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悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する  作者: ブラックベリィ


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115/147

115★ソルス・エル・ピーシェを食べてみよう


作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。

設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。

感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)


主人公は、かなりマイペースです。

生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。




 私は、魔物()けの結界として()えられているソルス・エル・ピーシェの大樹を見上げで、つい微笑(ほほえ)みが(こぼ)れ落ちてしまう。


 良かった………きちんと、実がなっているわ。

 それも、充分(じゅうぶん)(じゅく)したとわかる紅い色の付いた実があるわ。

 そこでさっそく、私は、楽しみにしていたソルス・エル・ピーシェを、規定に(したが)って3個()りにかかった。


 1個目をもいだ時に、ふと美味しくなかったらどうしましょう?と思った私は、とりあえず1個だけを手にした。

 本当に、私って小心者(しょうしんもの)だわぁ。


 何故(なぜ)1個にしたかと言えば、たとえ美味しくなくても、食べないモノを()るのは良くないことだと思ったからである。

 そして、しみじみと思う。


 ああ、本当に私って日本人だわぁ………。

 いや、前世の記憶が強くなって、もったいない精神が出てきてしまったらしいわね。


 私は、良く()れていると(わか)(あか)いソルス・エル・ピーシェを手に、ふっと無意識に笑う。


 うふっ……天使シリーズを()に着けていて良かったわぁ~………。

 特にマントは、飛びたいって意識すれば、空を飛べるモノなんですもの………くすくす。

 子供の(ころ)の空を鳥のように自由に飛びたいって、夢がこんな異世界に来て(かな)うなんてねぇ………。

 人生ってほんとぉ~に…わからないものねぇ………。


 うふふふふ……そして、ゲームで登場していた果物を実際に食べられるなんて感動モノね。

 前世で食べた遺伝子改良で作られたソルス・エル・ピーシェと、今世(こんせ)の本物のソルス・エル・ピーシェはどのくらい似ていて、どのくらい違うのかしらねぇ?


 まずは、見た目と香りを楽しみましょうかしら?


 思わず、犬の気分でソルス・エル・ピーシェを鼻先へと近づけて、クンクンしてしまう。

 その鼻腔(びくう)に、甘く()れた桃特有の香りが広がる。


 はぁ~……良い香りだわぁ~…ソルス・エル・ピーシェって、見た目も香りも、大好きだった桃そのものね。

 レイパレ(R18)ユーザーのみが通販できる、期間限定おひとり様3個入りひとパックのソルス・エル・ピーシェと同じくらい美味しいのかしら?


 アレはお値段(ねだん)がとっても痛かったけど、ハズレなしでほんとぉ~に美味しかったのよねぇ~………。

 ただし、おひとり様3個入りひとパックしか購入できなかった限定品だったのよ。


 でも、後で知ったんだけど、期間限定って言っていたんだけど、先着順で後から通販を申し込んだレイパレ(R18)ユーザーでも買えなかった人が結構(けっこう)いたみたいだったわね。


 私もちょくちょく見ていた掲示板(=(おも)に攻略に()まったりした時に見ていた)に、結構(けっこう)どころじゃなくそう言うコメントが入っていたもの。


 それはさておき、前世では、生の桃は時期モノだったのよねぇ………。

 桃の育成期間中に、強風や豪雨なんてモノを食らったら、生産も出荷もガタッと減るのよねぇ~桃って………。

 だから、桃の(しゅん)になったら、お財布が痛くても食べたわねぇ………。


 ただ、普通にお店で売られている見た目良し、香り良しでも、たまぁーにハズレ引くことあったわねぇ………。

 高いお金をだして買ったのに、(しぶ)みが強くて甘くない桃もあるのよねぇ。


 じゃなくて、手にしたこのソルス・エル・ピーシェがハズレじゃありませんように………。

 そう、ちょっと心の中で(いの)る。


 この世界に、農薬なんてモノは無いけど、一応は水魔法のミストをかけて洗いましょうか。

 せっかくだから、丸齧(まるかじ)りしたいしね。


 私は、夏のうだるような暑さの中で味わった、あのミストシャワーを思い浮かべて、魔力をほんの少し放出してみた。


 うふっ………実験は成功して、私の周りには、ひんやりしたミストシャワーがふわっと(あた)一面(いちめん)()りてきた。

 その中に、たった(いま)もいだソルス・エル・ピーシェを差し出して、軽く洗い流す。


 魔力の放出をやめるとミストシャワーは、静かに止まる。

 私は、()れてより瑞々(みずみず)しくなったソルス・エル・ピーシェを一口齧(ひとくちかじ)ってみた。


 勿論(もちろん)、皮ごとね。

 果物は皮と実の間が1番甘いって聞いていたし、実際にそうだから………。


 結果は……本当に瑞々(みずみず)しく甘くて、そこにほのかな酸味がまじり、とぉ~っても美味しかったわ。

 だから、私は、規定の残りの2個を()り、インベントリの中にソッと丁寧(ていねい)にしまう。


 コウちゃんとガッちゃんも、興味津々でソルス・エル・ピーシェを食べて小首(こくび)(かし)げていた。


 フム………コウちゃんとガッちゃんには、そこまで美味しいモノって感じなかったのかな?

 この世界の食べ物なので、そこそこの魔力はあるかも知れないけど、2人が喜ぶほどではなかったのかもしれないわね。


 そんなことを考えつつ、気分的にも人心地(ひとごこち)ついた私は、そこでやっと(みょう)な違和感を感じ、無意識に小首(こくび)(かし)げた。


 私は、私が感じている、そのなんとも言えない違和感の原因を探そうと、ゆっくりと(あた)りを見回す。

 そして、私はようやくその異常さに気付いた。


 私が感じた違和感とは、ソルス・エル・ピーシェの果実がたわわに実っていることだった。

 それも、かなり(じゅく)した甘い香りを放つ果実が、もがれることもなく実ったままなのだ。


 そう言えば、ゲームの中でさえ、こんなにソルス・エル・ピーシェの果実がたわわに実っている光景なんて見たコトが無かったわ。

 ………って、これが私が感じた違和感の原因ね。


 そういえば、この村があるかどうかを、ガッちゃんに()てもらった時、かなり(さび)れているって言っていたわね。

 もしかして、私が予想していた以上に、ソルス・ロス・エンダ村って(さび)れていたりするかも………。


 あの難攻不落の深淵(しんえん)の絶望ダンジョンから、コウちゃんとガッちゃんと共に脱出して、魔物討伐(とうばつ)しながら、人の住む村に辿(たど)り付いたという事実に、うきうきしていた私だけど………。

 もしかして、あまり良い状況(じょうきょう)じゃないってコト?


 不安に思いつつも、私は、冒険者登録をする為に、ソルス・ロス・エンダ村へと足を()み入れることにした。

 そして、私が想像していなかった、予想外の出来事(できごと)遭遇(そうぐう)することになるのだった。





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