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悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する  作者: ブラックベリィ


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207/266

207★【ホワイトファング】の従魔ブッシュキャットに抱き付かれました


作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。

設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。

感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)


主人公は、かなりマイペースです。

生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。




 マイケルさんが軽くそう言ってくれたので、私は内心でホッとする。


「ありがとうございます。あのぉ~………ところで………ここの冒険者ギルドって、どの辺にありますか?」


 それだけで、私が身分証明になるモノを保持していないコトを察(さっ)したらしいファーズさんが、また心配そうな表情になって言う。


「嬢ちゃ………いや、ライムちゃん………」


 と、話しかけて来た時に、それまでおとなしく前を歩いていた従魔がふいにクルッと私の方に振り返り、ニチャッと笑って………前世で猫を飼っていたこともあって、私にはそう見えた………私に嬉しそうに飛びかって来た。


 きゃうぅ~………くるくる………きゃきゅぅ~………。


 と、もの凄く甘ったれたような声を出して………。

 いやぁ~…前世からケモナーな私には、ご褒美でしたから、抱き着かれて顔を舐められても全然平気ですが………。


 ちなみに、前を歩いていたのはワイルドキャット種の魔獣のブッシュキャットでした。

 大きさとしては………前世の日本で言うところの超大型犬ぐらいですね。

 そう、ワイルドキャットの大型版です。


 いやぁ~……たまりませんね。

 このもふもふとした手触りと、がっしりとした重量感………最高です。

 コウちゃんやガッちゃんと違う、このずっしりとした体躯(たいく)の抱き心地の良さにクラクラします。


 ただ、ちょっとだけ残念なことがありました。

 ブッシュキャットに抱き付かれたその勢いと反動で、深く被っていたはずのフードがファサッと後ろに落ちてしまい、長い緑の髪が風に靡(なび)いてしまいました。

 同時に、水色の瞳に透き通る白い肌と、ばら色の頬と唇が晒(さら)されちゃって、ちょっと周囲の視線を集めちゃった気がします。


 両肩に乗って熟睡しているコウちゃんとガッちゃんは全然ブッシュキャットから敵意を感じていないために、完全に熟睡したままです。

 勿論(もちろん)、ちゃんと透過化(とうかか)したままですので、誰にも見付からなかったので内心でホッとしていた私です。

 それに、ちゃんと小結界を張って、存在を綺麗に隠しているので、気配に敏感なテイムされている魔獣のブッシュキャットにも気付かれなかったのはたしかな事実です。


 周囲の人達も、突然の従魔の暴走?に、びっくりして振り返って、私の容姿にびっくりしています。


 そうでしょう……そうでしょう……苦心して創造(つく)ったアバターですもん。

 可愛い美少女ですよぉ~………ちょっと自慢。


 そんな中で、やはり従魔のブッシュキャットが突然暴走したコトに驚いた、空色の髪のネクトと紹介された彼が振り向く。

 彼が、従魔師さんのようですね。


「えっ………ファラ?」


 振り向いたネクトさんに、ファーズさんがとっさに命令します。


「えっ………ネクトっ…ファラを……抑(おさ)えろっ………」


 その焦(あせ)った声で、茶髪のエランさんも異変に気付いて振り返る。

 どうやら、ネクトさとエランさんで、今日の予定を話していて気付くのが遅れたらしい。


「どうした? ファラっ?」


 【ホワイトファング】の皆(みな)さんにとっては、とんでもないコトだったのでしょう。


「ファラっとまれっ…ファラっ…止めるんだっ………」

  

 そう言いながら慌てて、たぶん従魔師のネクトさんが駆け寄って来ます。

 まるでマタタビをもらったニャンコのごとく、私にしがみついて離れない魔獣のブッシュキャットは、どうやらファラという名前のようです。

 私に抱き付いて、クルルゥゥ~クルルゥゥ~と甘え声で鳴きながら、私の口元をフンスフンスしては、可愛らしい声を更(さら)に響かせるように、うにゃうにゃしています。


 その姿に、従魔のコントロールが外れた、完全暴走ではないらしいコトを感じて、ちょっとホッとしながら、私に抱き着いてご機嫌になっている従魔のファラちゃんを引き剥がそうとする。


 どんなに可愛くっても、よそ様の従魔ですから、何時までも抱き付かれているのはダメでしょう。

 ちょっと残念には思いますが、私にはコウちゃんもガッちゃんもいますから、ここはさっさと引き剥がそうとしているネクトさんに協力しましょう。


 そう思ったのですが………。

 

 私から引き剝がそうとする気配を感じたファラちゃんは、クルッと振り返って、こともあろうに従魔師のネクトさんに、シャァーっと威嚇音(いかくおん)を出して、その手をパンパンと叩きました。


 差し詰め、ファラちゃんの言い分は『今(いま)、お気に入りの匂いに浸(ひた)って幸(しあわ)せになっているのっ! 邪魔しないでよっ!』と言うような副音声が聞こえてくるような威嚇音(いかくおん)と行動でした。


 いや、ちゃんと飼い主(ぬし)のネクトさんを気遣って、凶器となるツメは出してないけど、あのスナップのきいた手は痛いと思うよ。


 ちなみに、ハイエルフハーフの私はハイスペックなので、ファラちゃんの体重や勢いも、ぜんぜん平気だったりする。

 そう、これでもかなりハイスペックなのよ。

 ただ、獣人(=成長しきって力に磨(みが)きがかかった養子の子供達)相手だと、それでも分が悪すぎるのよ。


 特に、私が養子にしていた獣人の子供達は、とんでもなくハイスペックに育ちあがっていたのよ、前世のゲームの中の時点でね。

 だって、可愛かったから、色々(いろいろ)な特殊な魔道具や、技術を持った教師をつけたりして丹精込(たんせいこ)めて育てた子供達だから………。





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