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こんな世界で頑張れるもんか 〜今さら娘といわれてもねぇ、知らぬ存ぜぬでございます〜  作者: 与謝野竜胆


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第四十三話

 翌朝になり、私達3人はRとBを連れて王宮を目指して出発しました。(何故Gの存在がないのか?)

 Gについてなんですが、父上とジョンさんと相談して、Gが寝ている間に王宮の地下牢に移動しておこうということになったのです。(うん、正解だよね)

 Gのことだから、目が覚めると直ぐにまた何だかんだと喚き散らし暴れる可能性が高いということと、Gを連れて歩くなら馬車が必要になるじゃないですか、時間も労力も何倍もかかるからです(ハァー)

 全く面倒ばかりをかける男です。


 宵に父上が陛下に、《マリア奪還と犯人確保》の報告をしてくれていました。

 なので、夜半にジョンさんがGを抱えて私と王城の裏門に転移しました。そこからジョンさんが速やかに同僚らに連絡を取って、何事もなかったかのようにGを地下牢に運び込むことができました。(やりましたよ!)

 ジョンさんがGについて同僚らに説明しています。

「コイツはあの国の者で、Gと呼ばれている。マリアを拉致した主犯だ。目が覚めたらうるさく喚き散らし暴れるだろうから独房に入れてくれ。それから、聞いていないこともベラベラと喋るだろうから、通訳には飴と鞭を使って根掘り葉掘り聞き出してくれるように依頼してくれ。」

 無事に任務完了!

私とジョンさんは父上が待つ宿泊施設へ転移した。

流石に四歳児の体力には堪えたようで、宿泊施設に到着したら倒れるように寝入ってしまった。

 父上が「マリア、マリアぁ“”ー」と叫んでいたようだが、知ったこっちゃない。

疲れたから寝る!のだ


 そして翌朝です。熟睡爆睡の私は元気です。

心配性の父上は、ずっーと私の横に寝て、ずっーと私を見つめていたようです。

イヤ、そーゆーのいらないから。

気持ちは分からなくもないかぁ?(ヤレヤレだね)


 朝食を食べて、私は父上と先頭の馬に騎乗します。

その後にRとBが其々の馬に乗り、最後尾はジョンさんです。

 RとBには身振り手振りで馬に乗って目的地へ行くことを説明しました。

 「馬に乗ってどこかに行くのかな」「着いて行けばいいのかな」「Gさんはいないようだ」「自分達は命令に従うしかないね」「彼女(マリア)が元気になって良かった、僕達を助けてくれてありがとう」とそんなことを話すRとB。(うんうん、いい子達だ)


 私達は王城に向かってひたすら馬を走らせた。

ここで、あっちゃー、馬に乗った経験がほぼない私。(トホホ(涙))

 マリアは馬に乗った→マリアは馬に酔った→マリアは吐きそうになった→考えて身体強化魔法を使った→身体を浮かせて固定するを使った→できた!→レベルが上がった?→マリアは元気を取り戻した。(テッテレー)危ないところだったよ(アセッ)


 父上に対して些か畏怖を感じていたRとBだったのだが、父上の私に対する激甘っプリを見てドン引きしている。お陰で2人は父上を怖い人だと思わないようになったようだ。

 いや、分かるよ分かる!父上の気持ちも理解できると思いたいよ。

私が拉致されたと知ってから、心配しただろうし、気を揉んだだろうし、捜索に気力体力を削られたことだろう。

 だがしかーし、四六時中くっついているのはどーかと思うよ!

お風呂だろうとトイレだろうとついてきて、あれやこれやと何かとお世話したがる。

いやいや、そこは自由にさせて欲しいよ。

私はもう赤ちゃんじゃないからね。

 更に更にですねぇ、何かと直ぐに抱っこしようとするし、スリスリ、撫で撫で、スンスン。(はぁー(呆れ))

見た目はもう直ぐ五歳児、心は時々おばちゃんの私なのよ。

あー、鬱陶しいたらありゃしないワ!!けど我慢するよ。(大人な私だよ)

 はぁー、早く王都に到着してほしいと思うよ。

 頑張ったおかげで2日で王都に到着したよ。

やっとやっと公爵邸に帰ることができました。(涙)


 RとBには通訳がついてくれた。

公爵邸で1泊して次の日から王宮で事情聴取が行われた。

 先に地下牢に送り込まれたGなのだが、通訳の上手な飴と鞭の使用によって事の顛末をしゃべりにしゃべったらしい。


 地下牢に運ばれたGなのだが、翌朝に目が覚めた瞬間から、グルグル巻きの簀巻き状態で猿轡もされているにも関わらず、床をゴロゴロと転がり鉄のドアにぶつかりドンガジャンドンガジャンと大きな音を立てて「ウグッ、ゲホッ、ゴボッ〇✕△☆彡@~」訳の分からない雄たけびをあげて騒いだようだ。(独房でよかった)

 二人の騎士に起こされ椅子に座らされ、通訳から「今から事情を説明致します。先ずは静かに聞いて頂きたい。これからあなたには、我が国の公爵令嬢誘拐事件についていくつか質問させて頂きます。すべての質問に速やかにお答えいただきたい。その後に要望等がありましたらお伺いいたします。あなたは自国では大変に優秀な方であるという報告を受けております。こちらの意を汲んだ返答をして頂けるものと思っております。私の話の内容はご理解いただけましたか?」

