204★フォレンの街壁(がいへき)が見えました
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
慌てて、私に見られる前にって、大きさをそれらしく調節しているけど、ああも小さくなる姿(=現在の本当の大きさ)を見ていると、早くたっぷりと食べさせてあげなきゃって思うのよねぇ~………。
いや、それはそれで、めっちゃ可愛いんだけどね。
手のひらサイズの、もこもこロップイヤーもどきの紅輝獣ですもん。
ただし、お尻尾はフェネックのようなモフモフのファッサリのかなり長めでそれがなおさらに可愛さを強調しているの。
でもって背中には可愛らしい三対の翼(小さいのにちゃんと実用的な翼でちゃんと飛べているんだから不思議)なんて、つややかで長いふさふさの毛のお蔭で、ほとんどが隠れちゃってるから、サイズ考えなければ、まるで和菓子の大福みたいよね。
じゃなくて、さっさと初心者の冒険者達が集う、始まりの街フォレンに入りましょうかね。
私は、肩に乗るコウちゃんとガッちゃんに声をかける。
「さて、それじゃ~……コウちゃん、ガッちゃん、また、姿を隠してくれるかしら? ふたりとも、希少な聖獣に見えるからねぇ………。性根の腐った悪い人達に、目をつけられてしまうわ。実際は、神獣って言っても過言じゃない。ううん…それよりも高位の存在だもの…何と言ってもコウちゃん達の大元は【女神の神子】ですもんねぇ。だから、姿を透明にして、ちゃんと私の肩にくっ付いていてね」
私の言葉に、コウちゃんもガッちゃんも嬉しそうに返事をする。
『はい、ママ』
『はい、マスター』
同時に、コウちゃんもガッちゃんもスゥーと透過化(=身体を透明に変える)する。
なんと言っても、今まで立ち寄ったところの規模に比べたら、ここはめっちゃ大きい街ですもんね。
まだかなり距離があるって言うのに、フォレンの街を魔物の侵入から護るための高く厚い防壁がドドーンと聳え立っている。
そのフォレンの街を護る街壁を見たことによって、前世の記憶が刺激されたのか?
私は、記憶にあるフォレンの街の規模と、冒険者達とそれに付随する人々を思い起こし、ゲーム内の映像を思い起こす。
まぁ………街中は、新宿や池袋ってところかしらねぇ?
メインの大通りは、たしか初心者相手の防具屋や武器屋ね。
それに、ポーションを専門に扱う薬屋にアイテム屋。
あとは携帯食料屋や野営用専用の道具屋などと、色々あったわねぇ………。
さしずめメインの大通りは、かの有名な渋谷のスクランブル交差点並みに大勢の人たちが行きかっているよね。
いや、流石にそれは言い過ぎか………でも、結構人通りが多いのはたしかよ。
当然、肩が触っただ、当たっだなんてトラブルは当たり前の人通りよねぇ ………楽しみだわぁ(喜)。
前世の日本での治安よりは格段に悪いけど、海外の統治が微妙なところよりは、それでもずっと治安が良いのが、この冒険者の始まりの街フォレンなのよねぇ………。
いや、ゲームの中ではそう言う設定で描かれていたけど、実際のところはどうなのかしら?
画面越しじゃない、リアル冒険者にとっての始まりの街フォレンはどうかしらねぇ?
ソレス・ロス・エンダ村は寂れきっていて、スカったからなお楽しみよ。
あそこでは、真っ当なお店なんてぜぇ~んぶ閉まっていたから………はぁ~………。
それどころか、信じられないことに、何処の村や町にでもあるような露店すらなかったのよっ………。
ゲームの中では、ソレス・ロス・エンダ村って結構な冒険者の来訪が多い場所だったのに………本当に残念無念だったわ。
ゼフィロス村では、お父様達と会っちゃって、結局はお店とかに寄れなかったから、どうだったかは判らないしね。
そして、たぶんしばらくはあのゼフィロス村には立ち寄れないと思うのよねぇ………。
だって、どう考えたって、今回会うのを回避した獣人の子供達が見張っているだろうから、ご飯を楽しみに気軽になんて遊びに行けないわよねぇ。
いや、あの子達にも会いたいには会いたいけど、まだこのアバターにチェンジしたばかりだから、全力で抱き付いて来る子供達の力をいなすことは難しいと思うのよ。
だって、エミリ達に抱き付かれて昏倒したのよぉ………。
まぁ…たしかに本来のシルビアーナの身体よりは確実に、丈夫でハイスペックかもしれないけど………。
それでも、あの獣人の子供が更に育った今、ハイスペックに創造ったこのハーフハイエルフの身体でも、たぶん、いや、間違いなくシルビアーナの身体の時と同じことになるのは目に見えているもの。
じゃなくって、この世界でのリアルでのご飯を食べてみたいのよ。
王宮で出されていた食事は………まぁ……それなりだったけどね。
シルビアーナへの扱いがアレだったから、特別美味しいっていう食事ではなかったわね。
たぶん、ほとんどは下級侍女のまかないのような食事だったと思うわ。
あのおぞましい呪具のセイで、意識が常にボヤッとしていし、過度のストレスのセイでブクブクと太って肥満体になっていたけど、そこまでご飯が美味しいって感じたことなかったもの。
私はテクテクと歩きながら、そんな埒も無いことを考えていた。
フォレンの街に近付くことで、じょじょにその巨大な街壁の全容を視界に納めて、私は無意識に笑っていた。
ああ、やっぱり流石、冒険者達にとっての始まりの街フォレンというだけあって、往来が多いわねぇ………。
色々なタイプの馬車がフォレンの街から出て、他の町や村、もしかしたら帝都や領都に行くのかも知れないわね。
そんなことを考えつつ、私はここ最近の残念なことに思考が戻ってしまう。




