エピソード17:「これはまさか、ギルタブリルモードの毒がユウトの精神にまで影響して!?」『ないです』「えっ」
場面は前回から引き続き、
五干市は育海海岸……
『喰らうのだわっ!
"ヘビープレス・ストーンナックル"!』
『お〜っと危ねえ〜っ』
ケプリモードに変身した"怨恨リマインダー"グラティア・サンジョーと、
ギルタブリルモードに変身した"遺恨リーパー"ホンゴウ・ユウトの戦いは、
砂浜を穴だらけにしながら尚も続いていた。
『オラよ、喰らっとけっ』
『くっ! "マーブルストーン・シールド"ッ!』
ユウトの放った何発もの弾丸は、
グラティアの展開した強固な大理石の盾に阻まれ止まる、
ハズだったがっ……!
『待ってた、ぜえッ!』
そこに狙いを定めたユウトは、
ギルタブリライフル銃身下部の発射器から、
状況に合わせ形成された擲弾が放たれる!
『はっ!?』
弾丸を受け止めたせいで微かに亀裂が入ってたのもあり、
一見頑丈そうに見えた大理石の盾は木端微塵!
『ぐぎぇああああっ!?』
爆風で吹き飛ばされた盾の破片が襲い掛かる!
元々とびきり"硬く"作ってあっただけに、
それが無数に砕けた礫になって降り注いだ時のダメージは計り知れねぇ!
『がっ! ぐあっ!? ぎいっ!?
ぐぎっっ!? ぐぎゃあっ!
あっぎゃっ! ぐぎゃああっ!』
装甲から火花を散らしながら苦しみ悶えるグラティア!
だが流石そこは堅牢な防御を誇るケプリモード……
奴はユウトが距離を取って銃を構え直すと同時、即座に持ち直す!
『この程度で! 私を圧倒した気になんて!
なるんじゃないのだわっ!
"アップグレード・ソーラーパワー"ッ!』
未だ浜辺を照らし続ける太陽……
その光を全身に浴びて、
装甲の緑色はより鮮やかさを増していく!
『なんだその装甲……葉緑体でも入ってんのかァ?』
『ふん。緑色で太陽光を浴びてパワーアップするから植物とは、
何とも安易で知性のない紐づけなのだわ。浅いのだわっ』
果たして
『そうやって言い返す方がよっぽど安易で知性がない』
なんてツッコミが感想であるかどうか……
そもそも感想自体書かれるのかどうか……
なんてメタ的な不安は作者の頭を過ったがともかく、
グラティアが太陽光を得てパワーアップを果たしたのは事実のようで……
『距離を取った程度で安心するのは早いのだわっ!
"アースロックニードル・スパインラッシュクエイク"ッ!』
『技名が長えなっ!』
グラティアが強烈に地面を殴り付けりゃ、
拳から流れ込んだエネルギーが砂地と反応!
ガラスとも砂岩ともつかねえ極太のトゲを形成し、
地面から津波の如く生えながらユウトに迫る!
対するは飛行能力を持たねえギルタブリルモード。
逃げなきゃマズいと考えるのがフツーだろうが……
『そんなもんで俺が刺せるかッ!』
ユウトはギルタブリライフルを構えつつ、更に装甲から機銃を展開!
銃弾連射で迫り来るトゲというトゲを悉く破壊してみせる!
『ふん、やはりそう来たのだわ……
予想通りなのだわっ!』
だがグラティアとてそれは想定の範囲内だったようで……
『"アンチグラビティブースト"!
からの"メガロック・ギガトンナックル"!』
奴は重力操作で自分の身体を浮かせ、
そのまま加速して一気に距離を詰め殴りかかる!
『百万倍なのか十億倍なのか~』
だがユウトとてそれを素直に喰らおうハズもねえ。
『どっちだボケェッ!』
『ぬあわっ!?』
咄嗟に身を翻し、
装甲の分厚い背中部分でグラティアの拳を受け止める!
一見合理的には見えず、実際合理性なんてない動きだが、
それがかえってグラティアに揺さぶりをかけた!
そして!
『隙あり、だっ』
『なっ、しまあっ!』
ユウトは即座に背中側の装甲から機銃を展開!
『輪切り蓮根になっとけェ』
『ぐげぎゃあああああっ!?』
そのまま一斉に弾丸を放ち!
『序でだ吹っ飛べェ!』
『ぐおえああぁーっ!?』
怯んだ所へ強烈な後ろ蹴りを叩き込む!
『がっ、ぐあっ! げふえあっ!』
射撃が本分のギルタブリルモードだが、
装甲による自重を支え銃の反動に耐えるべく筋力も高いもんで、
その後ろ蹴りはグラティアを容易く吹き飛ばす!
『ぐ、うう……銃撃手が、蹴りなんてっ……!』
砂地に叩き付けられたグラティアは起き上がろうと必死だが、
銃弾や蹴りの当たり所が聊か悪かったのに加え、
砂地があちこち穴だらけでなのもあって上手く動けねえでいる!
