132★ハイオシス帝国の帝位には不文律がある
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
そんなアルディーンに、私は大きく頷いて、シルビアーナの自由を護るための言葉を口にする。
「そこで、今は亡き伯母上セレナーデ皇太后の先見を真実とさせないために、ここで誓いを立ててもらう」
さぁ………アルディーン、シルビアーナの自由を約束する誓約を宣言しておくれ、長く理不尽な理由でほぼ幽閉されていた、可哀想なあの子のために………。
「はい。私は、シルビアーナを監禁したり拘束したりする気持ちなど、ひとかけらもありません。あのおぞましい呪具と廃皇太子のために、長い間ずっと不自由な生活をしていたのだから、自由に生きていけるように手を添えたいと思います」
アルディーンは、私の望んだ言葉を口にして笑ってみせる。
その宣言に、私は大きく頷く。
「流石は、愛妻家ルトの息子、私は、お前に契約の女神ソルトレーナに誓って欲しいのだ。我が娘シルビアーナの意に染まない行為をしないと」
さて、アルディーンはちゃんと誓約してくれるかな?
「わかりました。契約の女神・信頼と誠実のソルトレーナ様に誓って誓約いたします。その代わり、私との婚約をここで正式に宣言して頂きたいのです。ここで宣言いただけるならば、制約の女神・復讐と断罪の女神レジナージア様にも、シルビアーナをけして束縛しない、傷付けない、悲しませないと制約しましょう………」
おやおや、しっかりしている。
自分から制約の女神・復讐と断罪の女神レジナージア様の御名を口にするとは…………。
ふふふふ………せめて、私からの言質が欲しいというところだろうな。
まぁ…本来なら、アルディーンが婚約者だったのだから、認めるのはやぶさかではないしな。
自分から、シルビアーナの自由を約束する誓約と制約を口するなど、なかなかできることじゃない。
うん………流石、私とディアーナがともに認めるシルビアーナの婚約者殿だ。
うむうむと良い気分でアルディーンからの言葉を聞いている私に、他国者の皇太子が口を挟んで来る。
「カイドール侯爵レギオン殿、私とシルビアーナ姫の婚姻は………」
私は、それが誰かを認識し、ふっと笑って最後まで喋らせないようにと、拒否の言葉を被せるようにして、ばっさりと言い放つ。
「アルビナ帝国の皇太子殿とシルビアーナの婚姻は不可能です」
断言した私に、一瞬絶句するが、それでも食い下がって来る。
「どうして?」
その問いかけを幸いと思い、私はシルビアーナが他国者との婚姻をしない理由を突き付けることにした。
「我がハイオシス帝国皇室の皇位継承権者は少ないのですよ。先代皇帝の皇后であり、現皇帝の母でもあるセレナーデ伯母上の告発により、親殺しの嫌疑がかったブランデルは皇帝の座から降ります。そして、次の帝位につくのは、私、レギオン・カイドールしかいないのです」
堂々と言い放つ私に、それはおかしいという表情で言う。
「第2皇子がいるのにですか?」
その不躾な質問に、私は嗤って答えてやる。
「第2皇子は、側室の皇子です。その側室には、皇室の血が流れていません。故に、継承権は、先代皇帝の皇妹の息子である私、その次にシルビアーナ、ラインハルト、レオンハルトの順位になります。我が国では、成人している皇位継承者が優先されるんですよ。まして、皇太后セレナーデ様の遺言もありますから………」
私の言葉に、パーティー会場に集まっていた者達がザワつく。
ことの重大性を理解した者達がざわめく。
「まさか、シルビアーナ姫が………」
他国の大使だろう男の言葉に、私は溜め息を噛み殺して、大きく頷いて言い放つ。
「ええ、本人が望むなら女帝になれます。そんな者を他国に嫁がせることはできません。シルビアーナの夫は、国内の貴族のみに絞られます」
そう断言しても、諦めきれないのか食い下がってくる。
「では、皇太子では無い私ならば………」
私は、余分なゴミ(=他国の皇子や王子)を排除するために、国内の上位貴族の間での不文律を口にする。
「ハイオシス帝国の皇帝には、皇位継承者に不文律の約定があります。それは、2代続けて他国の姫が生んだ皇子を、皇帝にしてはならないというモノだ。ただし、皇位継承権を持つ姫が皇后となるならば、皇位継承を許されるともある。ちなみに、セレナーデ伯母上は、他国から嫁した姫でした。だから、ルドルフが皇太子として認められていたのは、シルビアーナの皇位継承権のお陰だったんだ。故に婚約破棄と同時に、あの履き違えた大馬鹿者は|廃皇太子となった。これは当然の処置なんですよ。不文律を護れない者は皇位に着けない」
我がハイオシス帝国の帝位について、なんの権威もない部外者に口を挟ませないために、私はほぼ一息にそう説明した。
「うっ」
最後まで食い下がっていたアルビナ帝国の皇太子は、言葉を詰まらせる。
余計な思考を巡らせて、悪足掻きのような発言をされる前に、私はしめくくる。
「わかっていただけたようですね。ですから、王配は、この国の人間でなければならないんですよ。シルビアーナの母ディアーナは、ソレントの王女でしたから………」




