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悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する  作者: ブラックベリィ


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201/260

201★あの時は拍手喝采したわ


作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。

設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。

感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)


主人公は、かなりマイペースです。

生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。




「そう言えば、そうね。暗殺者ギルドのメンバーってそういう性質の人間達だって書いてあったわね。だから、恐竜もどき達に見付かると、意外と鈍(にぶ)くてどん臭いから、踏まれたり蹴られたりして、コロッと簡単に死んでしまうって………」


 私がそう言えば、コウちゃんがその続きを口にする。


『そうそう………それでコロコロと何度も同じような状況で死ぬなんてコトをやらかしたみたいなんだよねぇ~………。でも、魔の山に設置されている救済システム? ソレのお陰で、HP10ポイントでなんとか生き返り………セーフティーゾーンに辿(たど)り着くまでに………死に戻りを何度も繰り返すってヤツあったでしょぉ………』


 そうよ、僅(わず)かなHPポイントで、自分の足でセーフティーゾーンに辿(たど)り着かないといけないっていうのがあったわ。


「ああ、たしかに有ったわねぇ………その地獄設定。その苦労と疲労と仲間が見付からない切なさに、そういう鬼畜な設定をした運営を恨(うら)みに恨(うら)んで、とうとう魔の山の恐竜もどき達を大量に狩りまくるって暴挙にでたって………たしかに、掲示板を一時期騒がしていたわね」


 私は頬に指先を当て、当時のネット掲示板に書かれていた内容を思い出しながら、溜息を吐く。


「暗殺ギルドメンバーになった人達に、仲間が見付からないのは………。普通の冒険者と行動すると、まず、テンポが合わないからなのよね。それに、攻撃力がいまいちで、独特の感性持ちが大半だから、なかなか会話も成立しないからなのよねぇ………。せっかく見付けた冒険者から、自分で離れて行くんだったわよね」


 コウちゃんも肩を竦(すく)めながら頷(うなず)く。


『うん、同じ感性と性質を持つメンバーに巡(めぐ)り会うまで、延々(えんえん)とあの魔の山の閉鎖空間を彷徨(さまよ)い歩くって言われていたよねぇ~………。ママってば、それ見てボヤいていたでしょ』


 ええ、そう言えば、どこのリビングデットですかぁ?って思ったわよねぇ~………。

 じゃなきゃ、ストーカー予備軍かな?


 不器用で執念深い暗殺ギルドのメンバーを思い出し、暗ぁ~く会話する私達に、ガッちゃんが、首を傾げて不思議そうに言う。


『えっとぉ………普通は、そこまで苦労するって判明(わか)ったら………その途中で、他の冒険者に無理してでも付いて行くと思いますが?』


 ガッちゃんの常識的な発言に、私とコウちゃんは顔を見合わせる。

 そして、私は、人差し指を立てて、チャッチャと左右に振り苦笑しながら言う。

 内心で、同じ経験と知識を持っていない、ガッちゃんを哀れみながら………。


「残念なことに、そういう割り切りができない集団が、暗殺ギルドのメンバーなのよ。暗殺って、短くても1週間長ければ1年がかりでチャンスを狙って………。ようするに暗殺対象の隙(すき)を狙って、ただひたすらに影や闇に沈(しず)んでいられる辛抱強(しんぼうづよ)いというか………粘着質のストーカー気質で、いつまでも待てる人達なのよ」


 私の説明に被(かぶ)せるように、コウちゃんもガッちゃんに説明する。


『うん、だから自分と同じような性格と性質を持つ仲間をひたすら待てるんだよね。まぁ………もっとも………恐竜もどきを狩り過ぎると、パーティーメンバーが見付からなくて………。たとえ、おひとり様でも始まりの街フォレンへと強制送還されるようになったんだよねぇ。そして、2度と魔の山に行けなくなるんだよぉ~………。運営の方針に真っ向から逆らったってコトでね』


 コウちゃんの説明に、ガッちゃんはちょっと考えてから聞く。


『その暗殺ギルドは潰されなかったんですか?』


 コウちゃんの説明に、更(さら)に大きく首を傾(かし)げて、不可解という顔でガッちゃんが、また、正論を言う。

 その姿を可愛いと思いながら、私は、過去の記憶を思い出す。


 魔の山のイベント攻略のために、ひたすら走り、飛び、逃げ回って、セーフティーゾーン付きのセーブポイントを求めて、彷徨(さまよ)いまくったコトを………。


 どうやったら、この魔の山からフォレンに戻れるかって、必死で考えていたわね。

 転移の魔法陣を見つけて、乗って魔力を流しても、まるっきり発動しないんだもの………。


 でも、それ以外に、ここから脱出できる方法は無いって、悲愴感たぁ~っぷりで、恐竜もどき達から逃げながら、ただひたすら走り回って調べたわねぇ~。


 あの時の私は、死んだ目をして運営を呪(のろ)っていたわね。

 でもって、絶望に染まった色をした目で、遠くを見ていたのはたしかよ。

 だから、そんな経験をした後だっただけに、運営の方針に逆らった彼らに、拍手喝采したのよ。


 だって、強制送還された後に、せっかく作ったアバターを破棄して、ゲームから1回撤退し、新しく登録しなおして、わざわざレベルを抑(おさ)えながら、わざと恐竜もどき達がいる隔離空間にはいって、まっこうから運営にケンカを売ったってコトでしょう………。


 手間と時間とお金をかけたアバターと、苦労して手に入れたアイテムも経験も課金も、ぜぇ~んぶ捨てたってコトだもの。

 それが、1回で成功したのかもわからないんだから………。


 まっ………だから、運営は、暗殺ギルドのメンバーを強制除名なんてしないのよねぇ~………。

 だって、課金しまくりのヘビーユーザー並みに、お金を使ってくれるユーザーなんですもの。




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