208★もしかして、ソルス・エル・ピーシェが原因?
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
それに、私が前世の世界で転生を繰り返している間も、だいぶ鍛錬していたようで、更に磨きがかかっていること間違いなしだもの。
エミリ達でさえ、かなりハイスペックになっていたのだから、安全をとって退避するしかなかったのよねぇ………。
私(=特注アバター)の勘が、チリチリした警報を出していたのだから、かなりヤバイのはたしかよ。
だって、このアバターはそういう部分(=危険回避のための第6感と攻撃魔法全般)を特別に強化して創造ったんだから………。
そう、悪質なトラップが多いダンジョン探索用に、そういう部分を殊更に特化させたアバターなのよ。
高位の魔物が蔓延るダンジョンでは、それ(=勘と魔力量)が生死を別けるのはゲームの世界でも、現実世界でも一緒だもの。
だから、危機回避率をできるかぎり高めておくのは、難易度の高いダンジョンで生存するための第一条件と思って、ギリギリ(=課金と素体の耐久という意味で)まで創造り込んだアバターなのよ。
そのアバターにボディチェンジした途端に、首筋が灼けるようなリチリとした感覚を感じたんだもの、回避行動するしかないでしょう。
何と言っても、今世は前世で遊んでいたRPG【黄昏の開放】やレイパレ(R18)で何度も挑んだ【難攻不落の深淵の絶望ダンジョン】をリアルで体験して来ただけに、勘と強運が生死を別けるって実感したわ。
それでも、私は幸運………いや、強運、または豪運とでも言えば良いのかしらねぇ………本当にツイていたわ。
だって、私の魂魄には、この世界の【女神の神子】だった存在の一部、それも真核とも呼べるコウちゃんが寄り添っていてくれたのだから………。
そして、コウちゃんが本来所属していた、あのゲーム達とほぼ連動しているようなこの世界に来て、おぞましい呪具が外されたことで、私の魂の中から出て、その姿を顕現できたんだから、本当にツイていたわぁ~………じゃないでしょっ…私。
今は、ファラちゃんのことよ。
上機嫌で懐くファラちゃんのそんな姿を見て、エランさんがちょっと不可解そうな表情をしてから、私に声をかけて来る。
「えぇーと……きみ……」
声をかけられた私は、とりあえずの自己紹介をして、ファラちゃんの肩辺りをを軽くポンポンする。
「あっ……ライムといいます。ほら、ファラちゃん………そんな風に、叩かないの………」
抱き付いた私から引き剥がされるのを嫌がって、またシャァーっと威嚇音を出し、ネクトさんが一歩引くと、また可愛い声で私の顔にスリスリし始めます。
それを見て、ひとつ大きく溜息を吐いて、私に聞いて来ます。
「えーと……ライムちゃん………その…もしかして……あ…いや……ソルス・エル・ピーシェを最近、食べたかな?」
その問いに、私はちょっとキョトンとしてから、顔、特に口元にズリズリしてくるファラちゃんの頭を軽く抑えながら頷く。
そう、スリスリなんてモノじゃなく、ズリズリという擬音がつくほど、頭を摺り付けてきているのだ。
「あっ…はい………ここに来る少し前に、ひとつ食べましたけど。ちゃんと熟していて、とても美味しかったですよ。それが何か?」
頭を軽く抑えた手の匂いをフンスフンスして、ファラちゃんはご機嫌で私の手にも頭をズリズリする。
そのファラちゃん様子と今の問いかけから出る答えは、やっぱりひとつしかありませんよね。
猫にマタタビ、ファラちゃんにソルス・エル・ピーシェってところでしょうかね?
それでも、確認のために一応はその予測があっているかネクトさんに聞きましょう。
「えっ………もしかして………この子のこの過剰な可愛い反応って、ソルス・エル・ピーシェの匂いのセイなのぉ?」
そう言いつつも、ネクトさんの言葉を聞いたことで、勝手に連想が始まり、私は直前の状況を思い出していた。
ちなみにこの勝手に洞察力が発動し、同時に連想が始まる自動発動能力は、女暗殺者時代に培った能力だったりする。
なんせ、少しでも状況を見誤ったら死が待ち受けているなんてことが日常だったので、生き残るために磨かれた生存能力なのよ。
じゃなくって………従魔のブッシュキャットのファラちゃんが、突然私を振り返ったあの時、たしか風は後方から吹いて来ていたわね。
その風に、微かにソルス・エル・ピーシェの匂いが混じっていたのかも知れない。
コウちゃんとガッちゃんが、両肩でおとなしくなった後、その沈黙と静寂のセイで、妙に口寂しくなった私は、インベントリからソルス・エル・ピーシェを3個だして、その内のひとつをミストシャワーで軽く洗って食べたのよ。
残り2つは、また食べたくなった時ようにと、腰に着けたウエストポーチタイプのインベントリに入れました。
両親の庇護下から攫われてから、王宮でのつらい日々を送る中で、自分の中の空虚さを癒すために、常に口に食べ物を入れていた習慣は、そうそう治りませんね………残念なことに。
現在は色々とありすぎて、そちらに気が回らなくても、ふとしたはずみに、何かを口に入れたいと思ってしまいます。
おぞましい呪具と、ほぼ軟禁生活だったので、其処から解放されたからといって、長い間の習慣というモノは、なかなか抜けないモノですね。




