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悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する  作者: ブラックベリィ


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023★コウちゃんから脱出方法を聞こう


作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。

設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。

感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)


主人公は、かなりマイペースです。

生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。




 パーティードレスのヒダの中に隠(かく)し入れていた、保存食という食料が尽(つ)きた危機感(ききかん)を感じつつも、私はコウちゃんを優しく撫(な)でながら言う。


「そうなのね、コウちゃんの役に立ったなら嬉しいわ」


 私の言葉に、コウちゃんはふわふわなお尻尾をパタパタとご機嫌で揺(ゆ)らす。


『うん………コウちゃんも、すっごぉ~く助かったよぉ~………また、落ち着いたら欲しいなぁ……ますたぁーの魔力って甘く蕩(とろ)けて美味しいんだもん』


 コウちゃんのふわふわなお尻尾に気を取られていた私は、後半の小さな呟(つぶや)きを聞き逃していた。


 ぃやぁぁ~ん……コウちゃんのふわふわお尻尾がくすぐったぁ~い。

 ………じゃなくて、安全最優先の正確な脱出路(だっしゅつろ)を聞かないと。


 ハッとした私は、早急(そうきゅう)にここから脱出(だっしゅつ)する手段(しゅだん)を得(え)るためにコウちゃんに問いかける。


「コウちゃん、今更(いまさら)なんだけど、どうやってこの部屋から……その…奥の部屋とやらに行くの? こっちの部屋の探索はしたことないけど、反対側の部屋は何度も探索したことあるのよねぇ。まぁ…他の部屋とか場所に行けそうな魔法陣とか、何も無かったんだけど。こちらの部屋も、構造は同じようだけど。いったい、何処(どこ)から別の場所に移動できるのかしら?」


 私が、ここからどうやって移動するのかを聞くと、コウちゃんが可愛いお手手で部屋の奥にある壁を指(さ)し示(しめ)す。


『うん…それはねぇ~………あの突(つ)きあたりに行って、ますたぁー』


 そう言われた私は、コウちゃんを腕に一瞬立ち上がりかけてから下着がズレる感触を感じてハッとする。


「あっちね……っと……」


 ヤバッ……下着が落ちちゃうぅっ………はぁ~………体型が変わったことを忘れていたわ。


「コウちゃん、ちょっと待っていてね」


 そう言って私はコウちゃんを一度テーブルに降(お)ろす。

 私はゆるゆるになったパーティードレスの中に手を入れて、下着のヒモを結(むす)びなおすことにした。

 私のパーティードレスは薄い布が何枚も重ねられていて、縫(ぬ)い留(と)められていない場所がかなりあるのだ。


 太りすぎてズドンなドラム缶体型のために、真面目に縫(ぬ)い留(と)められているのは首回りと袖(そで)に続く肩回りに手首くらいだった。

 腰回りも、一応は縫(ぬ)い留(と)められてはいるがコルセットのようなモノは着けていなかった。


 私の身体(からだ)に合わせた、コルセットやスカート部分をふんわりと広げるクリノリンなどは用意されていなかった。

 あのルドルフ皇太子の婚約者になってから、そういうモノを一度も身に着けたことなどなかった。

 ペチコートらしきモノがあるだけマシかもしれない。


 ちなみに、この世界には(幼少期から行動制限をされていて世間知らずな私の知る限りでは)ゴムらしきモノは存在していない。

 そのために、下着はヒモで縛(しば)るモノしか存在していなかった。


 コウちゃんの不思議な施術(せじゅつ)のお陰で、そこそこ痩(や)せたことで、そのままソファーから立ち上がったら、下着がストンっと落ちること間違いなしの私は、慌(あわ)てて緩(ゆる)みまくっているヒモを結(むす)びなおす。


 うふふふふ………ヒモを結(むす)んだときのヒモの長さからして、ほんとぉぉぉ~に痩(や)せられたのねぇ~………嬉しいぃぃ。

 ボンッキュッボンには、まだまだかなりほど遠いけど………これからは行動制限なんてモンは無いから、動いて筋肉を身(み)に着けて痩(や)せてやるわっ。


 じゃなくて、とにかくここから脱出(だっしゅつ)しないとね。

 下着のヒモは動いてもストンッしない程度(ていど)にはキッチリと結(むす)んだし。

 パーティードレスは、腰で縫(ぬ)い留(と)められているだけの左右のヒダを後ろで結(むす)べば良いわね。


 私はヒラヒラした一番外側のスカート部分の左右の重ね布を腰の後ろでギュッと蝶々結(ちょうちょむす)びをする。

 歩くときにヒラヒラするのを最小限に抑(おさえ)えるためである。

 これで、行動に支障(ししょう)はないはず。


 私は行動するのに障害(しょうがい)となる下着とパーティードレスを整(ととの)えなおし、テーブルに降(お)ろしたコウちゃんへと視線を向けて言う。


「おまちどうさま、コウちゃん……それじゃ、行きましょうか?」


 テーブルに降(お)ろされたコウちゃんは、お尻尾をふわふわと揺(ゆ)らしながら私が身支度(みじたく)するのを待っていてくれた。


『うん……ますたぁー………』


 嬉しそうに立ち上がって起用(きよう)に両手をあげて抱っこを強請(ねだ)るコウちゃんを抱き上げる。

 少し重くなったコウちゃんを腕に抱いて、先ほど教えられた何も無い壁の場所へと移動する。


 あぁ…なんて身体(からだ)が軽いのかしら………。

 息をするのもキツクなってきたことを考えると、本当に楽になったわ。

 軽くなった身体(からだ)に内心で感動しつつ、指定された場所にまでたどりつく。


「ここで良いの?」


 確認するように問いかければ、コウちゃんは腕の中でコクッと頷(うな)く。


『うん、ここ』


 そう言って、コウちゃんは私の腕の中から身(み)を乗り出して、奥の壁に可愛いもふもふの両手をペタッとつける。

 そして、コウちゃんの身体(からだ)から何かふわっとしたモノが抜け出るのを感じた。

 私は、それが魔力であることを、その瞬間に理解(りかい)した。


 はうあぁぁぁ~……あーんだけ、自分の中の魔力も他人の魔力もほぼ感知できなくて苦労したのにぃ~………。

 やっぱり、間違いなく、あの3点セットのせいだぁ~………。

 あの3点セットの装飾品が毟(むし)り取られて身体(からだ)から外(はず)されてから、判(わか)るようになったんだもの。

 マジでむかつくわ。




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