第11話 甘くない青春
「子供の時から好きでした!どうか付き合ってください!」
「…え?」
ベタに下駄箱にラブレターがあり、手紙に書いてある通りに校庭の裏庭に行ってみたら、告白された。
「確か田所くんだったよね?」
「はい!」
「小等部で私を男女とからかってた男子の1人だよね?」
「うっ…はい」
「もしかして罰ゲームで告白してる?何処かで撮影してる?」
私はこちらの様子を伺ってる生徒を探してみた。周囲を見渡したら裏庭の茂みの向こう側に、男子が3人位居るのが見えた。
「あっいたいた、いえーいTikTakかライブ配信やってるー?出演料高いよー」
私は男子のいる方向に両手でピースを送る。
「ふ、巫山戯ていません!真面目です!あの早乙女が居なくなったから、チャンスだと思い告白しました!」
「…んー、色々と言いたい事あるけど…ごめんなさい!私にはお見合い話が来てその人とお付き合いする事になりました!」
「…はぁ?」
私が頭を下げてごめんなさいの返事をする。そしたら信じられないのか、不機嫌な声が聞こえてきた。
「お見合いってまだ高等部入学から1週間しか経ってないだろ?それに新城に見合いなんて来るわけないだろ?」
「おい、それ告白した相手に言う台詞か?」
「うっ…兎も角くだらない嘘付くのは止めろよ!俺は真剣に告白してるんだぞ!!」
「真剣に告白してる人が上から目線なのが信じられないし、小等部でからかってきたから好感度マイナスだし、友達に見せ物にしてる3点からそもそも告白受ける気はないです」
「ふざけんな!綺麗になったから半神の俺が告白してやったのに!何断ってんだよ!」
「綺麗になったのは自分自身為であって、田所の為じゃないです…それにお見合いの話は本当だし、仮に上手くいかなかったとしても…」
「アタシがユッキーのお見合いが駄目になった時の、婚約者候補第1号だから」
「!?」
背後からアッキーが田所の首を掴んでゆっくり絞める。ホラー演出だろうな。
「あ、暁山…お前っ普段ギャルしてる癖に都合いい時だけ男名乗んのかよ!?」
「んーアタシは気分次第でどっちも名乗ってるし、ユッキーとは合意で友達以上の恋人未満の関係やってるよ?」
「そうそう、私お見合い相手の人に『やっぱり違いました』って言われたらアッキーのお嫁さんになるから、最低でもアッキーより優しさや誠実さを見せてくれる男じゃないと心動かないよ?」
話しながらアッキーがこっちに来て腕を伸ばしてきて、私も腕を伸ばして抱き着く。アッキーのシャンプー高いのかいい匂い。
「で、でもこいつは正真正銘男女だぞ!?」
「それがどうした、相手を貶す事しか言えない男よりも百倍男らしいわ」
「何だと…」
私は茂みの方を向く。そして再びダブルピースをする。
「私はお見合い相手がいる上に、アッキーと結婚を前提に親友やってまーす!なので学生恋愛しないので今後告白してこないでくださーい!」
撮れてるー?と茂みに近付きながら確認する。やっぱり男子の1人がスマホをこっちに向けていた。
「ねぇ結局これ生放送?」
「生徒限定生放送」
「美人に撮れた?」
「はい…女子同士の絡みで麗しいです」
「この…俺を無視してんじゃねーっ!!」
後ろの方から顔を真っ赤にした田所が襲い掛かってくる。けど私から離れたアッキーがヒョイっと近寄ると、華麗な蹴りを顎に食らわせた。
「あがっ!」
「…あっごめーん。アタシの脚力、麒麟の馬力並だから顎砕けちゃったかも。暫く生意気な言葉吐けないかもね」
アッキーの強烈な蹴りを顎に食らった田所は、綺麗に気絶して倒れ付した。
「私を勝手に撮影した出演料と顎の治療費で相殺ね」
「半神は身体頑丈だから2、3日でくっつくから安いもんでしょ?生配信を見ている皆も、アタシのキックを食らいたくなかったらユッキーに失礼のないようにね♡」
「じゃあ行こうかアッキー」
「はーい」
私はアッキーに預けていた鞄を受け取って、腕をアッキーと絡めて校舎裏を後にした。
「あーあ、暁山の奴本当に強ぇな。百合と美しい御御足で撮れ高だぜ」
「だから早乙女がいなくなっても無理だって言ったのに、話を聞かねぇんだからこいつ」
「顎だから病院か?医務室でも治療特化の半神先生居るから診てもらえるよな?」
後ろで田所の友達が何か話してるけど気にしなーい。




