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悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する  作者: ブラックベリィ


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021★コウちゃんに痩身美容をしてもらう?



 もしかしたら、私が見落としているだけで、この部屋の中のどこかに有るのかも知れないわね。

 そんなモノがあるなら、前世の私達や難攻不落の深淵の絶望ダンジョンの【狂いし神子の討伐(とうばつ)】というイベント攻略に取り組んでいたネット仲間に教えてやりたいよ、本当に………。


 って言っても、まだその場所は分からないけどね。

 でも、この奥に進んでってことは、どこかにあるのよねぇ………。


 とはいえ、今の私は前世のような動ける身体(からだ)をしていないのが最大の難点なのよねぇ。

 なんとかして、少しでも体重を減らして身動きがしやすいようにならないかしら?


 前世なら、かなりのリスクはあるけど、こんな寸胴(ずんどう)体型でも、即効性のある痩身術があったのよねぇ。

 そう、たとえば痩身美容外科で脂肪の吸引という外科手術や脂肪を溶解させる注射を打つなんて手段があったのにぃぃ~………。

 はぁ~あ………この世界じゃ、無いものねだりよねぇ……そういう技術とか薬液なんて無いもの………本当に、前世は良かったわぁ。


 そんなコトを考えながら、私はコウちゃんの提案に首を()る。


「はぁ~……ごめんねぇ~…コウちゃん、とぉぉぉぉぉ~っても魅力的な提案(ていあん)なんだけどねぇ………。私のこのドラム缶のような身体(からだ)で、魔物討伐(まものとうばつ)なんて、流石に無理なのよ。残念なことに、私の体力が持たないもの。はぁ~………嗚呼、この世界に即効性の痩身美容とかあったら良かったのに………」


 そしたら、見掛けだけでも体積が()るし、体重自体も()るはずだから……身動きも、今よりずっとできるようになるとは思うのよねぇ。

 いや、運動しないでの痩身美容は、皮膚(ひふ)(みにく)くたるむんだっけ………。


 そんなコトを考えてから、今現在の状況を考えて、贅沢(ぜいたく)は言っていられないと首を()る。


 いや、そうなってもイイから、()せたいわ。

 だって、身体(からだ)が重いし、呼吸もキツイんだもの。

 冗談抜火(じょうだんぬ)きで、太りすぎて身体(からだ)限界(げんかい)に来ているのだから………。

 今すぐにでも、()せる方法を考えないと魔物に襲われる前に呼吸困難で死にそうだわ。


 そう思った瞬間に、心の声がとどまることを知らないかのように、本音(ほんね)がボロボロと(こぼ)れ落ちていく。


「そうよ、痩身美容で簡単にこの身体(からだ)に付いた多くの脂肉(あぶらにく)をガツッと()らせるなら、多少のリスクがあっても、脂肪吸引とかして、カタチだけでもボンッキュッボンのスタイルになれば………余分(よぶん)脂肉(あぶらにく)()って、動きやすくなれるのに………」


 そんな私の乙女としての複雑な気持ちを他所(よそ)に、コウちゃんが聞いてく来る。


『ねぇ…ますたぁー…痩身美容するのぉ?』


 不思議そうに言うコウちゃんに(こた)える余裕(よゆう)のない私は、ついついブツブツと(つぶや)いてしまう。

 そんな私を、コウちゃんが心配そうな表情で自分を見ていたらしい………。

 が、そんなことに気付く余裕の無い私は、()め息()じりに自分の段差(だんさ)というモノがほとんどないぱんぱんの腹や腰などを残念そうに()でてしまう。


「はぁ~…ここが、安全で清潔(せいけつ)で文化レベルから、様々(さまざま)医療(いりょう)レベルも高い、日本の主要都市じゃないことが残念(ざんねん)だわぁ~………はぁ~……どうやったって、地道(じみち)にたぁ~っぷりと付いた脂肪とお肉を落とさないとならないんですもの……はぁ~………」


 気分の()(しず)みが(はげ)しい自分の感情の波に、私はどこか冷静な部分が今はそんなこと悠長(ゆうちょう)に考えている時じゃなく、動く時であること(うなが)していた。


「とはいえ、この身体で戦闘行為なんて無理よねぇ……はぁ~……。コウちゃん、本当にぱぱっと迷宮のお外に転移する方法ってあるの? あるなら、それをお願いしたいわ。流石に、こんなに重くて(にぶ)い身体じゃ魔物討伐(まものとうばつ)しながらなんて無理だもの………」


 私を心配そうに見ていたコウちゃんは、コテンッと小首を(かし)げてから言う。


『うん、あるよぉ~………じゃなくてぇ~…ますたぁー…本当に、痩身美容するぅ?』


 コウちゃんのセリフに、本気で痩身美容、正確には脂肪吸引をマジでしたいと思ったのは事実だ。

 このシルビアーナの身体は、筋力が足らないのに余分(よぶん)な重い脂肪とお肉がたっぷりと付いていたのだから………。


「できるなら、すぐにでも痩身美容したいのが本音よ。でもここに専門の医療施設(いりょうしせつ)なんて無いから無理よねぇ………」


 そうぼやく私に、コウちゃんは言う。


『あのねぇ~…ますたぁ~……コウちゃん、瘦身美容と同じコトできるよぉ~………きちんと知識あるよぉ~……前世の脂肪吸引とかいうのしちゃう? コウちゃん…ちょっと魔力とか足らないから…ますたぁーからぁ……色々と欲しいけどぉ……良い?』


 コウちゃんは私の気を引くためか、俺という自称呼(じしょうよ)びをコウちゃんと言いながら(うった)えてくる。


「えっ? 脂肪吸引みたいなことできるの? コウちゃん」


 コウちゃんが愛らしくそう言うので、私は思わず反射的に聞き返していた。

 そんな私に、コウちゃんは小さな3対の翼をパタパタさせながら答える。


『うん…できるよぉ。でね、ますたぁーの身体(からだ)(あふ)れて滞留(たいりゅう)している魔力が凝縮(ぎょうしゅく)されて脂肉(あぶらにく)になっているからぁ………その魔力をコウちゃんがもらって良い? 流石に、この奥に向かうのには、魔力が足らないのぉ………』


 コウちゃんのセリフに、どうやら本当に痩身美容のようなコトができるらしいと判断する。

 そして、その言葉の中に聞き()てならない内容を拾う。




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