『……てめぇら令和神殿騎士団が出て来てから散々だぜ。
ブクマ増えねわ感想書かれねぇわPV急落するわでよぉ……』
ギルタブリライフルを構えたユウトは、
作者の心中を代弁するような、
然し実際"主人公としての紛れもない本心からの恨み言"を述べる。
『この惨劇は誰のせいだ? 俺は主人公として必死にやってるし、
作者の野郎も自分じゃダメだ才能がねえ無能だなんだとと言いながら
それでも半ば無理しながら力を尽くしてる。
プラットフォームの運営会社が別に何かしたってワケでもなきゃ、
大多数のネットユーザどもとて倫理的にはともかく
法に触れる真似はしちゃいねえから罪には問えん。
かえって一部の読者は無理して感想書いたり、
忙しくて感想書けねえのを悔いたりしてる。
みんなみんな頑張ってんだよ。みんな必死で頑張ってんだよ。
それなのになんだ、この惨状は。……誰がやった? 誰のせいだ?
……てめぇらのせいだ。
全部全部、何もかもてめぇらのせいだ。
てめぇら令和神殿騎士団が、全部悪いんだぁ……!』
[葬儀開催♥ 散骨-シングルルプラン♥]
ベルトを操作すれば、身体から迸る紫色の、
結晶状のエネルギーが腕を伝いギルタブリライフルへ流れ込む。
『だからせめて、その罪を償うために……
この場でくたばれや、怨恨リマインダーッ!』
[フューネラル・ストライク♥]
『ぐがあはあっ!?』
ユウトが引金を引くと同時、銃口から飛び出した弾丸は装甲の隙間……
稼働のために柔らかくせざるを得ない部分に容赦なく深々と突き刺さる。
『……汎用配合の毒入り弾丸だ。基本的に地味な技なんで、
普段ならもっと凝ったアドリブなんかをカマしてやる所だが……
極めて親切で熱心な読者様に考案・提供して頂いた
素晴らしいアイディアに基づいて生まれたクセに、
作品の人気を低迷させ、実質提供者様の面に泥を塗りやがったんなら、
最早そんな値打ちすらもねえ……そのまま毒でくたばっとけ』
『ぐ、うっぐううっ……! 舐めた、真似をっっ……!』
グラティアは心底腹が立って仕方が無かった。
ブックマーク数が少ないのも、
感想を書かれないのも、
PV数が落ち続けているのも、
結局は作品を書いている作者の責任のハズだ。
奴が無能なのがいけないハズなのだ。
なのに目の前の男はその元凶が、
自分達"令和神殿騎士団"だと決めつけている。
これでまだプラットフォームの運営会社を逆恨みするならまだわかる。
感想を書かず作品を読まないネットユーザに八つ当たりするのも別にいい。
或いはそこで『主人公たる自分の不足だ』などと言えたなら、
かえって評価・賞賛してやったほどだった。
だというのにこの男は、
ホンゴウ・ユウトは最悪の責任転嫁をしてのけた。
自己弁護か、はたまた作者を擁護するつもりか、
或いは波風を立てないよう適当なことを言ったか……
厳密に詳細な理由など、どうでもいい。
重要なのは、この性根の腐り切ったクズ男が、
"主人公に相応しからざる最低最悪の発言をした"ことである。
(……やっぱり、そうなのだわ。
やっぱり、私は間違ってなかった……)
極限状態から来る超光速の思考でもって、
グラティアは改めて確信に至る。
(……やっぱり、この男が……
この男こそ、諸悪の根源っ……!
排除しなければ、最悪の事態に発展しかねないのだわっ!)
――"最悪の事態"を阻止しなければならない――
それはグラティア・サンジョーって女が、
この世界に生を受けた瞬間から本能レベルで感じてた"使命"……
そしてまた、ヤツが令和神殿騎士団の戦士として、
怨恨リマインダーとして戦う最大の理由でもあった。
(何としても、この男を……ホンゴウ・ユウトを倒さないと……
そして私が"最悪の事態"を食い止めないとっ……!)
そうと決まれば話は早い。
毒で身体が思うように動かない中、グラティアは力を振り絞る。
(……諦めるわけ、ないのだわ……!
あんな男の好きになんて、させておくわけにはいかないもの!)
重力操作で自分自身を宙に浮かせ、
そのまま海の方へと大きく跳躍する!
(……臆病風に吹かれて逃げた、ワケはねえよなァ~)
ユウトは警戒しつつ、敢えて深追いはしない。
下手な攻撃は身を滅ぼしかねないもんだと知っているからだ。
そして……
[緊急発動! リザレクバーン!]
海中で起こる爆発! からの……
[変成! リマインダー! リマインダー!
怨恨! リマインダー!
麗しの人魚! 不老で長寿! 魚心あれば水心!
マァ~メイドッ・モォォォォド!]
水中から響く変身音声と共に、
通算四度目の形態切替を果たしたグラティアが姿を現す!
『忘れるなかれ、我らが怨み……
水には流せぬ、この恨み……
怨恨リマインダー【マーメイドモード】
深く響かせ、推して参るのだわっ!』
そしてここから戦いは、
一気にクライマックスへ向けて加速していく!




