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悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する  作者: ブラックベリィ


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204/262

204★フォレンの街壁(がいへき)が見えました


作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。

設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。

感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)


主人公は、かなりマイペースです。

生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。




 慌てて、私に見られる前にって、大きさをそれらしく調節しているけど、ああも小さくなる姿(=現在の本当の大きさ)を見ていると、早くたっぷりと食べさせてあげなきゃって思うのよねぇ~………。


 いや、それはそれで、めっちゃ可愛いんだけどね。

 手のひらサイズの、もこもこロップイヤーもどきの紅輝獣(カーバンクル)ですもん。

 ただし、お尻尾はフェネックのようなモフモフのファッサリのかなり長めでそれがなおさらに可愛さを強調しているの。


 でもって背中には可愛らしい三対の翼(小さいのにちゃんと実用的な翼でちゃんと飛べているんだから不思議)なんて、つややかで長いふさふさの毛のお蔭で、ほとんどが隠れちゃってるから、サイズ考えなければ、まるで和菓子の大福みたいよね。


 じゃなくて、さっさと初心者の冒険者達が集う、始まりの街フォレンに入りましょうかね。


 私は、肩に乗るコウちゃんとガッちゃんに声をかける。


「さて、それじゃ~……コウちゃん、ガッちゃん、また、姿を隠してくれるかしら? ふたりとも、希少な聖獣に見えるからねぇ………。性根の腐った悪い人達に、目をつけられてしまうわ。実際は、神獣って言っても過言じゃない。ううん…それよりも高位の存在だもの…何と言ってもコウちゃん達の大元(おおもと)は【女神の神子】ですもんねぇ。だから、姿を透明にして、ちゃんと私の肩にくっ付いていてね」


 私の言葉に、コウちゃんもガッちゃんも嬉しそうに返事をする。


『はい、ママ』


『はい、マスター』


 同時に、コウちゃんもガッちゃんもスゥーと透過化(とうかか)(=身体(からだ)を透明(とうめい)に変える)する。


 なんと言っても、今(いま)まで立ち寄ったところの規模に比べたら、ここはめっちゃ大きい街ですもんね。


 まだかなり距離があるって言うのに、フォレンの街を魔物の侵入から護るための高く厚い防壁(ぼうへき)がドドーンと聳(そび)え立っている。

 そのフォレンの街を護る街壁(がいへき)を見たことによって、前世の記憶が刺激されたのか?


 私は、記憶にあるフォレンの街の規模と、冒険者達とそれに付随(ふずい)する人々を思い起こし、ゲーム内の映像を思い起こす。


 まぁ………街中は、新宿や池袋ってところかしらねぇ?

 メインの大通りは、たしか初心者相手の防具屋や武器屋ね。

 それに、ポーションを専門に扱(あつか)う薬屋にアイテム屋。

 あとは携帯食料屋や野営用専用の道具屋などと、色々(いろいろ)あったわねぇ………。


 さしずめメインの大通りは、かの有名な渋谷のスクランブル交差点並みに大勢の人たちが行きかっているよね。

 いや、流石(さすが)にそれは言い過ぎか………でも、結構人通りが多いのはたしかよ。


 当然、肩が触っただ、当たっだなんてトラブルは当たり前の人通りよねぇ ………楽しみだわぁ(喜)。

 前世の日本での治安よりは格段に悪いけど、海外の統治が微妙なところよりは、それでもずっと治安が良いのが、この冒険者の始まりの街フォレンなのよねぇ………。


 いや、ゲームの中ではそう言う設定で描(えが)かれていたけど、実際のところはどうなのかしら?

 画面越しじゃない、リアル冒険者にとっての始まりの街フォレンはどうかしらねぇ?


 ソレス・ロス・エンダ村は寂(さび)れきっていて、スカったからなお楽しみよ。

 あそこでは、真っ当なお店なんてぜぇ~んぶ閉まっていたから………はぁ~………。

 それどころか、信じられないことに、何処(どこ)の村や町にでもあるような露店すらなかったのよっ………。


 ゲームの中では、ソレス・ロス・エンダ村って結構な冒険者の来訪が多い場所だったのに………本当に残念無念だったわ。

 ゼフィロス村では、お父様達と会っちゃって、結局はお店とかに寄れなかったから、どうだったかは判(わか)らないしね。


 そして、たぶんしばらくはあのゼフィロス村には立ち寄れないと思うのよねぇ………。

 だって、どう考えたって、今回(こんかい)会うのを回避(かいひ)した獣人の子供達が見張っているだろうから、ご飯を楽しみに気軽になんて遊びに行けないわよねぇ。


 いや、あの子達にも会いたいには会いたいけど、まだこのアバターにチェンジしたばかりだから、全力で抱き付いて来る子供達の力をいなすことは難しいと思うのよ。


 だって、エミリ達に抱き付かれて昏倒(こんとう)したのよぉ………。

 まぁ…たしかに本来のシルビアーナの身体(からだ)よりは確実に、丈夫でハイスペックかもしれないけど………。

 それでも、あの獣人の子供が更(さら)に育った今(いま)、ハイスペックに創造(つく)ったこのハーフハイエルフの身体(からだ)でも、たぶん、いや、間違いなくシルビアーナの身体(からだ)の時と同じことになるのは目に見えているもの。


 じゃなくって、この世界でのリアルでのご飯を食べてみたいのよ。

 王宮で出されていた食事は………まぁ……それなりだったけどね。

 シルビアーナ(私)への扱(あつか)いがアレだったから、特別美味しいっていう食事ではなかったわね。

 たぶん、ほとんどは下級侍女のまかないのような食事だったと思うわ。


 あのおぞましい呪具(じゅぐ)のセイで、意識が常(つね)にボヤッとしていし、過度のストレスのセイでブクブクと太って肥満体になっていたけど、そこまでご飯が美味しいって感じたことなかったもの。


 私はテクテクと歩きながら、そんな埒(らち)も無いことを考えていた。

 フォレンの街に近付くことで、じょじょにその巨大な街壁(がいへき)の全容を視界に納めて、私は無意識に笑っていた。


 ああ、やっぱり流石(さすが)、冒険者達にとっての始まりの街フォレンというだけあって、往来が多いわねぇ………。

 色々(いろいろ)なタイプの馬車がフォレンの街から出て、他の町や村、もしかしたら帝都(ていと)や領都(りょうと)に行くのかも知れないわね。


 そんなことを考えつつ、私はここ最近の残念なことに思考が戻ってしまう。






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