 Gは’’大変に優秀な方である’’という言葉に気を良くしたようで、猿轡のままニンマリ顔で簀巻き状態なのにふんぞり返って大きく頷いたようだ。

 そして、猿轡を外された直後に「俺様は貴様たちが『あの国』と呼んで敬い奉っている国の侯爵令息である。あの小娘に何を言われたのか分からないが、このように無礼な扱いを行ってもいい人間ではない。俺様は高貴な身分の者である。高位魔法が使えるのだぞ。今すぐ拘束を解き、清潔で豪奢な衣食住を準備せよ。」

 はぁ?何言ってんだこいつ???である。

Gの傍にいた騎士1名が再びGに猿轡を行った。

ギュギューと絞めたものだからGが慌てて立ち上がろうと動いたが、簀巻き状態のために足がもつれた。

Gが頭から倒れたところにテーブルがあり、しこたま顔面をテーブルで打ち付け「フッガッぁー」と妙な声を出して倒れこんだ。

 容赦なく抱え上げられドスンと椅子に座らせられる。鼻血が出ているGの鼻の穴には大きな綿球が詰め込まれた。

 通訳が「はぁー、先ほど言いましたよね。要望は後程と。先に質問をいくつかさせていただきます。」「オイ、問われたことには、よーく考えてから正直に答えろよ。頭のイイ侯爵令息なら理解できるよなぁ。」人が変わったように凄む通訳に、ただこくこくと頷く小心者のGである。

 そこから通訳が、上げたり下げたり、優しくしたり凄んでみたり、ヨイショしたり抉ってみたりと絶妙なテクニックを用いてGから一部始終を聞き出した。凄ワザである。


 私が拉致対象者に選ばれたのは、私の生物学的母親があの国の王妃である自分の叔母と交流を持ってしまったためなのだろう。

その辺りの経緯は本人から聞くしかないかな。

 生物学的母親はあの国の王妃である叔母とやり取りをする内に、魔力さえあれば魔法さえ使えれば、あの国では王族になれる。娘など産む予定ではなかったが産まれてしまったものは仕方がない。まぁ、魔力があるようだからさっさとあの国に送ってしまえばいい。後は叔母様が善きに計らってくれることでしょう。

 おい、おい、お前さん(生物学的母親)よ

自分の人生なんだから、自分自身で人生設計するのは自由なんだろうよ。しかーし、私(マリア)をあなたの人生設計に巻き込むなよ。と言いたい。

 生物学的母親は、叔母(あの国の王妃)からの提案で、娘である私(マリア)をあの国に渡すことに決めた。しかし、公爵家にいる私に手が出せない。

 そこで叔母と相談し、叔母が計画した作戦に協力をしたようだ。(何てこっただね)

 

 Gは、侯爵家の三男でショボいが魔力があり(マリア的水準)、幼少期から魔法が使えた。

 魔法崇拝国であるあの国で、そんなGは持て囃されて育った(そりゃ俺様になるよね)

 そんなGは、王妃様に心酔、心服している。

というかあの国では、豊富な魔力を持つ王妃は女神の生まれ変わりであるという風潮を作り上げているようだ。

 陽動されているのね。あるよねぇ…そういうの。

転がされていることに気がつかないで踊らされるってこと。

後から冷静になると、アレ?何であんな考えにハマってしまった?みたいなね。(俺は真実の愛に目覚めたのだぁーみたいなことだな)

 てことで、あの国の王妃に手玉に取られコロコロと転がされたGなのである。


 あの国は過去に魔法大国と云われていた時代があったそうだ。

その頃は魔法を使える者も多くいた。

魔導具の研究も盛んに行われていた。

 しかし、いつの頃からか魔法を使える者が産まれてこなくなった。

 慌てた王族は魔力がある者を王家や高位貴族に取り込むようになった。

 魔法を使える者こそが国の頂点に立つべきであり、神に選ばれし者である。という思想が根付いていった。

 やがて魔法を使える者は、魔法を使えない者を使役するようになっていくのに時間がかからなかった。

そんなのはおかしと言う者もいたが、弱者の戯言と片付けられた。

 家族間でも魔法が使えるか、魔力があるかによって力関係が決定された。

 魔力を持たない、魔法を使えない貴族もいた。その者達は早くから他国へ移住していった。

 そうなると国としては何とか自国に残らせようとする。勝手に他国を行き来できないように法律を作り、他国との国交を最小限にしてしまった。(鎖国であるね)

 国に有益になると判断された者だけが他国へ行くことができた。

 そして、私の生物学的母親の母親(マリアからすると母方の祖母だね)は、幼い頃から留学できたのは、他国を学ぶことであの国に貢献する人物になる、という理由が認められて幼少期にあの国を出国してこちらに来たようだ。そして、マリアからすると母方の祖父と学園で出会い恋に落ち(?)結婚したということのようだ。

 まぁこの辺りのことも本人達から聞き取りが行われてはっきりとしたことが分かっていくんだろうね。


 それでは再びGの話に戻りますね。

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