105★シルビアーナは昔を思い出す
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
「うふふふ………あの頃は大変だったなぁ~………この軽い身体じゃなくて、ストレスで太った、重いたぷんてぷんの身体だったから……それなのに………」
思い出すわ……見掛けだけは綺麗で優しげなアレンとアランの双子の護衛騎士達。
その他の近衛騎士達も、見かけは綺麗でも中身はサドばっかりだったなぁ~……。
思わず、遠い日を思い出す。
あれは、ほんの子供の頃。
皇太后陛下が、私の護衛騎士を任命したばかりの直後くらいだったかしらね。
私の元にやって来たのは、見目麗しい双子の近衛騎士だったわ。
ええ、ほんとぉ~に見目は良い者だったわよ、そう見目はね。
性格はドSで、お父様を崇拝している完全な脳筋さんでしたけどね。
言動の端々に、そう言うニュアンスや言葉が見られた者。
ちなみに、どちらが兄でどちらが弟かは、些細なことだと言って、絶対に教えてはくれなかったわね。
たしかに、そっくりの近衛騎士達だったから………普通には、見分け付かないでしょうしね。
今考えても、ティアラ(=認識阻害)やピアス(=意識阻害)のセイもあって、はっきりと認識できないままだったわね。
まして、近衛騎士の金と白の制服に個性は無く、あの2人を見分けることは極めて困難だったわねぇ………。
2人とも、水と光の属性持ちで、それを表現すように、銀髪は青みを帯びていたし、瞳は、深い水底の紺碧色で、透き通るように白い肌をしていたわ。
そうそう、毎日訓練に明け暮れる騎士なのに………って、肌の白さで何度もそう思ったけ………。
ユールベーナ侯爵の次男と三男だと、他の護衛騎士から聞いたなぁ~……。
そんな彼等は、私をドレスのまま庭に引き出すと、腰に佩いた剣をスラリと抜いて私に向けてにっこりと笑って言ったわね。
『姫、剣を向けられて、どんな感じがしますか?』
初対面の私に、剣先を向けてよ。
当時の私は今は亡き皇太后陛下以外の庇護者の居ない状態で、常に心細かったわ。
そんな孤独な子供だったので、眼前に剣先を向けられて、目に涙を溜めて必死で答えるしかなかったわ。
ほんとぉぉ~に、子供心にも怖かったモノ。
だから、皇族の血を引く姫としての誇りも見栄も無く、怯える心のままに素直に震える声で一生懸命に答えたわ。
『怖いわ』
そんな私に、彼等は優しく笑って言ったわ。
『姫様、武器を向けられただけで、怯えてはなりません』
いや、剣先向けられて怯えるなって言うのは、無理じゃない。
まして、頼れる者などお祖母様ただひとりしかいないという、不安定な環境に居たんだから………。
ほんとぉ~に、今更だけど、あの人達って脳筋だったわよねぇ………。
そんな寄る辺もない子供のシルビアーナに、いっくら優しい声で言ったって、恐怖心は拭えなかったわ。
はぁ~……ほっんとぉぉ~に、脳筋ってそういう意味では幼い子供の心情なんておかまいなしなのよねぇ………。
だいたい、刃物………それも剣先を向けて怯えるなっていうのは無理あるんですけどね。
だって、お祖母様が手配した近衛騎士だって理解っていても、信用も信頼も無い存在に剣先を向けられたんだもの。
このまま嬲り殺されるのかもって、脳裏に過ぎったわよ。
お祖母様が居ない時を見計らって、あの脳内お花畑と皇后がセット、または単独で来て、私を蔑み叱責しに来たことが何度もあったから………。
だから、心から怖くて怖くて、震えながら気持ちを口にするしかなかったのよねぇ………。
『でも、怖いの』
そんな私に、双子の近衛騎士は、教え諭すような口調で言ったわ。
『怯えたり、怖がったりすれば、身体が竦んで動けなくなります』
いや、いくらお祖母様が手配したと理解っていても、見知らぬ双子の近衛騎士は私にとって恐怖の対象でしかなかったのよねぇ………。
まして、呪具のセイで色々と制御されていたし、ティアラに付与された認識阻害にピアスの意識阻害のセイで、精神バランスもだいぶ悪かったはずなのよねぇ………。
感情からして制御されていてもなお、恐怖感があったのだから通常状態だったらパニックになっていたでしょう。
それでも、ちゃんと答えられていたシルビアーナの精神は強かったんでしょう。
『だって、怖くて動けないわ』
剣先に怯える私に、双子の近衛騎士は言葉を重ねる。
『しかし、姫様、姫様が武器を向けられて怯えて動けなくなりますと、我々が姫様を抱えて走る必要があります』
そう言われて、当時のシルビアーナは思わず首を傾げてしまったわ。
姫様って私のことよね? 私を抱えるの?
こんなビア墫のような私を?
『あっ…うん』
私を守護ってくれるの? 本当に?
ブランデル皇帝陛下やアデリーヌ皇后、婚約者のはずのルドルフ皇太子からの私への態度と扱いの悪さから、侍女ですら私を軽んじていい加減でぞんざいな扱いしかしないのに?
そなん風にぼんやりと思う私に、双子は言葉を続ける。
ちなみに、どっちがどっちだかは全然判別らなかったわねぇ………はぁ~……。
そんな双子に言われたのよねぇ………。




