214★前世の性格って抜けませんね
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
副音声無しで、直球でギルド長としての部屋に戻れと言う。
が、当のギルマスのアレスさんは楽しそうにニコニコしながら、私が出す討伐証明や素材を待っている。
どうやらアレスさんは、ギルマスとしての部屋に帰る気はないようです。
「いや、だって見たいだろう。ソルス・エル・ピーシェの果実。それに、他にどんな討伐証明や素材を持っているか知りたいしね」
私は、このままでは話が進まないだろうと思い、とりあえず【ホワイトファング】のネクトさんに声をかける。
「すみません、ネクトさん、ファラちゃんをしっかりと抱きしめていて下さいね」
言われて、ネクトさんはひとつ溜息を吐いて、従魔用の拘束具をファラちゃんに装備する。
そして、その拘束具をマイケルさんが、ガシッと握った。
「大丈夫だぞ、ライムちゃん」
「ありがとうございます。それじゃ、まずは、コレでしょう。ハインツさんが待っていますから………」
そう言って、私は腰に着けたウエストポーチタイプのインベントリから、ソルス・エル・ピーシェの果実をテーブルの上に出した。
途端に、甘い香りがふわりっと広がる。
ブッシュキャットのファラちゃんが、うっとりとしてフンスフンスしている。
よく見回せば、冒険者ギルド内のざわめきが減り、こちらを注視する視線がいくつも向けられていた。
あらあら、不味かったかしらねぇ?
でも、今は【ホワイトファング】の皆さんとギルマスが側に居るから平気よねぇ………。
そんなことをなんとなく思いながら、私は腰に着けたウエストポーチタイプのインベントリの口を閉じる。
そして、今度は肩に背負っていた背負い袋を降ろして、その中から取り出す振りをしつつ、左手首に嵌めている腕輪タイプのインベントリの中から、いらないと思ったモノを出していく。
勿論、ここで出すのに無難だろうと思うモノからである。
実際の話し、どの程度が標準か判断が付かないため、ゲームで定番の魔物素材を中心にしたのは言うまでもない。
そして、私が持っている魔物の素材の大半は【難攻不落の深淵の絶望ダンジョン】のモノである。
「えーとぉ………巨大イナゴの翅に、巨大スズメバチの毒嚢、ツノウサギの捩れたツノ………」
と、言って出したところで、ギルマスのアレスさんが凄い顔して言う。
「おいおい、こいつらは何処で討伐したヤツだ? どれも大き過ぎるぞ。特に、ツノウサギの捩れたツノ。これって、採取依頼にあったなぁ」
そう言うギルマスのアレスさんに、受付けのお姉さんアンジュさんが応じる。
「あっはい、ありましたね。凄い量ですね」
受付けのお姉さんアンジュさんの言葉に、内心で困ってしまう。
いえ、ソレでもかなり極少数しか出してなんですけど………と思ってしまうのはしょうがないでしょう。
だって、もの凄くいっぱい、色々と入っているんですよ。
いくら無制限に入るからって、そのままはなんか気持ち悪いんですよ、気持ち的にね。
そう思いつつも、もしかして、まずったかな?とも思った。
それでも、少しでも腕輪タイプのインベントリの中を綺麗にするという目的で、無難そうなモノから出したんですけどねぇ………。
ちょっと……いや、かなりギルマスやアンジュさんの視線が怖いことになっているんですが………。
やっぱり【難攻不落の深淵の絶望ダンジョン】産の魔物素材は不味かったかなぁ?
なんせ、冒険者登録に来て、コレだからね。
それでも、少しだけでも良いから左腕輪の中を片付けて、整理整頓したいのが本音なのよ。
はぁ~………ここの冒険者ギルドだけで、インベントリの中の討伐証明部位を捌けさせようと思わないで、色々な街の冒険者ギルドに売れば良いかぁ~………。
などと思いながら、私はあっさりと答える。
「コレですか、これは………【難攻不落の深淵の絶望ダンジョン】って呼ばれているダンジョンに潜って採取したモノですよ。母の友人のお師匠様が………」
そう言ってから、私は架空の母の友人である、幻のお師匠様の話しをする。
それこそ、見て来たように噓をつくなんて、前世で片手間に同人誌を書いていた私にはお茶の子さいさいである。
『最後の扉の前まで自力で攻略できたら合格としてやろう。なに、私もついて行く、危ないことは無いから好きなだけ暴れろ。ああ、討伐証明と素材は取って置けよ。それなりの金にはなるからな』
「って、言われて………魔物を討伐した時に採取したモノです。あっ………とりあえず、お師匠様からは合格をもらえたんで………。ひとり旅を始めたのが………あのソルス・ロス・エンダ村の近くだったんです。お師匠様は、そのままふらっとどこかに行っちゃったんです。あの人を探すのって大変だなぁ~ってぐらいには、あちこちを気まぐれに放浪する人なんで………。行動が分かれた今では、私でも、連絡は取れませんよ」
ちょっと予防線を張りつつそう言えば、ギルマスのアレスさんが頭を抱えていた。
そして、ボソッと呟く。
「やっぱ、俺が居て正解じゃん」
流石に、アンジュさんも何も言わず、討伐証明兼、特殊素材を見下ろして困っていた。




