エピソード25:※流石に最初のヤツだとヤバいって相方に止められたので修正しました
場面は前回から引き続き、五干市は育海海岸。
『……終わっ、た……漸くっっ……』
剥ぎ取ったイモータル・コアを手にしたまま、ユウトは呟く。
長々と戦ってたもんで既に日は落ちて夜も更けかかり、
穴だらけになった浜辺には自分たちだけが残されていた。
『……やーれやれ、全くひでえ目に遭わされたモンだぜ……』
[Thank you for your hard work, Mujo.
I joined in halfway and cannot fully understand,
but it is not hard to imagine that your battle was extremely harsh.
Truly, you must have gone through something incredibly terrifying.]
(和訳:お疲れ様です、ムジョウ。
途中から馳せ参じた私には理解しきれませんが、
あなたの戦いがこの上なく過酷だったことは想像に難くありません。
本当に、なんと恐ろしい目に遭われたことでしょう)
『……まあ、キツかったよな。
けど多分、書いてた作者はもっとキツかっただろうし、
読んでた読者の味わった苦痛なんて尚計り知れねえよ。
何ならお前も頑張ってたんだし謙遜すんなって』
気分を紛らわすべく軽くメタ発言を飛ばすユウト……
[That's not good, Mujo.
Even though it's supposed to be a serious scene,
remarks like that break the reader's immersion.]
(和訳:いけませんよ、ムジョウ。
折角のシリアスシーンだっていうのに、
そういった発言は読者の没入感を削いでしまいます)
『知ったことかよ、没入感なんて。
そもそも作者がぶっ壊れた原因作ったのはどいつらだって話だろ。
……まァとは言え確かに、この場でする話じゃねえわなァ』
図らずも掴み取ってしまったイモータル・コア
――本体を離れて尚、内側には強烈なエネルギーが蠢いていた――
を観察しながら、ユウトはぼやく。
『正直、あの女の主張も分からなくはねえよ。
生きてりゃ誰しも、特に上手く行かねえ時は、
誰かを憎まずにいられねえ衝動に囚われちまうもんだ。
そういう意味ではグラティア・サンジョーも被害者だったんだろうさ。
だがヤツは余りに突っ走り過ぎた……
エンジンがぶっ壊れても構わずアクセルベタ踏みで、
ガードレールブチ貫こうが人畜轢こうがお構いなしだったんだよ。
"自分は絶対に正しい"と信じて疑わず、
結果として作者の比じゃねえほどの悪党にまで身を落としやがったんだ。
そりゃあよ、ダメだろうよ。そこまでやっちまったらもう』
[Yes, there is no doubt about that.
No matter what circumstances that woman may have,
her actions must not be justified.
She has long since crossed the line of being a 'forgivable victim' herself.]
(和訳:ええ、それは間違いありません。
あの女に如何なる事情があろうとも、
その所業が正当化されてはなりません。
あの女は"許され得る被害者"のラインをとうに自ら踏み越えてしまったのですからね)
『そうとも……だから、殺すしかなかった。
あの女を苛む"遺恨"を"刈り取って"やるのが、
加害者に生み出された主人公にできる、
せめてもの償いだろうからな……』
それこそまさに"遺恨刈り取る者"ってワケだ。
『……と言って、そんなのは所詮俺の勝手な思い込みだがな。
何が正しくて何が間違ってたかなんて、結局俺にだって分からねえよ。
そもそも七か月間、百七話もやっといてカスみてえなスコアしか残せてねえ責任は、
結局のところ読者どもを魅了できなかった俺にもあるワケだしな。
そこは作者のヤツにも申し訳ねえと思ってるよ』
[…Mujo, we were having such a good conversation,
so what are you doing making self-deprecating remarks at the crucial moment?]
(和訳:……ムジョウ、折角いい話をしていたってのに、
肝心な所であなた自身が自虐的な発言をしてどうするんですか)
と、その時だった。
-『そっちの子の言う通りだ。
君も作者もやれるだけやって、
どうにか敵を倒せたんだ。
結果的に市井の人々は救われたんだから、
それでいいんじゃないのかね』-
『……!』
ユウトが声のした方へ目を遣れば、
そこにはセキガハラの保有する多目的ドローンが浮いていた。
-『というか君がそんな調子だと、
読者諸君としても気分が悪くて感想どころじゃないだろうさ』-
普段は戦闘状況の記録なんかの為に鉄火場を飛び回ってる代物だが、
眼前の機体にはカメラやマイクに加えてモニターも搭載されていて……
-『本心では読者を愛しながら、
然し衝動的な敵意から配慮をしないだなんて、
聊か君らしくない短絡的な行動だと思うがね』-
画面に映し出されていたのは、
ギプスや包帯に塗れた銀髪の女。つまり……
『ヒナミさん……
わざわざドローンにモニターまで積んで何事です?
安静にしてなくていいんですか? てかフツーに連絡寄越せばよくありません?』
そう、まさに現セキガハラのトップにして、
三代目"レールガンマイスター"ニカイドウ・ヒナミその女性だったんだ。
※修正前は結構精神状態がアレだったんですが相方と相談した結果大幅に修正しました。




