第9話 女子会
お見合いの翌日の日曜日、私はアッキーと駅前の喫茶店で女子会をした。
「―――――ってな訳で…お馬鹿な小さい私がその人に告白してて、鈴木さんはそんな子供の戯言を本気にして迎えに来たらしい」
「えー、花人が赤い花を贈るって小学生でも恋バナで話題になってたじゃん。ユッキーも知らなかった訳じゃなかったんでしょ?」
「話題になってたねー。んで私は縁起悪い椿は貰い手が無いとか、男女だから初花をピンクにする男すら現れないとか散々言われてたっけね〜。多分ヤケになってたと思う」
「えー早乙女は?」
「…『お前がくれるなら受け取ってやらんこともない』…だったかな?」
「あははは俺様目線〜!あーあ、アタシ中等部じゃなくて小等部から幼馴染になりたかったなー」
早乙女の返答を答えるといつものアッキーの口癖が出た。私も幼馴染が良かったな〜、アッキーは暁山家の分家で、家庭の事情で東京に引っ越してきたから無理だけど。
「写メ撮った?」
「勿論!見てこのイケメン具合!」
「ひゅう!ユッキーの白さと対になってて映える〜!」
「コレばかりは白犬の半神のお母さんの遺伝子に感謝だわ」
「にしても黒い狐って珍しいよね〜。実家はトップシークレットだったし、やっぱり名家だろうね〜」
「ねー、でも修行が厳しくて飛び出したって言ってたから、あんまり実家の事は触れて欲しくないっぽい」
鈴木さんが説明していた時の表情を思い出す。あの部分だけ無理して笑ってた様な気がする。
「修行か〜…アタシも身に覚えあるから分かるかも」
「やっぱり有名な神獣の半神って修行とかあるんだ」
「分家でも結構厳しかったよ。小学生の時は実家が厳しかったけど、本家で男児が生まれたからお払い箱になったんだよね」
「…」
「そこで暗い顔するユッキー優しいね〜。やっぱりお見合い相手にユッキー渡すのやだ〜」
そう言ってアッキーが私に抱き着いてくる。花人は花人で色々と苦労するけど、半神や鬼人も色々と苦労するんだなぁ。
そう思うと、鈴木さんが実家の話になると少しだけ寂しそうに笑った理由も、少し分かった気がした。
「そういやRINE交換したー?」
「したよ。来週の日曜日は喫茶店で会いましょうって約束したし」
「こっそり着いてっちゃ駄目?」
「んーアッキー目立つから鈴木さんに聞いて同伴する?」
「本当?生で見るの楽しみ〜!」
そう言いながらアッキーは自分の席に戻って、食べかけのパフェを頬張った。私も今から楽しみで、誤魔化す様にメロンソーダを飲んで炭酸で喉と心をリフレッシュさせた。




