エピソード22:クラスの女子「は? 読んでるのに感想書かないとか、マジで意味わかんない。アンタらのせいで作者壊れたから。弁償してよね?」
場面は前回から引き続き、
五星市の育海海岸……
『勝ったっ……!
第四章、ひいては本編"完"ッッ!』
砂煙が霧か雲のごとく立ち込める砂浜で、
ウロボロスモードの必殺技をぶちかましたるは
ヴィラン組織"令和神殿騎士団"最強の怪人"怨恨リマインダー"……
もとい、第四の壁を越え現実世界からやってきた転生者グラティア・サンジョー。
本作『デスイズザヒーロー!』のフルリメイク
――新主人公を擁立しての"売れ筋"への方向転換――
による蠱毒成長中への復讐を画策するこの女にとって、
既存主人公の殺害達成は何よりの躍進だった。
(……ああ、やったわ……!
これでようやく……!
あの悪魔に復讐できる……!
見てなさいな、蠱毒成長中!
逆張り一辺倒、周りと違う自分がカッコイイと勘違いしてる
バカな高二病患者のお前にとって、
主人公交替からの作品フルリメイクはこの上ない屈辱でしょうよ!
私がこれまで受けて来た以上の苦痛を、
今度はお前が味わうといいわっ……!)
願っても無かった展開に、グラティアは歓喜する。
一先ず復讐計画を実行に移す上での最大の障害は排除した。
あとはとんとん拍子に話が進むハズだと、そう確信していたが……
[Excuse me, this might be an intrusive question, but...
then who will act as his representative, and from where?]
(和訳:失礼、水を差すような質問になりますが……
ではどこのどなたが彼の代理を務めるのですか?)
『ぬあっ!?』
突如、砂煙の中から響く謎の電子音声!
読者のみんなからすりゃお馴染みだろうが、
当のグラティアにしてみりゃ予想外ったらありゃしねえ!
(な、なななっ、何なのこれっ!?
英語として聞こえるのに何故か日本語として頭に入って来るっ!?
なにこのッ……幻聴!? 敵の攻撃っ!? まさか増援っ!?
そんなバカなっ! 最初に変身した時点で敵避けの結界を張ってたのにっ!)
グラティアは混乱していた。
だが同時に奴は考える。
仮にこれが自分の防御網を掻い潜ってきた敵の攻撃だとして、
少なくともムジョウは確実に殺せたハズで、
となりゃ自分の計画が前進した事実は揺るがねえ。
(……だったら後はもう、何が来ても些事!)
そんな風に信じて疑わなかったグラティアだったが……
『はうえあっっ!?』
風が吹き砂煙が晴れた時、奴は度肝を抜かれ取り乱す!
[I can't believe it,
but you wouldn’t say you’re taking his place, right?]
(和訳:まさかとは思いますが、
あなたが彼の代わりだなんて言いませんよね?)
『そいつぁねーだろテリテスターター。
どうやらあいつは本作のフルリメイクに向けて、
俺に代わる新主人公を擁立するつもりらしいからなァ』
なんせユウトが無傷のまま健在で、
しかも奴の傍らには"喋る小型恐竜の髑髏"まで浮いてやがったんだ。
そりゃ取り乱すのも無理はねえってモンだろう。
[I see. In other words, she is 'an irresponsible coward with no guts,
' someone who, while scheming to fully remake the work,
doesn't even have the resolve to carry the work herself as the new protagonist.]
(和訳:なるほど。つまり彼女は作品のフルリメイクをも画策しながら、
自ら新主人公として作品を背負う覚悟さえない
"無責任な腰抜けの根性なし"なわけですね)
『ま、そんなトコだろーな。
大方「ネット小説の主人公は女じゃ無理」
「自己投影させやすい無難な無個性男こそ主人公に相応しい」とでも思ってんだろ』
[If she is acting on such a cheap way of thinking,
then that woman is a real fool. Moreover, not a
'honorable court jester,' but rather 'a miserable and
ridiculous fool who is only capable of being mocked'.]
