180★シルビアーナは、今の自分を考える
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
それに、王宮で身近に誰かが侍っている生活を私はしていましたもの。
私に視線があるのは、当然だと………そう思っていましたわ。
侍女や侍従、守護騎士達に、なにかと侍ったりする近衛の騎士達………。
あの頃の私は、カイドール辺境伯家………もとい、カイドール侯爵家でしたわね………の人間として、どんなに冷遇されていても、義務と責任を果たすためだけに、未来の皇太子妃として生きていましたものねぇ………。
人(=私に仕える人間達)の視線なんて無視して生活するのは、上級貴族としては当たり前のことでしたわ。
魔法を探知する能力があっても、そう言う意味での経験が足りなければ、たしかに気が付きませんわね。
それに、魔法をかけた人間の能力と経験のどちらかでも劣っていれば、気が付くなんて無理ですわね。
そう言う意味では、そのどちらもアルディーンお兄様よりも、私は劣っていますわね。
えぇ、理解ってはいましたけどね。
何か、がっくりしますわ。
やっと、あのおぞましい呪具の呪縛から解放され、意識がクリアなり、未来の皇太子妃という立場からも自由なって、浮かれていましたわ。
うふふふふ………今の私の立場は、未来の皇太子ですものねぇ………ひとカケラもそんなこと望んでなんていませんけどね。
それでも、このハイオシス帝国の色濃い皇統を受け継いだ血筋に産まれた者の義務ですからねぇ………。
転移させられたのを幸いに、ほんのちょっとと思い、冒険者ごっこしている間に、あの頃よりも、もっと重い立場なりましたわねぇ………本当に、困ったこと。
ラインハルトの帝王教育が終わり、成人に達して私のように冒険者になり、皇位継承者と認められるまでは………私に、本当の自由はありませんのね。
私は、このハイオシス帝国の皇帝レギオンの長女で皇太子に指名された者ですわ。
仕方がありませんわね。
皇太子としての義務と責任は、果たすべきなのです。
それが、どんなに嫌で仕方が無くても………。
それが、はからずも皇統を継ぐものとしての義務ならば………まっとうしなければならませんわね。
とは言え、お父様はまだまだ若く、直ぐに交代できる次世代を必要としていないのもまた、たしかな事実ですわ。
と、言うことで、今のシルビアーナは自由ですわよ。
騙されませんわよ。
それに、お父様も冒険者として生きて良いって、許可して下さいましたものね。
これを利用しないなんて、バカのすることですわ。
じゃ無くって……危ない危ない。
未来の皇太子妃として教育されたコトを思い出して、せっかくの前世の記憶をあやうく捨てるところでしたわ。
たしかに、シルビアーナとしてこの世界に誕生して、皇統として生きてきましたわ。
望んだことではありませんし、冷遇され続けていたのも事実ですわ。
実際の話し、その記憶はこの世界に誕生したシルビアーナにはとても重いものでしたわね。
ただ、今の私には、残念ながら庶民感覚しかありませんもの。
当然のこととして、あんな風に両親の庇護下から攫っておきながら冷遇するわ、魔力搾取されるわをされた私は、ハイオシス帝国に対しての愛着なんてモノはひとカケラも無かったりしますからね。
勿論、貴族、それも上級貴族に産まれた者としての貴族の義務なんてものを遂行しなければと言う感覚も、実は薄いのよねぇ………。
なまじ、前世を思い出しただけに、余計にそう感じるのはたしかな事実ですわ。
お父様やアルディーンお兄様が現れたセイで、一時的にそういう感覚が強くなったけど、自由への渇望と、今までの待遇(=冷遇と魔力搾取etc.)で、ノブレス・オブリージュ なんてモノは、きれいさっぱりと相殺されましたわ。
だいたい、超絶美形のお父様やアルディーンお兄様とのヤンデレ生活なんて、私には要りませんわよ。
一般庶民のオタクで、モブのアラフィフおばさんとして前世の記憶が、皇族の義務と責任を拒否していますもの。
はっ………何時の間にかまた、口調が戻ってしまっているわ。
たしかに、シルビアーナの立場を理性で理解していても、感情が追い付いていませんわ。
あの日本の陛下達のように国と国民を護るための生贄?のような生活をするなんて、私にはできないわ。
正気………と言うか、前世を思い出しちゃった私には、もう無理って言う単語しかありませんわ。
特に、身近に仕える人々の視線に晒された生活をする勇気なんてありませんわよ。
そう思ってから、シルビアーナはひとつ首を軽く振る。
いいえ、できないと言った方が正しいですわね。
そんなヘタレになってしまった私には、到底無理ですもの。
そう、もはや過去の………前世の記憶を思い出す前の私には戻れないわ。
唯々、未来の皇太子妃としての義務と責任を自覚していたあの頃の私には戻れませんわ。
また、戻りたいなど毛ほども思いませんしね。
それに、お父様達の私に対する愛情を疑ったりしませんわ。
だから、私は絶対に我がままに生きますの。
まぁ………それでも、私とて鬼ではありませんから、本当の次代が成長するまでならば、名目だけの皇太子にならなりましょう。




