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悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する  作者: ブラックベリィ


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20/212

020★前世が同時期な理由がわかりました


作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。

設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。

感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)


主人公は、かなりマイペースです。

生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。




『うん、霊能力とも違う。霊能力は人間が持つ力のひとつだから。真那(まな)はこの星の地脈に流れる純粋な力だよ。いわゆる、創造主たる神様の力が薄まって地脈や大気に溶け込んだモノだよ』


「ようするに神様の力………ラノベでいうところの神力(しんりょく)該当(がいとう)するってことで良いのかな?」


 私の確認に、コウちゃんはペッタリお耳で哀し気に言う。


『うん………でも、どっちもあっちの世界には無かったんだ………補給できる力の(もと)が……なぁ~にも無いおかけで力尽(ちからつ)きちゃったんだ』


 コウちゃんからの説明で、この世界にある魔素(まそ)真那(まな)という力の(みなもと)理解(りかい)した私は(うなず)く。


「そう、吸収できるようなモノが無くて力尽(ちからつ)きちゃったんだ。それじゃしょうがないね。それで、()ばされた後はどうしたの?」


 後悔(こうかい)にドップリと()かり(おぼ)れて、瞳をウルウルさせているコウちゃんは私の問いかけに一生懸命に答える。


『うん…あのね。そのまま人々の思いがドロドロに()まった、なんか神殿の祭壇みたいなところに、そのまま封印されちゃったの………』


 なるほど、それがあの市役所職員で、陸上自衛隊の予備役に入っていた、見た目は良いのに残念なオタク男性の私が行った古代遺跡ってことね。


『ますたぁーが、あの神殿の祭壇から、俺を連れ出して、太陽の下に翳してくれたから………魔素(まそ)真那(まな)も無い世界で、唯一の力となる、大気の中のエネルギーを()り入れていた時、ますたぁーの熱い生命力の血潮(ちしお)()びて、防護結界が()けちゃってね………ますたぁーの魂の中に(あわ)てて逃げ込んじゃったんだ』


 えっとぉ……それって、あの古代神殿から出て、私が胸を撃たれた時のことよね。

 いや待って、(あわ)てて魂の中に逃げこんだって………どうして?


「コウちゃん、なんで魂の中に逃げ込む必要があったの?」


 素朴(そぼく)な質問に、コウちゃんはその時のことを思い出してか、興奮して3対の翼を無意識にパタパタさせながら答える。


『えっとね……マスタァーが生まれ育った前世の世界には、どこにも魔素(まそ)真那(まな)というモノが存在し無い世界だったんだ。そんな世界で、(すで)力尽(ちからつ)きる寸前(すんぜん)だった俺は、自分の存在を守る為の防護結界を()るだけの力というモノが、カケラも残っていなかったんだ』


 そう念話(ねんわ)で言うコウちゃんは、おずおずと上目遣(うわめづか)いで私を見上げてくる。

 そんなコウちゃんに、私は優しく(うなが)す。


「そう……大変だったのね」


 私の否定的(ひていてき)なモノを(ふく)まない相槌(あいづち)にホッとしたように続ける。


『……うん………本当にあの瞬間、(わず)かな躊躇(ためら)いでもして、ちょっとでも遅かったら、俺は消滅(しょうめつ)していたんだ。言い訳にしならないけど………。勝手に魂に入ってごめんなさい………』


 ショボンとして(あやま)るコウちゃんに、私は笑いかける。


「馬鹿ね、コウちゃん。怒ってないって言ったでしょう…くすくす…それで、コウちゃんが消滅(しょうめつ)をまぬがれたなら幸いだわ。お陰で、こうしてコウちゃんと一緒に居られるもの…ね……だから、そんなことは気にしないの……」


 そう言って、コウちゃんの顔や首筋を優しく()でる。


『うん…ますたぁー大好きっ……』


 なるほど、どうやらそのままコウちゃんが私の魂の中に入っちゃったお陰で、その時空間に固定された痕跡(あと)のセイで、死ぬと同じ時期に転生していたのね。


 でも良かったわぁ~……日本に転生できて………。

 流石に、あの日本での快適生活を知っている()としては、あの現地はちょっと………いや、かなりイヤだもの。

 下手したら、あの古代遺跡近くに住む者に転生していた可能性だってあったことを考えたら、本当に幸運だったわね。


 もしかしたら、日本の八百万(やおよろず)の神々のお陰かも………。

 特に、あの時にコウちゃんを太陽に(かざ)していたことを考えると、天照大神(あまてらすおおみかみ)様が、異郷の地で果てるヤマトの民である当時の私を不憫(ふびん)に思って、魂だけでもって日本(ヤマト)に戻してくれたのかも………そう思えてならないわ。

 

 私はコウちゃんを抱きしめながら、(あらた)めて言う。


「私も、コウちゃんのことが大好きよ。ってことで、ここを出て一緒に美味しいモノを食べ歩いたり、冒険とかをしようねぇ~………」


 そう言いながら、私は自分の言動に内心で首を(かし)げる。


 うん? なんか、(みょう)(しょく)にこだわりが………。

 そう言えば、アラフィフの喪女(もじょ)の時は、お取り寄せとかにもかなりこだわっていたわね。

 前世の記憶を思い出したことで、そういうのが出て来たってことかな?


 ただ、残念なのは、ラノベとかにあるような前世の人格とかが一切無いってことね。

 脳内会議とかしたら、色々と助かっただろうに………。

 そう、女性視点と男性視点じゃ違うし…年齢によっても、視点や思考がちがうから………3人寄れば文殊(もんじゅ)知恵(ちえ)っていうのに………。


 まぁ、無いものはしょうがないわね。

 とにかく、やっぱりコウちゃんは、この世界の子ってことは確かなんだから、その知識を生かして、この難攻不落の深淵(しんえん)の絶望ダンジョンの【狂いし神子の討伐(とうばつ)】イベントをなんとかやり()ごして脱出(だっしゅつ)よ。


 と、無意識に握りこぶしをしていたら、思考が駄々洩(だだも)れしたらしくて、あっさりと解決策を提案してくる。


『ますたぁー………魔物討伐(まものとうばつ)しながら回廊(かいろう)を歩いて脱出する? それとも、この奥に進んでぇ~…ぱぱっと迷宮のお外に転移するぅ?』


 コウちゃんのセリフに、やっぱり隠しイベント………というか、扉みたいなモノが、どうやら存在しているらしい。

 それも、この安全地帯となる部屋の近くにあるようだ。




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