135★勇者と聖女が不文律を含む残した数々のモノ 〔sideレギオン〕
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
当時、勇者と聖女の側近になった者達は、きっとその政策の意味を理解することに苦労しただろうな。
だが、今の私達があるのは、召喚された勇者と聖女、そして、それを支えたこちらの世界の者達のお陰だろう。
平民は、読み書きと算術を習い、優秀だったら、書記官や兵士などの学校に通うという道が開かれるようになった。
また、どの村にも学校と図書館があるので、みな無償で読める本を楽しむ。
国民の識字率の高さが、国の豊かさに正比例するのはたしかな事実だ。
ヤムートでは、耳が聞こえなくても手話というモノがあったと書かれていた。
同様に、目が見えない者には、点字というモノがあり、それで知識の共有をしていたようだ。
国力を基礎から高めるためには、国民の識字率の高さが必要だったという証明だろうな。
きっと、始祖の指示に従うために、当時の者達は財政の捻出に苦しんだことだろう。
お陰で、我が帝国は、他国との戦争が起きた時、常雇いの兵士や騎士が足りなくなった時に、平民を招集すると文句も言わずに直ぐに集まる。
我がハイオシス帝国以外の他国では、平民の出世は非常に難しい。
ほぼ生まれた地位からの立身は皆無と言って良い。
勿論、他国では読み書きを覚えることすらできないと言うことを、民達はみんな知っている。
いや、そういうモノであると、商人達が自主的に触れ回ったようだ。
他国との交流で、いかに我がハイオシス帝国が豊かで安全な国であるかと言うことを、商人達自身が身を持って知ったことを、買い物客との交流で、常に情報共有している。
だから、我がハイオシス帝国の民達は他国の支配を嫌がる、その先に待つモノが理解っているだけに………。
知識を得ると言うことは、そう言う意味でも自衛に繋がるのだ。
読み書きと共に知識を与えることで、自分達の国がいかに豊かで、治安の保たれて安全な国かを知ることができる。
そうしてハイオシス帝国が、自分達に優しい国であることを知っているからこそ、護るための戦いを厭わない。
始祖の言う通り、教育は国を根底から豊かにする最も効率の良い方法なのだろう。
そんな始祖の残した不文律を、我等は破ったり破棄したりはしない。
それ故に、シルビアーナは他国者と婚姻できないのだが………。
絶大な魔力と美貌と高貴な2つの血筋に目がくらんだ者達は、その不文律の大切さを全く理解する気がないようだ。
本当に、自分の欲望だけに忠実で始末に負えない。
ちょっとイライラしながらも、私は始祖から伝わる教訓の説明を続ける。
「ヤムートでは、国民全てが読み書きできるように教育したそうだ。その知識を元に優秀な人材を育成し、2度の世界大戦に参戦し、1度は負けたが、その後しっかりと復興し、世界第2位の経済大国にまでなったそうだ。勿論、海軍力でも、世界第2位だったと、誇らしげに書いてあった。そして、1600年を越えて存続する皇室は、ヤムートしかなかったとな」
私達は、その始祖からの知識と教訓から来る、不文律を護っていると言う意味で言ったのだが………。
「たしかに、異世界の話しですね。でも、それが、他国の王族との婚姻を拒む理由にならないと思います」
やっぱり、不文律の意味を理解していないようだな。
いや、自分達のあさましい要求を否定するモノ=【不文律】としてその意義と意味を認める気がないだけか………。
もう、その部分で既に、シルビアーナの夫候補から選定外に弾かれるのだがなぁ。
彼等は、何としても難癖つけてでも、皇位継承権を持ったシルビアーナと婚姻したいんだな。
我が帝国は、強力な魔法………異世界召喚を古代帝国の末裔アルディア王国より継承している。
この召喚魔法は、我が帝国以外に伝わってはいない。
召喚魔法は、創造主の直接の子である、古太陽神ソレストの作った魔法だったから………。
ソレを伝えたのは【狂いし神子】を封じてある、難攻不落の深淵の絶望ダンジョンが、ここにあるからだった。
確実に、ダンジョンから、魔物のスタンピートと大量発生、そして魔王の出現があるから与えられた、召喚魔法だ。
そして、元々ここは、アルディア王国という、古い王家だった。
我が始祖を召喚した時、アルディアの王は既に高齢で、王家の血を引く者は、その時既に、今にも死にそうな王太子とアルディア王しかいなかったと記録されている。
そこで、高齢のアルディア王は、勇者と聖女を正式に養子にして、2人にアルディア王国を譲ると約定した。
魔王や魔物討伐を、自分(=アルディア王)も瀕死の王太子ができないから………と。
2人が魔王の討伐と大地の浄化を終えて帰還したとき、瀕死の王太子は最後の生命力を振り絞って、聖女に自分が受け継いだ魔術式を込めた魂珠を手渡して、ホッとしたように微笑って逝ったそうだ。
そこで、アルディア王は正式に勇者を王太子に指名し、立太子式を行った。
その立太子式とは、アルディア王が持つ幾多の魔法式を継承させるための儀式のひとつだったらしい。
だから、アルディア王は自分の血筋を引かない勇者に自らが有する魔法式を継承させるために、今は深き眠りの園へと降り立った古太陽神ソレスト様に祈願して、自ら魂の一部を分割して譲渡したと口伝で教えられた。




