第四十五話
ウエリントン公爵家に生物学的両親のジャックとビアンカがやってきた。
そして、何と!ビアンカの両親(マリアからすれば母方の祖父母)も来た。お初にお目にかかりますだね。
公爵家の広い応接室に机や椅子が配置されている。
王弟と外務官と書記官が上座に座っている。
王弟殿下来たんだね。私をみてウインクしたよ。いや、そういうのいらない。
そして、両サイドに分かれて両家の祖父母が並んでいます。
下座には、ジャックとビアンカがいます。
おぉ〜、これは裁判を行う時の配置ですな。(フムフム)
私とジョンさんとジョセフさんとナターシャさんは傍聴席あたりにおります。
其々が椅子に腰掛け、用意されたテーブルに資料なんかを準備しています。
本格的だよ。初めての事に、なんかドキドキとワクワクがやってきます。
しかし、大人な私は表情に出さない。スンってした顔でおとなしく着席して皆を見つめます。
マリアは立派なもう直ぐ五歳児だから。
なんなの?ジョンさん、隣で赤い顔でプルプル震えないでよ。イヤねぇ。
王弟が、「関係者が集まったな。各々、挨拶をしたいところだが時間の関係上、今回は省略させてもらう。
本来であれば王城で執り行う案件だが、公爵家の問題が大半である本件について、本日は事実確認だけを行うことにした。公爵家当主からの申し出で公爵家で執り行うことになった。国王が許可を出しているので書記官も同席させる。
では、申告なしの外交問題について及びウェリントン公爵家長女マリアの誘拐事件について話を聞かせてもらおう。」
外交官から問題となってる外交に纏わるジャックの行動が述べられた。
ジャックは、国家間での交易が行われていないあの国と勝手に取引きをしたことについて事実を確認されるそうです。
証言台はないので(残念だ)、ジャックは自分の席で質問に答えていく。
ジャックはこの3ヶ月間で、あの国から相当量の魔導具を輸入しているらしい。何とその内の8割が武器に判別される品物だという。(ジャックは何をするつもりだったんだろう…)
ジャック曰く
あの国で開発された魔導具だが、魔石が不足しているため使用できない商品ばかりを送ってきている。私が請け負っていたのは、送られてきた商品が使用可能なものなのか、商品の性能はどの程度であるのかを確認していた。ほとんどの商品を我が公爵家の領土で魔物討伐の際に使用して精度の確認を行っていた。
この魔道具については、あの国の王妃様から直々に依頼があった。勿論、国を通して依頼をしてもらうように申し上げている。
今回の魔道具の依頼については、王妃としてではなくビアンカの叔母として、魔道具が使用可能かどうか確認作業をお願いいしたいだけ。
使用が可能であることが分かり、他国からの需要があれば、あの国では商品の魔道具の取引を行っていきたい。
協力を得られるのであれば便宜も図る、という依頼を実行しただけです。
(なるほどねぇ~、上手に王妃と叔母を使い分けしようとしているのね。国と国の問題で王妃の依頼が叔母にすり替わるなんてないよねぇ)
毎月送られてくる魔道具の数については、向こうの準備が整い次第発送されていた。
数が多いのではないかと感じてはいた。しかし確認作業を行うだけなので問題視しなかった。
(え?自分が無理なくできる範囲なら問題ないと考えたの?ありゃー突っ込みどころ満載だね)
何も間違ったことはしていないと考えているであろうジャックは、あっちが勝手に送ってきた商品の品定めをしてやったことのなにがいけないんですか?って顔で喋っています。
ジャックってこんな人だったよ。自分中心に世界が動いていると思っていそうだもの。
王弟が、あの国の王妃(叔母)とのやり取りやあの国との連絡方法について、それから魔導具について正確な数や使用方法とその後の結果について、全ての資料を提出するようにジャックに指示を出した。
ジャックは悪いことをしているという考えがないから、ハイハイと二つ返事で請け負うよねぇ。
きっと国と公爵家(実家)に対しては忠実な人なんだろうなぁ。
次に私のことについて事実確認が行われるようだ。
多分、こちらの話の方が長くなるよねぇ。
前の件をサクサクと終わらせたのは、そういうことなんかなぁ。
王弟が話を始める前にビアンカが
「公爵家長女誘拐事件というのは、そこに座っている者についてでございますか?」と私の方を持っていた扇子で指した。(アラまぁ、こんな席でも扇子をお持ちなのですわねぇ)
王弟が自分より先に喋ったのか?と複雑な表情をしながら「そうだが」と答えた。
「では、訂正していただきたいですわ。誘拐ではございません!」(ビキッ)
「ですから事実確認も必要ございません。」