(和訳:仮にそのような安っぽい考え方で行動しているのだとしたら、
あの女はとんだ道化ですね。
それも"名誉ある宮廷道化師"ではなく
"ただ嘲られるしか能のない無様で滑稽な愚物"といった所でしょう)
久方ぶりの登場だからなのか、
テリテスターターの罵倒はやけにキレが良かった。
だが言われてるグラティア自身はと言えば
そんな罵声すら耳に入らねえほどの有り様で……
『む、むむ、むっ、ムジョウッ!
遺恨リーパームジョウッ! ホンゴウ・ユウトッ!
なぜッ!? なぜあなたッッ!?
あなたはッッ!
私の必殺技を喰らって木っ端微塵に砕け散り、
しし、死んだハズじゃっっ!?』
挙句こんな間抜け全開の台詞まで吐く始末。
ただでさえ地に落ちてた敵キャラとしての格が、
いよいよ土に埋まってくが如き有り様だった。
『死体も見てねえのに勝手に殺すんじゃねェ。
見た目が派手なばっかで出力はチグハグだし照準も雑……
あんなもん凌ぐぐれえワケねえってんだよ』
『なっ、何ですってっっ……!?』
『漫画の教師キャラで例えりゃ連載初期の鶸村ひより程度……
マジで敵を殺すつもりの技ってのは
最低でも修学旅行編のネギ・スプリングフィールドぐらいなきゃ成り立たねえ』
[I wonder if that analogy is really accurate, Mujo?]
(和訳:その例えは果たして的確なんでしょうかね、ムジョウ?)
もうPVが下落傾向だからってやりたい放題じゃねえか……
やめろよこういうノリだと余計読者が逃げるんだから……
『ともあれ図らずもお互い"似たような領域"に至ってたとは、
なんともイヤな偶然があったもんだな。
宛らてめえんトコでレギュラーの準ヒロインにカメレオン怪人出したら、
隣の同僚から序盤の噛ませでカメレオン怪人出された、
獣拳戦隊製作陣の気分だぜ』
[In the first place, why was that monster chameleon-shaped?
It shouldn't have been a problem even if it had been frog-shaped]
(和訳:そもそもあの怪人は何故カメレオン型だったんでしょうね?
蛙型でも何ら問題なかった筈なのですが)
だからそういう殆どの読者に伝わらないネタをやめろって……!
『くっ……何をいきなりわけのわからないことを……!
やはりこの作品は作者も主人公も総てが間違っているのだわっ!
復讐云々抜きに私が"修正"してやるのだわっ!』
ほらもー、相手方の主張補強しちゃったじゃん……
『修正、か。
随分と傲慢な物言いをするじゃねえか怨恨リマインダー。
まるで日本漫画の表現に言い掛かりつけるしか能のねえ、
海賊版依存症の"貧乏害酷塵"みてェによぉ~。
オメェ、いつからそんなに偉くなったんだ?
所詮てめえ自身もたかが物語のキャラ、
俺と同じ"蠱毒成長中の被造物"のクセによォ~』
『~~~~~~っっっ!!!!!
やっておしまい、"サウザンドマリスネーク"!』
[サウザンドッ☆マリスネ~ック!]
その発言に、グラティアは当然激昂!
怒りに任せて無数の空飛ぶ蛇を召喚し嗾けようとするが……
『やるぞスターター!』
[Of course.]
(和訳:勿論です)
果たして実際、ユウトの方が遥かに早く行動を起こす!
『超絶、大転身ッ!』
[タナトスモード♥]
[Die, you foolish man who stands in his way.
You who do not recognize this story, ruin.]
(和訳:彼の行く手を阻む愚かな者よ、死ぬがよい。
この物語を認めぬ身の程知らずよ、破滅せよ)
ベルトを操作し即座にタナトスモードへ変身!
不吉なエネルギーの波動でもって、
迫る蛇どもを悉く焼き殺し消滅させる!
『ば、馬鹿なっっ!? ムジョウに五つ目の形態っ!?
一体いつの間に!? そんなの、情報に無かったのだわっ!』




