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悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する  作者: ブラックベリィ


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172/222

172★現実を直視したくなくて、ちょっとゴネみました


作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。

設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。

感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)


主人公は、かなりマイペースです。

生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。




 ガッツリとお父様に現実を突きつけられて、私は思わず肩を落とす。

 やっと()た自由への未練(みれん)がタラタラのなかで、再び余計な重し(=皇太子)を背負わされそうになって、私の中に()まりに()まった鬱屈(うっくつ)(いきどお)りがブワリッと()き上がる。


 はぁ~……皇太子なんて、冗談じゃないわよっ。

 やっと自由になったのに、そんな責務を背負う義理なんてないわ。

 だいたい、ハイオシス帝国の貴族としての恩恵なんて、シルビアーナ()はほぼ受けてないのよ。


 まして、幼少期に(さら)われて王宮に連れて来られて、ほぼ監禁生活させられていたんだから………。

 まだまだ両親の庇護下で愛情を(そそ)がれながら育つ時期に、強引に両親の庇護下から引き(はが)がされたこと、お父様だって充分に理解(わか)っているはずなのに………。


 いくら、ハイオシス帝国の貴族の義務だと言われたって、納得なんてできないわ。

 おぞましい呪具(じゅぐ)()に付けさせられて、あのお花畑のお馬鹿さんがろくな魔力が無いからって、私の魔力を強制的に搾取(さくしゅ)されながら、(さげす)まれて()らしていたのよ。


 そのことを考慮したら、貴族として()たはずの恩恵なんて、思いっきりマイナスに振り切っているんだから………。

 そりゃ~………食べるモノに困ったりはしなかったけどね。

 だからって、自分の好きなモノを食べられたわけじゃないしね。


 なまじ、前世の安全と自由を知っている()としては、シルビアーナ()の血統(=皇統を色濃く引く上位貴族)と境遇(=冷遇と呪具(じゅぐ)による行動と意識の阻害(そがい)魔力搾取(まりょくさくしゅ))を対比したら、ガッツリとマイナスでしょ。


 お父様がシルビアーナ()の拒否の言葉をスルーするなら、当てこすってやる。

 少しでも父親としての愛情と良心があるなら、ちょっとは効くかしら?


「だいたい、言わせてもらえるなら、シルビアーナ()はハイオシス帝国の貴族としての義務を充分以上に()たしていたでしょっ。あんなボンクラのために、10年も魔力なしとして(さげす)まされて、自由などほぼない監禁生活していたのよ。お父様は、私を愛していないのねっ。やっぱり、一緒に暮らしていないから、(こま)としてしか見れないのね」


 (うつむ)いて、思いっきり(かな)しそうにそう言えば、お父様はビシッと固まる。

 少しはシルビアーナ()の気持ちを考慮(こうりょ)しなさいよっ。

 いくら、自分が皇帝になっちゃって、テンパってるからって、こっちにシワ寄せを寄越(よこむ)さないでよっ。


 だいたい、あのおぞましい呪具(じゅぐ)からやっと解放されて、ようやく自由になったシルビアーナ()に、皇太子の地位を持って来るなんて、それも半日程度の自由しか楽しんでいないというのに………。


 やっぱり、愛されていないってことなのかも知れないわね。

 一緒に生活して、はじめてちゃんとした愛情というモノが双方(=親と子)に育つモノだって、しみじみと実感するわ。

 そう思うと、お父様へと向ける視線は、いっそう冷えた疑い深い視線になってしまう。


 ちょっと遠巻きでこちらの様子を(うかが)っている、お父様の親友達は、あっちゃーという表情で何事(なにごと)か話し合っている。

 勿論(もちろん)シルビアーナ()の婿候補達も、こちらの反応にどう対応するか思案中のようである。


 うふふふ………予想外の反応に、困っているようね。

 少しはシルビアーナ()の気持ちを考えなさいよ。

 私には、前世の3回分の人生があるから、ある程度は妥協とかできるけど、そういうモノが無ければ、これが普通の反応のはずよ。


「シ……シルビアーナ……私はキミを愛しているよ。助け出せなかったことはすまないと思っている。それでも、皇太子は必要なのだよ……」


 言葉を探しながらそう言うお父様に、私は(さら)に追い打ちをかける。


「ちゃんと、先々代のアレクサンデル皇帝陛下から認められて、それなりに優遇されていたお父様が、皇帝の地位に着いてしまったことは、不本意でも仕様がないと(あきら)めがつくでしょうけど。ずっと不遇の中に居た私は、(あきら)めなんてつきませんわ。やっと自由になった途端(とたん)に、上位貴族としての責務なんて冗談じゃありませんわよ。後継者が、私である必要はないでしょっ………。皇太子に立つ者が成人している必要があることは理解(わか)りますが、それはそちらの事情であって、私には迷惑なだけです」


 冷然(れいぜん)と、父娘(おやこ)の情というモノを介在(かいざい)させない冷たさで、私は言い放つ。

 いや、だって、それぐらい言わないと、この後も、ズルズルとろくでもない案件がドサドサと来そうですからね。

 刺せるクギがあるなら、ちゃんと刺しておかないとですわ。

 

 私の冷たい視線に、お父様はどう反応するつもりかしらね?

 皇帝としてのゴリ押しをするなら、このシルビアーナとしての身体(からだ)を封印して、生涯トンズラしてやるわ。


 情に(うった)えるようなら、ちょっと考えてあげるけどね。

 実際の話し、当座の皇太子が必要だと言うことはシルビアーナ()もちゃんと理解(わか)っているわ。

 でも、少しぐらいゴネたいじゃない。

 (いま)まで、そんなこと一度としてできなかったんだから………。


「あのような劣悪(れつあく)境遇(きょうぐう)から助け出すことができなかった私達の愛情を、シルビアーナが(うたが)っているのは仕方がないね。それでも、キミに皇太子の地位に着いて欲しいんだ。シルビアーナ自身(じしん)の安全のためにもね」






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