167★思い起こされる過去はつらいモノばかり
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
なんで、そんな瞳をしているんです? お父様?
それに、アルディーンお兄様も、なんかとても晴れ晴れとした顔で笑っている?
どうして? 何時もは、笑っていても憂いが滲んでいたのに?
何か有ったの? う~ん想像できないわ。
ここは、羞恥心を理性で抑えて、頑張ってレギオンお父様の腕の中に飛び込むしかないわね。
虎穴にいらずんば、虎児を得ずって言うものねぇ………いや、それは違うかな?
でも、精神の安寧を考えると、ほとんど捨て身の攻撃よねぇ………はぁ~………キツイわ。
嗚呼………私のライフポイントが、ガッツリと減るわ。
それでも、情報を得るためだものっ………ガンバッ私。
私は、気合だ気合だ根性だファイト一発と心の中で叫んで、お父様の腕の中に初めて自分から飛び込みました。
デブスの重たい身体をヒョイッと抱き上げるお父様は、コウちゃんの瘦身美容によって、強制ダイエットされて痩せて軽くなった私を羽のようにふわっと抱き上げてくれました。
うぇぇぇぇ~ん………めちゃくちゃ恥ずかしいよぉぉぉ~………。
いっくら、理性と記憶で実の父親だって理解っていても………前世では、推しのひとりだったのよぉ~………。
いや、ディアーナお母様ラブのレギオンお父様は、攻略対象にはなっていなかったけどね。
コウちゃんの瘦身美容で、少し……いや、だいぶ軽くなっていたとしても………もとが、デブスの私。
いや、本来のシルビアーナの容姿のスペックはかなり高かったことは理解ってはいるわよ。
それでも、今まで置かれていた劣悪な環境で冷遇されて常に貶められていたセイで、自分の容姿が優れているって感覚はないのよぉぉぉぉぉぉ~………。
そして、現実のレギオンお父様は、物凄い美形なんですもの………想像していたよりも、めっちゃ精神的にキツイわ。
レギオンお父様の憂いがひとつも無い全開の笑顔なんて、衝撃が半端ないんですけどぉぉぉぉぉ~………。
ふわぁぁぁぁ~………目が潰れてしまいそうです………くらくらします。
眼福過ぎて、眩暈を感じている私に、お父様が話しかけてきます。
「シルビアーナ、可愛い可愛い私の姫。本当に、無事で良かった。どこも怪我していないようで、ほっとしたよ。あの【難攻不落の深淵の絶望ダンジョン】の深部に、あの小僧に送り込まれたお前が心配で心配で仕方が無かったよっ。だというのに………」
うっわぁ~………目っ…目が潰れてしまいそうですわぁ~………。
お父様が、口では何か愚痴を言ってますけど、こんなにご機嫌でにこにこと満面の笑みを浮かべている姿を見るのは本当に、胸にギュッときちゃいますわ。
そう、心筋梗塞とか、大動脈剥離とか、って物凄い痛みを感じるって言いますけど、私の今の心臓もそんな感じになっていますわね。
ええ、本当に心臓にマジでキツイわ。
だから、お父様に抱擁を解いてもらうために、私は必死で言葉を紡ぎます。
要は、心配したお父様を安心させれば良いんですもの………。
なんて思いながら、私はお父様に必死で話しかけます。
その腕の中から、解放してもらうために………。
当時のことをつぶさに思い出し、私は内心で苦笑いを浮かべてしまう。
本当は、美しくて強いレギオンお父様が大好きでたまらないのに………。
デブスで魔力がほとんど無いという劣等感から、お父様に対して可愛い反応なんてできなかったのよねぇ~………。
嗚呼…私に向かって微笑むお父様を見ると、当時のことが、幻覚のように見えて、幻聴まで聞こえてくるわ。
『シルビアーナは可愛いなぁ~………このまま攫って帰りたいよ。あの馬鹿との婚約なんて、アレクサンデル伯父上がああも熱望しなければ許さなかったものを………』
『………』
私が黙っていても、お父様は私を抱き締めてくれる。
大切だって、愛しているって、可愛いって………。
親馬鹿としか言えないお父様。
お父様に抱き締められると、私はそれでも愛されているって実感できたわ。
でも、何も言えなかった。
だって、あの時期のシルビアーナは、お父様の本当の子供なのかな?って自分でも疑っていたくらいもの。
お父様やお母様のような魔力も美しさも無いって………。
いや、魔力はあのいまわしい3点セットの呪具で、あの脳内お花畑のルドルフ皇太子へと吸い取られていたってことは、今は知っているけど………。
当時の私は………。
デブでブサイクな、デブスの私を抱き締めて『可愛い、可愛い、私の姫』というお父様の姿を見るたびに………。
宮廷の者達が、影で笑っていたコトを知っていたから………とても、哀しかった。
あのカイドール辺境伯爵が、我が子可愛さに盲目になっている、と。
あのブサイクな姫を、可愛いといい募るほどの親馬鹿に成り下がっているって………そう聞くたびに、申し訳なかったわ。
だって、私という存在がお父様の評判を、貶めているんだって思うたびに、言いようのない切なさに苛まれて落ち込んだかったわ。
ええ、本当に………アレで、あの美しいお母様とお父様の子か?
そう、嘲笑されることに耐えられなかった。
でも、そのことを口にはできなかったわ。
だって、私を可愛がってくれるのは、お父様だけだもの。




