第七話 ハーフとハーフ
投稿非常に遅れました。本当にすいません!
これから春休みに入るのでなるべく上げていきます、すいませんでした。
「まだやるか?」
「いや…降参だ……」
「うむ。」
金髪のマッシュが大剣のダグルスの首に剣を突きつける。
二人の戦いはマッシュの圧倒的な力によって、数十秒で決着がついた。
とにかく彼は物理的な力が尋常じゃない。
なんと、ダグルスの背丈よりもあるあの大剣を、片手で防いでみせたのだ。この光景にはギャラリーも相当湧いていた。
そして、驚いている隙に素早く懐に入り込み、現在の状態に至る。
「あんた、なにもんだ?ここらへんの剣士じゃねぇよな?」
剣を背にしまい、問う。
「あぁ。だが細かいことは、悪いが言えない。」
「そうか。今日はありがとう。また出直してくるよ。」
「あぁ、待っているぞ。どこかでな。」
ダグルスは無理に詮索しようとはしなかった。事情は人それぞれ色々あるからな。
彼は、別れを告げると素直に金貨を払い、ギャラリーの中にいた数人の仲間と帰っていった。
「強いなぁ。アイツ。」
「僕はなんだかついていけないよ……」
切実に思う。
アイツはただ者ではない。まず、ただの「ヒューマン」ではないだろう。
説明しよう!
「ヒューマン」とは、世界で一番多く存在している種族だ。ヒューマンは特別変わった能力を持つ者は少ない。全種族の中でも弱い方であろう。だが、その数ゆえに、太古の種族間の戦争では長く生き残ったと言われる。
ヒューマンの他にも
長耳が特徴の魔法が得意な「エルフ」。
小さい身体だが随一の筋力を持つ「ドワーフ」。
獣耳と、尻尾を持つ半獣の種族「ビースト」。
ヒューマンにドラゴンの翼と爪を後付けしたような「ドラゴ」。
全種族で最も小さい「ホビット」
この五種族が、一般的に知られている種族だ。
ちなみに、フィーはエルフ。
ラルはというと、不明だ。
ラルの母、エルミナはエルフだが、アルロスの種族を、彼は知らない。彼が聞いているのは ヒューマンではない。 ということだけだ。
以上、解説でした。
マッシュはたぶん、ドワーフの血が混じっている。
ドワーフは背は成人でも百三十センチぐらいと、すごく小さいが、ヒューマンの倍は力があるだろう。
アルクリアにもドワーフの子どもがいて、以前そいつに挨拶したら、元気そうに俺に飛びついてきて、見事にふっ飛ばされた記憶が鮮明に残っている。
もし彼がハーフドワーフならば、さっきのようなことも十分ありえる。
よし、決めたぞ。
「フィー」
「なにぃ?」
「俺アイツと戦うよ。」
「えぇー!?で、でで、でも!」
そんなにオドオドすんなっての。可愛いだろ。
「心配すんな。たぶん負けない。」
きちんとフィーの目を見て言った。
すると、フィーは納得してくれたのか、深く頷いてくれた。
「よしよし。じゃ、ちょっくら行ってくるよ。………失礼。」
ギャラリーの人と人の隙間を通っていく。数人の壁をくぐり抜け、人だかりの円の中に入った。
「なあ、俺が次の相手をしてもいいか?」
俺のその言葉に周囲がざわめく。悪い気分ではない。
「ほう、わかった。持ち合わせはきちんとあるか?」
忘れていた。咄嗟にポケットの中の金貨の数を確認する。
げっ……
そうだ。俺がもってきたのは二枚だけだ。
マッシュが要求してるのは五枚。
まいったなー…どうしたもんか……
「悪い、今これだけしかねぇんだ。」
素直に言って、二枚の金貨を取り出す。
「なに?では勝負は受け付けられ……」
そこで、俺はヤツの言葉を遮った。
「でも、お前は払ってくれるんだよな?だったら問題ない。」
「なに?」
「オレ、負けるつもりないから。」
さあ、どうだ!俺のこの余裕な態度を見てイラついてくれ!そしてケンカを売ってこい!こい!
すると、彼は驚いた表情のまま、苦笑した。
「フッ……いいだろう。受けてたつ。だが俺が仮に勝ったら金貨二枚で良しとしよう。」
よぉしっ!作戦成功!
でも、油断できる相手じゃないな。調子のって負けたら金貨二枚も無駄になるからな。本気でいかないと。
「ありがとさん。あ、そうだ、名を名乗るんだったっけ?俺はアルクリアから来た、ラルララク・フォーゼンだ。普段は王子やってる。よろしくぅ。」
早速調子に乗る。
こうやって俺が名乗ると周りが確実にざわめき、全員が驚きの表情を見せる。なんだかそれが楽しい。城ではもはや隠居だった俺が実は目立ちたがりだっとは、自分でもわからなかった。
マッシュはこの国の者ではないと思うが、王子と聞いて多少驚いているようだ。
「ほう、あの大国アルクリアの王子か。なにゆえこのようなところにいるかはわからんが、まあいい。」
うんうん。あまり詮索しないでくれ。すっちのほうが好都合だ。
「んじゃ早速やろうぜ。」
父さんからもらった銀の剣を抜く。これで使うのは二回目。今回は前回のような変態猿野郎ではない。相当な強さの剣士だ。
楽しみだな。
「あぁ、ではいざ尋常に……」
お、これはー、俺も言ったほうがいいよな?よっし……
「「勝負!!」」
俺は凄まじい速さで突進した。




