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第99話 優の合流とツリーハウス完成

妖精の森のお宿で一晩を過ごした誠司たち。

翌日、猫山リゾートホテルに泊まっていた優が、いよいよ合流します。

翌朝。


妖精の森のお宿では、小さな妖精たちが朝から忙しそうに飛び回っていた。


高い窓を磨く妖精。

花灯りの様子を見ている妖精。

ツリーハウスの橋の上を行き来している妖精。


昨日、誠司が水の魔法で井戸と水路を一時的に回復させたおかげで、宿は少し落ち着きを取り戻していた。


けれど、それはあくまで一時的なものだった。


山奥の滝の力が戻らなければ、この森も、猫耳族の村も、また水に困ることになる。


朝食のあと、誠司たちは昨日の作業場へ向かった。


作りかけのツリーハウスは、朝の光の中で昨日よりもはっきりと形を見せていた。


柱と床は組み上がっている。

屋根の骨組みもできている。


残っているのは、壁板と窓、扉、手すり、そして内装だった。


「今日で使えるところまで仕上げたいですね」


煌成がツリーハウスを見上げながら言った。


翔もうなずく。


「優が来たら、作業もかなり進むだろう」


その時、誠司の端末が震えた。


優からだった。


『ホテルを出た。今、そちらへ向かっている』


「優さん、出発したそうです」


誠司が言うと、煌成はすぐに地図を開いた。


「途中の端末が出たら、画面を送ってください。押す前に確認します」


『分かった』


しばらくして、優から何度か画面が送られてきた。


煌成が一つずつ確認し、答えと押す場所を伝えていく。


「そこは二番です。ただし、押す場所が少し右に寄っているので、中央を押してください」


大地が小さく咳払いをした。


「……押す場所は大事だぞ」


早希がすぐに言う。


「大地が言うと重みがあるね」


「もう許してくれよ」


少しだけ空気がゆるんだ。


やがて、森の入口の方から足音が聞こえてきた。


木々の間から、優が姿を見せる。


「遅くなった」


優は少し疲れた顔をしていたが、しっかりとした足取りでこちらへ歩いてきた。


誠司はほっとした。


「優さん」


「無事に来られてよかったわ」


レイナが言う。


優は小さくうなずいた。


「ホテルは聞いていた通りだった。余計なものには触らずに寝た」


翔が苦笑する。


「それが正解だな」


煌成は優に今日の作業を説明した。


「山奥の滝へ向かう前に、このツリーハウスを使える状態まで仕上げます。宿の水不足も一時的には回復していますが、根本は滝です」


「分かった。手伝う」


優はすぐに荷物を置き、作業に加わった。


まず、壁板を張る作業から始まった。


大地と翔が重い板を運ぶ。

優と煌成が位置を合わせ、誠司が反対側から支えた。


「ここ、少しずれている」


優が冷静に言う。


「本当ですね。先に下を合わせましょう」


煌成がすぐに位置を直す。


翔が板を押さえ、大地が固定する。

誠司も力を込めて支えた。


早希は軽い道具や部品を運びながら、細い足場を行き来していた。


「次、窓枠こっちに持ってくるよ」


「お願いします」


久美子は、昨日縫っていたカーテンやクッションカバーを仕上げていた。


布の端を整え、窓の大きさに合うように確認する。


「このカーテン、ここに合いそうです」


管理人の女性が嬉しそうに耳を動かした。


「ありがとうございます。部屋が明るくなりますね」


レイナは、扉の取っ手や窓の留め具を取り付けていた。


小さな金具を一つずつ確認し、開け閉めしやすい位置に固定していく。


「ここは、子どもや妖精でも使いやすい高さがいいわね」


かすみは、昨日塗った家具の乾き具合を確認し、必要な部分にもう一度防水材を塗った。


「これで、湿気にも少し強くなると思います」


小さな妖精たちは、高いところの窓を磨いたり、花灯りを取り付けたりしていた。


「こっちの灯り、ついたよ」


「窓もきれいになったよ」


森の中に、少しずつ新しい宿の形ができていく。


昼ごろには、ツリーハウスはほとんど完成していた。


壁板が張られ、窓と扉がつき、手すりも取り付けられた。

中には小さなベッドと棚が置かれ、久美子の縫ったカーテンが窓辺にかかっている。


花灯りがともると、木の上の小さな部屋は、あたたかい雰囲気になった。


管理人の夫婦は、深く頭を下げた。


「ありがとうございます。これで、また旅人を迎えられます」


花の妖精たちも、嬉しそうにツリーハウスの周りを飛んだ。


「新しいお宿ができた」


「これで、泊まれる人が増えるね」


大地は額の汗をぬぐった。


「結構働いたな」


早希が笑う。


「今日は押し間違いじゃなくて、ちゃんと役に立ったね」


「だから、それはもういいだろ」


翔は完成したツリーハウスを見上げた。


「でも、みんなで作ると早いな」


優も静かにうなずいた。


「合流してすぐだったが、手伝えてよかった」


煌成は森の奥へ視線を向けた。


「これで、山奥の滝へ向かう準備も整いました」


管理人の男性が、少し真剣な顔になる。


「滝へ向かうなら、明日の朝がいいでしょう。夕方から先へ進むのは危険です」


花の妖精もうなずいた。


「滝の近くには、まだ冷たい気配があるの。今日は休んで、明日みんなで向かった方がいいと思う」


レイナが言った。


「優も合流したばかりだし、今日は無理に進まない方がいいわね」


誠司も、完成したツリーハウスと森の奥を見た。


水は一時的に戻した。

ツリーハウスも完成した。

優も合流した。


次は、山奥の滝だ。


誠司たちはもう一晩、妖精の森のお宿に泊まり、翌朝、山奥の滝へ向かうことにした。

優が合流しました。

誠司たちは妖精の森でツリーハウス作りを仕上げ、旅人が泊まれる新しい部屋を完成させます。

水不足はまだ一時的な回復のまま。

次はいよいよ、山奥の滝へ向かいます。

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