136★不文律が効かないなら、神との制約しかないな 〔sideレギオン〕
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
どうやら、アルディア王より先に亡くなった王太子が聖女に授けた魂珠とは、その立太子式での継承の劣化版のようなモノだったらしい。
それでも、聖女に自分が受け継いだモノを継承させられて、嬉しかったのだろうな、王太子殿は。
アルディア王は、勇者と聖女との間に王子が生まれたのを見てから、さほど経たずに安心して逝ったという。
たぶん、自分が魔法式を授けた勇者と、亡くなった王太子が授けた魂珠からの魔法式が、産まれたばかりの王子にちゃんと継承されたことを見届けてホッとしたのだろうな。
ただ、次代のできはかなり微妙だったようだがな………。
子育てって大変だと思う……いや、本当にね。
あの聡明で公正なアレクサンデル伯父上と慈愛と誠実のセレナーデ伯母上の唯一の嫡子がブランデルだというのに………。
ブランデルしかり、その息子のルドルフしかり、そして、ソレスト王国の王太子しかり、アルビナ帝国の皇太子しかり、世継ぎと生まれながらに決まっている者は、どうも傲岸不遜で自制心に欠け、偏狭的で狭量になるらしいな。
それはさておき、亡きアレクサンデル伯父上が、本来なら嫡子のブランデルだけに伝えるはずの口伝を、私にまで伝えたのは、たぶんに保険だったのだろう。
まさか、本当に………いや、もしかしたら、亡きセレナーデ伯母上の先見による助言を受けていたのかもしれないな。
それでも、自分の息子を信じていたのだろう………不憫な。
じゃなくて………はぁ~………今一番の悩みどころは、シルビアーナが世間知らずの娘だということだ。
しかも、短い人生の大半を、あのお花畑の大馬鹿者のセイで、常日頃、醜いと陰口………いや、堂々と言う輩も居たな………を叩かれて育っている。
だから、神獣と契約したことで、自分の容姿が美しく本来の姿へと立ち戻っているという自覚はまず無いだろう。
それに、アルディーンやレオンハルトとの極僅かな交流しか無かっただろうから、本当の意味で、男と付き合ったコトなぞ無い娘だ。
ついでに、同姓の友人も持ったことも無いのは、調べ済みだ。
(注・レギオンはシルビアーナが本来の容姿に戻ったのは、2頭の神獣と契約したコトによるモノと思っている。実際には、コウちゃんの痩身美容によるモノだが、ある意味では当たらずも遠からずである)
可哀想なシルビアーナは、人に対する警戒心があるだろう。
ただ他人を、どう警戒すれば良いかは知らないと思う。
あの子は、他人と些細な交渉もほとんどない無い生活をしていたようだからな。
セレナーデ伯母上が、一番関わった時間が長いかもしれない。
一時的に近衛騎士の双子の次男と三男、たしか名前がロムルスとレムルスだったかな?
あのユールベーナ侯爵家の脳筋コンビが、しばらくシルビアーナの護衛騎士をしていたのは知っている。
ただ、残念なのが、完全な脳筋なので、恋愛とかの気配は微塵も無かったことだろうがな。
後で話しを聞いたら、いかに私の娘が姿や形に寄らず、私の血筋を色濃く引いて、武器全般の習得に優れていたかという話ししか聞けなかったからな。
アルディーンとレオンハルトは、ひたすらお菓子とか貢いでいただけのようだしなぁ………はぁ~………。
だから、たぶんに、その辺り(=恋愛感情や男の劣情)のことは、全く理解らないだろうなぁ………嗚呼、困った。
シルビアーナの美貌にクラクラした者達が言い寄っても、なぜ自分に言い寄って来ているのかが理解らないだろうなぁ~………。
まして、ずっと寂しい思いをしてきたから………。
シルビアーナは、人とのかかわりに飢えているだろうことは予想に難くない。
親切にされると、すぐに油断するだろうことは容易に想像できてしまう。
下手をしたら人買いに攫われたり、勝手に売られたりする可能性もある。
もっとも、忌まわしい呪具から解放された、今の魔力ならば、攫われたと自覚すれば簡単に逃げるコトも、戦うこともできるだろうから、そこまで心配はしないが………。
それに、こやつ等をなんの制約もしないまま放置すれば、シルビアーナを攫って閉じ込める可能性がある。
本当なら、私達夫婦が認めるアルディーンに、婚姻の確約を与えてやりたかったのだがなぁ………。
こんな状況下では、アルディーンだけを優遇することはできん。
許せ、アルディーンよ。
私はシルビアーナの自由をなんとしても確保してやりたいのだ。
ふふふふ………ここは、ひとつ彼等にもしっかりとした約定をさせるしかないかな?
正式に婚姻できる可能性を僅かでも残しておけば、強引な手段に出ることはないだろう………たぶん。
ただし、他国へ嫁がせたりはしないぞ………それだけは、できない。
始祖達の定めた不文律のこともあるし、ハイオシス帝国の純度の高い始祖達の血筋を外に出すわけにはいかないからな。
そうなると………ふむ………。
もしも、まかり間違ってシルビアーナが他国の王子や皇子を選んだ時ように、ここは不文律の影響が無い伯爵家を作ればよいのかな?
他国者の皇族の血統と婚姻するなら、それは仕方が無いことだからな。
もっとも、シルビアーナが、こいつ等の誰かと恋に落ちたらの話しだがな。
良し、シルビアーナとの結婚をエサに、求婚者達の全員に|約定させてやる。
彼等との不毛なやりとりの中で、私はシルビアーナを守るための策を口にする。




