104★風の精霊さんて、もしかしてチョロイ?
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
あの子を蘇生させて、連れて歩けば良いのよ。
そうすれば、冒険者仲間が居なくても、単独で冒険者をなんとかできるはず。
じゃなくて、今はさっさとソルス・ロス・エンダ村に行って、冒険者登録しないとね。
そして、安全で高額な魔物の居場所を聞き出して………。
なんて、ちょっと現実逃避していた私に、コウちゃんが言う。
『確実な対処法があるんだよ。ママも、ちょっと考えてみれば………』
なんて簡単に言うけど、今はそんな余裕ないのよ。
単独で魔物………それも致死率がめっちゃ高いローズスネークのブラックだけじゃなく、他色多頭………を討伐はキツイのよ。
いや、たしかにコウちゃんとガッちゃんは居るけどね。
残念なことに、ふたりとも回復系じゃないのよねぇ………はぁ~……。
だから、できれば今は極力回避したい魔物なのよ、ローズスネーク系は。
とは言っても、サーチした様子からすると、いやぁ~んなことに、真っ直ぐにこっちに向かって来ているのよねぇ。
本当に、勘弁して欲しいわ。
そうは思っても、向こうの移動速度がねぇ。
私の想定よりもだいぶ早いから回避不可能かぁ~……はぁ~……。
もう、こうなったら逃げようがないわねぇ………。
やるっきゃないかぁ………腹括るしかないわね。
「はぁ~……考えている余裕なんて無いわね。教えてコウちゃん」
私の言葉に、コウちゃんがニマッと笑って言う。
『精霊達に、風の結界を張ってってお願いすれば良いんだよぉ~』
あっさりと、コウちゃんは答えてくれたけどねぇ………。
そうですか、精霊さんに頼めば大丈夫ってことかぁ。
この場合、お礼って、歌で良かったんだっけ?
他に、何が報酬になったかしら?
でも、それもちょっと怖いのよねぇ………。
下手に精霊と取り引きするとキケンだもの。
「そんなコトして、どんな対価を要求されるかわからないでしょ…無理よ。だいたい、契約していないし………」
と、私が精霊に依頼することに躊躇うと、コウちゃんが笑って言い放つ。
『平気だよぉ~……風の精霊シルフィードって呼びかけて、ママの知っている、前世での日本の歌を歌ってあげるって言えば良いの。だって、こっちでなら2つと無い歌だからね』
そうコウちゃんに言われてハッとする。
あっ…そっか…たしかにね……こっちには無いわね、日本の歌って………。
って言うか、本当に歌で良いんだ。
「本当に、それで良いの? なんか安いような?」
前世持ちの私としては、日本の日常に聞こえて来ていた歌が対価になるほどとは思えなかった。
が、コウちゃんはケロッと言う。
『高いよ。異世界の歌だもの』
そう言われても、やっと明確な意識と身体の自由を取り戻した現状の私には、かなりハードルが高かった。
「でも、今、緊張しすぎて歌うの無理っぽいわ」
はぁ~困ったと呟けば………。
『後でも、良いよぉ~シルビアーナ。だから、いっぱい歌ってねぇ~』
はい、風の精霊さんは、私の側に居て、声をかけるタイミングを狙っていたようです。
もう、それで良いなら、風の精霊さんにお願いしちゃおう。
幸いなことに、前世では色々な歌が巷に溢れていましたからね。
なんとかなるっしょ。
「あっ…はい…よろしくお願いします」
そう言ったら、何時の間にかたぁ~くさんの風の精霊さんが私の周囲に居ました。
『うふふふ楽しみだねぇ~』
『私達しか知らない歌………最初に聞けるのは…私達だけ』
『嬉しいのぉ~』
『シルビアーナ……契約しようねぇ~』
『契約したら、シルビアーナのお願いは、何でも聞いてあげるからねぇ~』
『シルビアーナ、大好きよぉ~…楽しい、面白い、可愛い、綺麗、神子の契約者。私達のものなの。人間には上げないの』
と、集まって来ていた風の精霊さん達が楽し気に言い合う。
風の精霊さん達って、人間を好んでいないって聞いたのに?
どうして、こんなに安いって言うか? チョロイって言うか?
えぇぇ~とぉぉ~……こんなに簡単で良いの?
風の精霊にお願いするって………。
じゃなくて、ローズスネイク対策よ。
例えば、1番ヤバくて高い、ブラックローズスネイクだけを疾風で弾き飛ばしてもらうっていうのはどうかしら?
それは、できないのかしら?
なんて思ったけど、弾き飛ばすと勢いで何処かに飛ばされちゃうかもしれないから、口には出せないわねぇ。
それに、コウちゃんの言動を考えると、ここには、レッドローズスネイク、ブルーローズスネイク、パープルローズスネイクも来るみたいだし……さて、どうしよう。
ブラックの他に、色々なローズスネーク系の相手もしなきゃいけないわねぇ………。
どれも綺麗な皮だし、パープルは、食べるとお肌プルップルッになるしねぇ~……。
紅輝獣とは違うけど、ローズスネイク種は、額に魔宝石(=ウロコの変化したもので、スネイクパールと呼ばれる)を持ってるから、無傷で捕まえたいのよねぇ~………。
体内にある毒袋も貴重品だし、牙や血液も骨も余すことなく使えるもの。
ただ、どれも攻撃力があるからイヤなのよねぇ~………。
なによりも、ローズスネーク系って音も無く近寄って来るんだもの。




