映ったままの部屋だった。
そう、もし仮に、試しにと魔力を壁に流しても、そこにある扉が別室への本物の扉であると理解っていなければ、攻略できない仕組みなのだ。
コウちゃんが扉が別室への扉だと教えてくれなければ、きっと通過できなかっただろう。
『マスター……あそこの扉に行って………』
そういうコウちゃんが指し示す先には、確かに扉があった。
私は言われるまま、コウちゃんを腕にその扉へと向かう。
そんな中で、一応は聞いてみる。
「ねぇーコウちゃん、ここには魔物とか出現しないの?」
コウちゃんは、小首を愛らしく傾げてから言う。
『俺が知っている状態では無かったよ………ここのシステムが変化しているとは思えないし………たぶん、この先も居ないよ』
うふふふ………コウちゃんってば、一人称がコウちゃんから俺に戻っているわ。
私の魂の中に飛び込んだことに、だいぶ罪悪感を持っていたようだから…ちょっと心配していたのよねぇ。
それも、私に自分の罪の告白をして、私から許しの言葉をもらったことで、やっと本当の意味で落ち着いたのねぇ………よかったわぁ。
そんなコトを考えながら、私は視線の先の扉にたどりつき、難なく扉を開いて部屋を出る。
と、そこは回廊の作りだった。
「えぇ~とぉ…別の廊下ってこと?」
私の呟きに、コウちゃんはコクンッと頷く。
『うん、そう……でね、こっちに出ると扉は消えちゃうんだ………』
言われて振り返れば、背中は何処から見ても、何の変哲も無い地下迷宮の廊下の壁だった。
「えぇーとぉ……どっちに行けば良いの?」
『どっちでも良いんだよぉ……』
その言葉にビックリする。
「えっ?」




