↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する  作者: ブラックベリィ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
216/259

216★欲望には勝てませんね


作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。

設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。

感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)


主人公は、かなりマイペースです。

生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。




 受け付けを担当しているだけあって、アンジュさんがハッとして、オークシリーズを背負い袋タイプのインベントリ(=実際は左の腕輪タイプのインベントリ)から出そうとした私をとめる。


 とりあえず、私はオークシリーズを出すのをやめて、アンジュさんを振り返って小首を傾(かし)げる。

 一瞬、解体場って何ですか?と聞きそうになってから、前世に読んだラノベにそういうのがあったコトを直ぐに思い出して頷(うなず)く。


「あっはい………えっと…どこですか?」


 私の問いかけに、ギルマスのアレスさんが、見た目が優美な男性に声をかける。

 その男性は、耳が尖った特徴を持つ、たぶん本物のエルフ?だろうと思われる。


「ルディー、後を任(まか)せる。さっさとソレ(=ソルス・エル・ピーシェの果実)を【鑑定】して、ルドレイツ侯爵家の侍従に手渡してやれ」


 その言葉に、ルディーと呼ばれた男性のエルフさん?が確認するように、ギルマスに問い返す。


「アレスの言う、ソレってソルス・エル・ピーシェの果実で良いのかな?」


「ああ、そしたら残り(=ライムが出した、巨大イナゴの翅(はね)、巨大スズメバチの毒嚢、ツノウサギの捩(ねじ)れたツノと毛皮etc.)もさっさと【鑑定】しておけよ」


 というやり取りをしている間(あいだ)に、アンジュさんがルディーと呼ばれた見かけエルフの彼は、サブギルマスだと教えてくれた。

 ちなみに、まだ【鑑定】も終わって無いけど、手渡しちゃって言いかと聞いて来たので、了承した。


 いやだって、まだいっぱい持ってますもん。

 ソルス・ロス・エンダ村のソルス・エル・ピーシェの果実を………と、思ったところで【ホワイトファング】の皆さんの意識が、ファラちゃんから逸(そ)れているコトに気付いた私は、内心でニシャッと笑う。


 ケモナーな私は、このチャンスを逃すつもりありません。

 猫にマタタビ、ファラちゃんにソルス・エル・ピーシェの果実。

 食べ終わって満足ぅ~という状態のファラちゃんをもふりたい。


 思ったら即実行というコトで、サッと布袋に手を入れて、モノ欲しそうにテーブルの上に置かれているソルス・エル・ピーシェの果実を見ているファラちゃんの前に移動して、もうひとつのソルス・エル・ピーシェの果実を出して、その口もとにサッと差し出す。


 その瞬間、キラーンとファラちゃんの瞳が光り、飼い主(=ネクト)の視線無いコトを良いことに、そぉ~と首を伸ばして、静かにカプッと齧った。

 ちょうどハーネス状態の拘束具を付けられていたので、ソッと銜えたソルス・エル・ピーシェの果実落とさないように、前足をひょいっと上げて、やわらかい肉球で包み込むようにして、大事そうに抱える。


 そして、ファラちゃんは果汁が床(ゆか)に滴(したた)り落ちたりしないようにと、上を向いて両手で抱き込みながらソルス・エル・ピーシェの果実に牙を突き立てた。


 うわぁ~……ソルス・エル・ピーシェの果実を落とさないよう抱きかかえて食べるファラちゃん……めっちゃ可愛いぃぃぃ~………たまらない。

 完熟のソルス・エル・ピーシェの果実を差し出して大正解ね………うふふふ。


 ファラちゃんが齧り付いた瞬間、ソルス・エル・ピーシェの果実特有のあまぁ~い香りがふわりっとあたりに漂(ただよ)う。

 小さく、うにゃ~ぅ…るぅるぅ~……と柔らかく喉を鳴らしながら、一心不乱に、果汁をひとしずくたりとも零(こぼ)さないように丁寧に食べる愛らしさに、私はうっとりする。


 ああ…ケモナーごころを満たしてくれるわぁぁ~………。

 器用に、ひと雫も果汁を零さずに食べるなんて……ファラちゃんてば凄い。


 なんてことを思いながら、うっとりとファラちゃんを鑑賞している私を他所(よそ)に、冒険者ギルド内はシーンとした静寂(せいじゃく)が訪(おとず)れていた。


 そんな中、ソルス・エル・ピーシェの果実をファラちゃんがまるごと食べている事実に気付いた【ホワイトファング】の皆さんは、次の瞬間には真っ白になって燃え尽きていた。


 そして、空白の数瞬後、室内のアチコチから声にならない悲鳴が上がるが、そんなことは私の知ったことではない。

 しかし【ホワイトファング】の皆さんは、それだけではすまなかったようだった。


「ライムちゃ~ん…なにしてんのぉ~………とんでもなく貴重なソルス・エル・ピーシェの果実をファラになんかにぃ~………。うわぁ~………返せないよぉ~………」


 と、プチパニックに陥って頭を抱えるネクトさんに、私はクスッと笑ってしまう。

 返せないなんて考えなくても良いのに、善良すぎですよ、ネクトさん。


「大袈裟(おおげさ)だよ、ネクトさん。ソルス・エル・ピーシェの果実ひとつで、そんなに騒がなくても………」


 といいながら、私は甘えてくるファラちゃんを抱きとめて、こころ行くまでもふります。


 【ホワイトファング】の皆さんに制止命令を出される前に食べきるんだと、一心不乱にソルス・エル・ピーシェの果実を食べていたファラちゃんは、食べ終わって満足ぅ~とあまぁ~い声でクルルゥゥ~クルルゥゥ~と鳴きながら喉をゴロゴロと鳴らして抱き付いてくれています。


 ちなみに、ソルス・エル・ピーシェの果実は、ほぼ種子というモノが存在していなかったりする。

 そう、ソルス・エル・ピーシェの果実は、まるごと全部楽しめるお得な果実なのだ。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。