225★魔法世界は便利ですね
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
なんて、考えていた私に、アレスさんが言う。
「おっ…ようやく鳴ったな。金額が刻まれたか…確認してくれ…」
言われて、私はブレスレット嵌め込まれた長方形の水晶板を見る。
あははは………これっていくらになるのかなぁ?
なんか、もの凄い数字が並んでいるみたいだわぁ~………理解らんけど。
「はぁ~い………うぅ~ん、いまいち金額が実感できませんねぇ~………」
そう言う私に、アレスさんが苦笑いをする。
「そっかぁ~………ライムちゃんは、世間様の一般常識っつーもんを教えてもらっていないもんなぁ~………」
もう、私という存在はそういうモノ(=力はあるけど得体の知れない、常識の無いお師匠様に育てられた娘)と言う認識が定着したようである。
ある意味ではラッキー………と、思いつつ私は気の無い風を装って答える。
「はぁ~……まぁそうですけどねぇ………それは、おいおい覚えますよ。それで…このブレスレットがあれば、宿屋にでも使えますか?」
私の何気ない質問に、アレスさんは端的に言う。
「冒険者のブレスレットが使えないような宿屋は、絶対に使うな」
ようするに、冒険者のブレスレットが使えないような宿屋はモグリだから危険と言うことですね。
「そうですか、理解りました、危ないってことなんですね。ありがとうございます」
そう言ってから、私はハッとしてそのコトに気付く。
ギルマスのアレスさんと金額や階級の話しをしている間、1度も後ろのソファーに座った【ホワイトファング】の皆さんが口を挟まなかったコトを………。
そぉーと振り返ると、偶然にもファラちゃんと視線が合った。
その瞬間に、拘束具のハーネス部分を握っていたマイケルさんの手をあっさりと振り切って私に飛びついて来た。
「まぁ~…ファラちぁ~ゃん」
ケモナーな私は、飛び付いて来たことに嬉しくなってファラちゃんの頭や背中をもふもふします。
ああ、たまらない、良い手触りです。
いや、手触りで言うなら、ガッちゃんやコウちゃんの方が断然上ですけどね。
流石に、神話級の神獣達を堂々と連れ歩くコトはできませんから………残念。
職業をテイマーのふりして、ふたりを連れ歩く………と言うのもちょっと考えたんだけど、コウちゃんやガッちゃんの姿が特異過ぎて、それも無理なのよねぇ………はぁ~………。
それに、あまり目立ちすぎてしまうと、わざわざ前世で作ったアバターとボディーチェンジした意味が無くなってしまいますから、ふたりを堂々と連れ歩くことできないのよねぇ………。
だって、お父様達は、コウちゃんやガッちゃんの姿を知っているから………。
じゃなくて、これからご飯を堪能したら、魔の森の奥にいる恐竜モドキ達を、ガッちゃんにたぁ~んと食べさせて上げないとね。
それで魔晶石を作って、仮死状態の神獣のみんなを起こしてあげたいのよ。
いったい、どれぐらいの魔晶石が必要なのかなぁ?
なんて考えながら、私の前にまわり込んで膝にもふもふの両手を置いて、うるうると可愛い甘えた声で鳴くファラちゃん。
ついつい私は、また猫にマタタビか鰹節でもあげる気軽さで、ソルス・エル・ピーシェの果実をヒョイッと袋から取り出した………。
その瞬間、ファラちゃんが嬉しそうに齧り付く寸前で、ソレに気付いたファーズさんとネクトさんが叫ぶ。
『『ファラぁーっ……ストォーップ…』』
その瞬間、ファラちゃんの身体はガクッとして停止する。
と、ほぼ同時にエランさんが懇願する。
「わぁ~……ライムちゃん…………それやめてぇ~………」
その言葉にかぶせるように、マイケルさんも叫ぶ。
「俺達にいくら借金させるのぉ~………」
えっと、私、何か悪いことしました?
じゃなくて、借金って何?
借金って何でしょうか?という表情で、私は硬直しているファラちゃんと情けない表情の【ホワイトファング】の皆さんを交互に見て首を傾げる。
「あのぉ~………借金ってなんですか? それと、可愛いファラちゃんに何したんですか?」
私がそう質問すると、マイケルさんが溜息混じりに言う。
「あのな…その…手に持ってる…ソレ(=ソルス・エル・ピーシェの果実)は、冒険者ギルドに依頼を出されるモノなんだぞ。ちなみに、ファラにはスットプをかけただけだ。また無造作にソルス・エル・ピーシェの果実を食べられた困るからな」
「ああ、そうでしたね………じゃなくて、ストップですか? それって停止の魔法ですね。なんで、そんなコトするんですか? ファラちゃんの目に涙が溜まってます」
涙目のファラちゃんを撫でながらそう言うと、私の膝に乗りあがっていたファラちゃんを、ネクトさんが下ろして、待ての姿勢にさせて言う。
ちなみに、ストップはかけたままですよ。
ファラちゃんが、可哀想なんですけど………。
「だからぁ~………ソレ(=ソルス・エル・ピーシェの果実)はなぁ………結構な金額するモンなんだよ。そんなモノ…ホイホイ…ファラに与えられると…………返しきれないんだ」
とても困っていますという表情で、そう言うファーズさんに、私は私の思いを言う。
「えっ? だって、これタダですよ。それでお金を、それもファラちゃんの飼い主からもらうなんてできませんよ。私が勝手にやっていることですから」




