138★ 白月の女神・愛と美の女神ビアーナ様はキツかった 〔sideレギオン〕
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
「そんなヤムートを祖国とする始祖達は、妥協してこの不文律を作ったのだと思う。故に、この不文律を破るコトをしたくないし、できない」
そう断言してから、私はシルビアーナへの求婚者達を見回して、ほんの少し妥協した言葉を口にする。
制約の女神・復讐と断罪の女神レジナージア様や契約の女神・信頼と誠実の女神ソルトレーナ様の制約や誓約をさせるためだ、けしてこれは虚言ではない。
なにせ、アルディーンは既に制約と誓約のどちらも済ませているからな。
ただ、もしも万が一にも、本当にこいつ等(=他国の皇太子や王太子、その他の皇子や王子)の中から、シルビアーナが愛しい夫として選ぶ者が居た場合の対策は必要だ。
無策のまま放置は絶対にできないから、これもしょうがないことだ。
シルビアーナ自身のためにも……帝国のためにも………ここはどんな手を使ってでも、制約や誓約をさせるのが最善だろう。
しない者は問題外で………万が一を考えて、制約や誓約をしなかった者は暗殺してしまうのも手かもしれないな。
キケンな芽は摘むしかないからな。
「………が、もし、万が一…シルビアーナと貴方達が出会い、恋に落ち、シルビアーナが皇位継承権を捨てると宣言するならば………。不文律により、他国に嫁がせることはできないので、我が帝国の中に、新たな伯爵家を作っても良いと思っている。まぁ………全ては、シルビアーナ次第だがな」
私からようやく引き出した妥協の言葉に、シルビアーナへの求婚者達は面白いぐらい顕著に身を乗り出して言う。
「「「「「「「「「「本当ですか?」」」」」」」」」」
くすくす………投げたエサに、すかさず食いついたようだな。
散々、冷たく突き放してから、ちょっと親切にすると人間は懐くと、始祖達の著した本に書いてあった通りだな。
始祖達が残した不文律という免罪符でガッツリと突っぱねた後に、シルビアーナが恋したならと、不文律の一部を緩めた途端にちゃぁ~んと飛び付いてくれたのは良かった。
これで、キケンな芽を摘むという作業(=暗殺)はいらなくなりそうだからな。
私は内心で嗤いながら、シルビアーナの自由を妨げないという制約と誓約するよな?と私は言う。
「ああ、勿論だ。ただし、アルディーンと同じように、制約の女神・復讐と断罪の女神レジナージア様と制約を、契約の女神ソルトレーナ様とは誓約をしてもらうが………キミ達は、どうする? アルディーンは既に、自ら制約と誓約を済ませているぞ」
そう言えば、こやつ等は素直に私の提案に乗ってくれた。
やはり、散々ダメだしして置いてからの、望みを叶えようという誘いは抗えなかったようだな。
後は、いくつかの制約をするだけだ。
いっそ、白月の女神ビアーナ様に、シルビアーナの美貌を隠してもらおうか?
それとも、裏切りと復讐の女神アズリアーナ様に、シルビアーナを心底から愛してい無い求婚者達には、その姿が、以前の醜かったシルビアーナに見えるようにしてもらおうか?
いや、全ての男に、シルビアーナの姿を醜いままにしてもらおう。
などと考えていたら、ルトに後頭部を殴られる。
あまりの痛さに、思わず私は涙目でルトをジッと見詰める。
「…? …? …」
じと目の私に、ルトが呆れ顔で口を開く。
「レギオン…お前、気付いてないようだけど、今な……口から本音がボロボロと出ていたぞ」
ルトは、いったい何に怒っているんだ?
それって、私は、口に出していたのか?
思わずルトに聞いてしまう。
「何が?」
「可愛いシルビアーナちゃんの姿を、白月の女神・愛と美を司るビアーナ様に隠してもらおうとか、裏切りと復讐の女神アズリアーナ様にシルビアーナちゃんを心から愛していない求婚者達に醜い姿に見えるようにしてもらおうなんて、ろくでも無さ過ぎるぞ。女神様達か面白がって、本当にシルビアーナちゃんを、元の姿にしたらどうするんだ」
ルトの私の耳に囁くような発言に、私は苦笑してしまう。
たしかに、私の言動を女神様達は面白がって………いたかもしれない(汗)。
シルビアーナが呪具を着けていた頃の、色彩のはっきりしない無い髪と瞳、顔立ちも太っているために判別らない状態にされてしまうかもしれない。
たしかに、不用意な発言だが、私の偽り無い本音でもある。
いっそ、女神様に願ってしまおうか?
私は、つい、本音を小さな声で口にする。
「白月の女神、愛と美を司りし女神ビアーナ様。我が娘シルビアーナを新月闇の月のように真実の姿を隠して欲しいと願ってもよろしいですか?」
私の発言に、ルトは呆れ顔になったが何も言わなかった。
私の前にいたアルディーンは、微笑んでいるだけだ。
悍ましい呪具によって美しさも魔力も奪われていたシルビアーナを、そのまま愛していたアルディーンには何の意味も無い願いだったな。
などと思っていた私に、その声と内容が届いたのは、どんでもない衝撃的だった。
『私が司っているのは、美しくなりたいと願い努力する者に祝福を与えるものであり、また、愛する人を得るために心から愛を叫ぶ者に加護を与えるものなの。だから、愛する心を無くさせるための願いに助力するコトはできないわ、無理よ、レギオン。あの姿でも、愛らしいシルビアーナは、愛を捧げられていたのよ、その事実を忘れないで、貴方の父親としての気持ち故の願いだったとして、その祈願を罪には問いません。以後、2度とこのような馬鹿な願いは口にしないこと。わかったわね?』




