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悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する  作者: ブラックベリィ


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104/144

104★風の精霊さんて、もしかしてチョロイ?


作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。

設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。

感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)


主人公は、かなりマイペースです。

生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。




 あの子を蘇生(そせい)させて、連れて(ある)けば良いのよ。

 そうすれば、冒険者仲間が居なくても、単独ひとりで冒険者をなんとかできるはず。


 じゃなくて、(いま)はさっさとソルス・ロス・エンダ村に行って、冒険者登録しないとね。

 そして、安全で高額な魔物の居場所を聞き出して………。


 なんて、ちょっと現実逃避(げんじつとうひ)していた私に、コウちゃんが言う。


『確実な対処法があるんだよ。ママも、ちょっと考えてみれば………』


 なんて簡単に言うけど、(いま)はそんな余裕ないのよ。

 単独(ひとり)で魔物………それも致死率がめっちゃ高いローズスネークのブラックだけじゃなく、他色多頭(たしょくたとう)………を討伐(とうばつ)はキツイのよ。


 いや、たしかにコウちゃんとガッちゃんは居るけどね。

 残念なことに、ふたりとも回復系じゃないのよねぇ………はぁ~……。


 だから、できれば(いま)極力回避(きょくりょくかいひ)したい魔物なのよ、ローズスネーク系は。

 とは言っても、サーチした様子(ようす)からすると、いやぁ~んなことに、真っ直ぐにこっちに向かって来ているのよねぇ。

 本当に、勘弁(かんべん)して欲しいわ。


 そうは思っても、向こうの移動速度がねぇ。

 私の想定(そうてい)よりもだいぶ早いから回避不可能(かいひふかのう)かぁ~……はぁ~……。

 もう、こうなったら逃げようがないわねぇ………。

 やるっきゃないかぁ………腹括(はらくく)るしかないわね。


「はぁ~……考えている余裕なんて無いわね。教えてコウちゃん」


 私の言葉に、コウちゃんがニマッと笑って言う。


『精霊達に、風の結界を()ってってお願いすれば良いんだよぉ~』


 あっさりと、コウちゃんは答えてくれたけどねぇ………。

 そうですか、精霊さんに(たの)めば大丈夫ってことかぁ。

 この場合、お礼って、歌で良かったんだっけ?


 他に、何が報酬(ほうしゅう)になったかしら?

 でも、それもちょっと怖いのよねぇ………。

 下手(へた)に精霊と取り引きするとキケンだもの。


「そんなコトして、どんな対価を要求されるかわからないでしょ…無理よ。だいたい、契約していないし………」


 と、私が精霊に依頼(いらい)することに躊躇(ためら)うと、コウちゃんが笑って言い放つ。


『平気だよぉ~……風の精霊シルフィードって呼びかけて、ママの知っている、前世での日本の歌を歌ってあげるって言えば良いの。だって、こっちでなら2つと無い歌だからね』


 そうコウちゃんに言われてハッとする。


 あっ…そっか…たしかにね……こっちには無いわね、日本の歌って………。

 って言うか、本当に歌で良いんだ。


「本当に、それで良いの? なんか安いような?」


 前世持ちの私としては、日本の日常に聞こえて来ていた歌が対価(たいか)になるほどとは思えなかった。

 が、コウちゃんはケロッと言う。


『高いよ。異世界の歌だもの』


 そう言われても、やっと明確(めいかく)な意識と身体(からだ)の自由を取り戻した現状(げんじょう)の私には、かなりハードルが高かった。


「でも、(いま)、緊張しすぎて歌うの無理っぽいわ」


 はぁ~困ったと(つぶや)けば………。


『後でも、良いよぉ~シルビアーナ。だから、いっぱい歌ってねぇ~』


 はい、風の精霊さんは、私の側に居て、声をかけるタイミングを狙っていたようです。

 もう、それで良いなら、風の精霊さんにお願いしちゃおう。

 (さいわ)いなことに、前世では色々(いろいろ)な歌が(ちまた)(あふ)れていましたからね。

 なんとかなるっしょ。


「あっ…はい…よろしくお願いします」


 そう言ったら、何時の間にかたぁ~くさんの風の精霊さんが私の周囲に居ました。


『うふふふ楽しみだねぇ~』


『私達しか知らない歌………最初に聞けるのは…私達だけ』


『嬉しいのぉ~』


『シルビアーナ……契約しようねぇ~』


『契約したら、シルビアーナのお願いは、何でも聞いてあげるからねぇ~』


『シルビアーナ、大好きよぉ~…楽しい、面白い、可愛い、綺麗、神子の契約者。私達のものなの。人間には上げないの』


 と、(あつ)まって来ていた風の精霊さん達が楽し気に言い合う。


 風の精霊さん達って、人間を好んでいないって聞いたのに?

 どうして、こんなに安いって言うか? チョロイって言うか?

 えぇぇ~とぉぉ~……こんなに簡単で良いの?

 風の精霊にお願いするって………。


 じゃなくて、ローズスネイク対策よ。


 例えば、1番ヤバくて高い、ブラックローズスネイクだけを疾風(しっぷう)(はじ)き飛ばしてもらうっていうのはどうかしら?

 それは、できないのかしら?


 なんて思ったけど、(はじ)き飛ばすと(いきお)いで何処(どこ)かに飛ばされちゃうかもしれないから、口には出せないわねぇ。


 それに、コウちゃんの言動を考えると、ここには、レッドローズスネイク、ブルーローズスネイク、パープルローズスネイクも来るみたいだし……さて、どうしよう。


 ブラックの他に、色々(いろいろ)なローズスネーク系の相手もしなきゃいけないわねぇ………。


 どれも綺麗な皮だし、パープルは、食べるとお肌プルップルッになるしねぇ~……。

 紅輝獣(カーバンクル)とは違うけど、ローズスネイク種は、(ひたい)に魔宝石(=ウロコの変化したもので、スネイクパールと呼ばれる)を持ってるから、無傷で捕まえたいのよねぇ~………。


 体内にある毒袋も貴重品だし、(きば)や血液も骨も(あま)すことなく使えるもの。

 ただ、どれも攻撃力があるからイヤなのよねぇ~………。

 なによりも、ローズスネーク系って音も無く近寄(ちかよ)って来るんだもの。






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