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乙女ゲームに転生した冷静生徒会副会長のヒロイン観察日記  作者: 高天原ヒロ


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6/10

番外編SS 『冷静副会長に映る世界〜ソノの恋エグ3考察日誌①』

※この日誌は、あくまでソノの考察と個人的感想に基づく記録です。


――夜。

自室で、私は一人、愛用の手帳にペンを走らせていた。

 

ヒマリさんが入学して、約一か月。

この学園が、かつて自分が前世でやり込んだ乙女ゲーム『恋エグ2』の続編――『恋エグ3』の世界であることに、私はかなりの確証を持っていた。

もちろん、私が知るシナリオに彼女は存在しない。

しかしながら、彼女の圧倒的な「主人公」としての輝きと、次々に発生するベタなイベントを見れば、その事実を認めざるを得なかった。


これは、元主人公にして現アドバイザー枠の私が、個人的見解に基づいて、現在のヒマリさんと攻略対象者たちの「恋愛フラグ」と「好感度状況」をメタ的に分析した記録である。


【観察記録01】

黒崎 凌(メインヒーロー枠 / 属性:ツンデレ・無自覚チョロイン )

推定好感度:80(無自覚ゾーン脱出直前)


まずは我らが生徒会長。

冒頭での「衝突&スチル回収」に始まり、第四話では早くも「嫉妬の胸痛イベント」を発生させている。

そして決定打は、第五話の「深緑の新月」発言だ。「ヒマリが満月だから、俺は新月にする」という、激重ロマンチックポエムを本気で言ってしまうあたり、すでにルート確定レベルの熱量。

本人は「公私混同するな」と意地を張っているものの、完全にヒマリさんに翻弄される「野良猫チョロイン」状態。落ちるのも時間の問題だろう。


【観察記録02】

水川 斗真(腹黒・ドS枠 / 属性:歪んだ執着・闇抱え系)

推定好感度:65(「おもちゃ」から「気になる存在」へ)


続いて広報の斗真くん。

定番の「笑顔の裏にあるトラウマ(前任者へのコンプレックス)」をヒマリさんに見せるイベントが発生済み。

最初は凌の反応を試す「当て馬ムーヴ」のつもりだったようだが、ヒマリさんの無邪気な光属性パワーに毒気が抜かれ始めている。

第四話の「僕のことを何も知らないくせに」という冷たい笑みは、乙女ゲーム特有の「重い過去開示フラグ」。

こじれるとヤンデレ化する危険度No.1。


【観察記録03】

滝沢 環季(隠れ複雑枠 / 属性:勘のいい傍観者・ギャップ萌え)

推定好感度:45(あえて一線を引く防波堤)


そして会計の環季くん。

一見するとお気楽な関西弁のムードメーカーだが、実は一番人間関係を俯瞰で見ている難敵。

凌と斗真の泥沼化を防ぐ調整役を引き受けつつ、「俺も大概ずるい奴やから」とヒマリさんから自ら距離を置こうとするムーブ……。

これは個別ルートに入ると急激に切ない展開になるタイプのシナリオ。

隠された一面が暴かれた時、一気に好感度が跳ね上がるポテンシャルを秘めている。


【総評と観察者のスタンス】

ヒマリさんは、持ち前の圧倒的な「光属性」と天真爛漫さで、癖の強い生徒会メンバーの心の壁を無意識に粉砕している。

特に、第五話のラスト、学食の無料チケットを独り占めせず「五人で食べましょう!」と笑顔で分け合った姿は、ヒロインとして満点以上の回答だった。

私はあくまで、ヒロインを見守る先輩ポジションに徹するつもりだが……。

男子陣の牽制合いが想像以上にスパイシーなので、当分は退屈しそうにない。


ここまで一気に書き込むと、ソノはペンを置き、パタンと手帳を閉じた。


さて、明日は約束の学食ランチだ。

ヒマリさんの左胸に燦然と輝く「凌の深緑色の新月ステッカー」を目にした時、果たして男子陣はどんな顔をするのだろうか。

想像するだけで、くすりと口元が緩んでしまう。


「……ふふっ。明日も良い観察ができそうです。」

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