えっ?えっ?えーですよ。
「この者は、今は本家の養女でございますが、私とジャックの娘、マリアでございます」
えっ?今私のことをマリアと呼んだ?初めて呼ばれたかも…驚き!!私の名前を知ってたんだねー。
「私もジャックも納得して、娘であるこの者を私の叔母であるあの国の王妃の元へ送ったのでございます。誘拐などと、どこで間違った情報が流れたのやら。実の両親が承諾して送り出しているのです。誘拐などではございません。」
「殿下、暫しお時間をいただけますか?」と父上が王弟に許可を得る。王弟はゆっくりと頷いた。
父上と母上が私のところにやって来た。
「マリア、ここに居ると聞きたくない話や聞き苦しい内容を否応なく聞く事になるだろう。それでもここに居るか?」と父上が私に聞いてきた。
私は「自分のことを話すのでしょう?聞いておきたいと思う。なにを言われても父上と母上がいるから大丈夫だよ。」と言って二ヘラっと笑った。
母上がそっと私を抱きしめて「辛くなったらジョンに連れ出してほしいと言いなさい。我慢しないことよ。」そう言って背中をポンポンしてくれた。
父上も母上も私のことを一番に考えて行動してくれる。有難いよ。
父上と母上が着席する。
王弟が「再開する」と言って各自を見た。
「この件についてだが、私が報告を受けた内容は、王宮にあるウエリントン公爵の執務室から突然マリア嬢がいなくなったということ。この時点でウエリントン公爵の執務室には許可がある者しか勝手に出入りは出来ないことになっているにもかかわらず、他国の侵入者が入り込みマリア嬢を拉致したと聞いている。おかしいと思わないか?入室禁止の部屋に押し入るなど。」と王弟がビアンカを見ながら言った。
ジャックが「私が許可しました。あの国から迎えがきたと連絡がありましたので、待たせては申し訳ないのでマリアが執務室にいることを伝えました。父親である私が許可したのです。問題はないはずです。」
「ジャック、王宮の私の執務室には、指定したその日その時間に私が許可した者しか入室ができないことになっている。入室許可は私しかできないはずだ。」と父上がジャックに厳しい顔で告げた。
ジャックは、「申し訳ございません。私の言い方が間違っていました。私が許可したのはマリアをあの国に送るということです。あの国から迎えが来ましたので、迎えの者にマリアがいる場所を告げたということです。」
なんてゆうか、あー言えばこう言う、常に私は間違った行動はしていませんが、なにか?である。
父上が「マリアは私たち夫婦の子供であると戸籍で認められている。何度もお前たち夫婦には説明してきた。話し合いもしたはずだ。公爵家当主の命令であるとも伝えたはずだ。それを無視して勝手にマリアを他国に送るなどと、誘拐以外の何ものでもなかろう。」すっごい怒気である。体感温度が-5℃下がった気がする。
「こちらからも何度も申しておりましたが、お年を召してお忘れになることが増えたのでございますか?この者は私たちの実の娘です。戸籍などの問題ではございません。実の両親である私たちが養育を行うと申しておりますのに勝手に連れ去り養子縁組をなさって。公爵様こそ身勝手な振る舞いではございませんこと?」ビアンカの強心臓、コワッ!怖過ぎる。
「生まれたばかりの娘を離れの屋敷に放置して会うこともしなかったお前たちが、何を今更実親などと。誰も認める訳がなかろうが。」父上、興奮していけませんーーー血圧が上がりますうーーー
「生まれたばかりの娘を離れの屋敷に放置?聞き捨てなりませんねっ(フン)」 アレ?なんか語尾にフンって聞こえたような?ビアンカの反撃がくるのか?
「私たちは放置などしておりません。衣食住は整えておりました。乳母こそおりませんでしたが、指導が行き届いたメイドたちが養育を行っておりました。貴族としては当たり前の育児方法だと思います。」
あれ?今さぁ、指導が行き届いたメイドたちって言った?あっんのぉ配膳ロボットたちが?(怒)あんたの目は節穴か(ムッキー### )
「私共から発言してもよろしいでしょうか?」
こくこくと王弟と書記官が頷いた。
おっ?ビアンカのご両親ですぞな。
「それでは私から」とビアンカの母親から発言が行われるようだよ。
「この度は不出来な娘がご迷惑をおかけいたしました。申し訳ございません。」ほぉほ、まずは謝罪ね。OK!OK!
「この度のことについてですが、あの国についてとあの国の王妃である私の妹についてお話しした方がよいかと考えて発言させていただきます。」この流れ、期待できるかもyoウシシ
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