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黒狐への嫁入り  作者: 弥生いつか


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第12話 顔合わせ


 待ちに待った日曜日。アッキーと鈴木さんを待って喫茶店の前で立つ。春風が心地良くて私の頭の花も靡く。


「ユッキーお待たせ!」

「アッキー!やっほー…?」


 先に姿を見せたのはアッキーだった。でもアッキーはいつもの女の子らしい格好じゃなくて、久しぶりに見たパンツスタイルで何処か男の子っぽい。長い髪も上の方で綺麗な髪留めで一纏めにしていた。


「どうしたのアッキー格好良い!項も見せちゃってセクシー!」

「へへ、ユッキーのお見合い相手に負けたくなくて、お洒落しちゃった」

「よっ!世の女の子が黙っちゃいないよ!!」

「ありがとー」


「どうやら出遅れたみたいだな」


「「!!」」


 背後から声がして振り向くと、紺色の上着とズボン、黒のハイネックを着て革靴を履いている。スーツ姿よりもカジュアルだけど、何処か只者じゃない雰囲気を纏った鈴木さんが立っていた。


「鈴木さんも格好良い〜!」

「へぇ〜…」

「あっ鈴木さん!こちら私の親友の暁山栄子。アッキー!こちらがお見合い相手の鈴木さん!」

「始めまして〜」

「始めまして」

「…」


 あれ?睨み合っているというか、牽制し合っているというか、ちょっと空気重い?


「そ、その!喫茶店入りましょ!ここの珈琲とパフェ、美味しいんですよ!」

「はーい♡」

「それは楽しみだ」


 私が中に入る様に促すと2人は笑顔で答えてくれた。さっきのは見間違い?いや…違う気がする。


 喫茶店に入りソファー型の4人席に案内されて、いつもはアッキーと向かい合うけど、今日はアッキーの隣に座って、向かい側に鈴木さんが座る。メニュー評価を見る表情も様になるなぁ。


「ユッキー、何頼む?」

「えっ!?えーっと…」

「今日は私が奢る。好きな物を頼みなさい」

「えっそんな良いですよ!」

「良いから、大人の余裕と格好付けさせてくれ」

「…はい」


 何か調子狂うな…アッキーと2人だったらこんな借りてきた猫じゃないのに。


「私はホットコーヒーを。2人は?」

「アタシはメロンフロート!ユッキーは?」

「私はココアで…」

「パフェが絶品じゃなかったのか?」

「えっあ、じっじゃあミニ苺パフェも」

「わかった」


 鈴木さんがスマホを使って手慣れた様子でメニューを頼んでいく。1人で珈琲飲んだりするのかなぁ?ヤバい、その姿写メ撮りたいかも。


「ユッキー、鈴木さんに惚れ惚れしてるねぇ」

「えっ!?そ、そうかな!」


 私は誤魔化す様に先に出されていたお冷を一気に飲む。檸檬の輪切りが透明な水差しに入っていたお冷は、檸檬の清々しさで口をさっぱりさせた。


「…ねぇお兄さん、アタシお兄さんの正体知ってるかも」

「え?」


 アッキーが値踏みする様な視線で鈴木さんを見た。正体?




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