第三十四話
生物学的両親がお帰りになりました。
私の心の安寧のためにもう来ないでほしい。切に願います。
私は心の中で叫びます。
come backお師匠のシルビオさ〜ん
お師匠がいる時は、安心して平穏な毎日を過ごせておりましたのに(グスン)
ジャックとビアンカが帰った後、父上とジョンさんと私は脱力です。
気を吸い取られるってこういうことなんだと実感しました。
私達3人は朝の訓練を行うつもりで騎士団の訓練場に向かうため玄関ホールに集合していたのです。
そして、2人の突撃訪問に出会したというわけです。
ビアンカの整った顔に冷めた目で淡々と自論を繰り広げる姿が怖かったぁ、思い出してもガクブルです。
エルサの領地の魔物討伐について作戦会議をする予定でしたが、それどころではない状態です。3人ともシナシナのシオシオです。
気を吸い取られたのです。それもガッツリとです。
あの2人こそモンスターじゃー
それでも何とか気を取り直して騎士団の訓練場に来ました。
父上とジョンさんが蜂型睡眠薬を作ることにチャレンジするのです。
何事も訓練です。やればできる!気合いダァー
そして、蜂型睡眠薬は、まぁ、できました(笑)
なんていうのかなぁ…
父上の場合
見た目はまぁまぁ、数もそこそこ、ただ飛距離が伸びない。たくさん作ればたくさん飛ぶからそれぞれを制御しないといけない。
遠くに飛ばそうとすれば制御できずに墜落していく(え〜残念)
ジョンさんの場合
見た目は忠実に再現できた。しかし数ができない。
あまりにこだわり過ぎて忠実に再現したいから時間がかかり、数が出来なかった。その代わり飛距離はまずまず。
だけど、やってみたからこそわかることも多い。
父上が、私の属性は火だ。だから風を操ることが難しいんだ。だが、やってみると全くできないと思っていたのに蜂型睡眠薬を飛ばすことができた。少ない数なら飛距離も伸びるかもしれない。次は少ない数を飛ばしてみよう。
おぉ〜やる気になってますね。イイね!
ジョンさんは、こだわっているつもりはないのだが作るという作業になれていないからかもしれない。とにかく数が作れるように訓練しようという。
2人ともガンバです。チャレンジ精神です。やってみないと結果はわからないですからね。
固定観念を捨てるのはなかなか困難なものですが、実際にやってみたら新しい発見があって、これまでの価値観が取っ払われますね。
短い距離なら(公爵邸の中だけ)瞬間移動もできましたもんね。あっ、ジョンさんはまだだったか(アセッ)
そのうちね。
2人の蜂型睡眠薬は今回の魔物討伐には間に合いそうにありません。今後に期待です。
だけど蜂型睡眠薬をそこそこの人数ができるようになれば、魔物討伐もかなり楽になると思いますね。
そこはお国のプロジェクトにしてもらいましょう。
四歳児の私はノータッチでーす。
今回、私がチャレンジしようと考えているのは『煙幕』です。
煙の高さや厚み長さを調整して、いい位置(魔物の通り道)に配置してみようと思います。
そして一定時間その状態を保つというものです。
何だか上手くいきそう(うひょひょひょ)
訳もわからず突進してくる魔物達は、どんどん煙幕に突入するのであった。そして煙幕を出たところでバッタバッタと倒れて眠ってしまう。もしくは煙幕の中で寝ている魔物もいたのであった。
あっ、これは私の妄想です。
まぁ、これも睡眠薬を使うので天気には気をつけないといけません。
形を作って飛ばすより簡単だという人もいるかもしれません。
お試ししてみて、これやりやすいなと感じる魔法と効果が高いものを選択していけばいいと思います。
今回の私は『煙幕』というのに心惹かれたんですよ。ミステリアスな感じがするんですよねぇ。煙幕という響きが。
吸い込まれる様に煙の中に入り込み、訳が分からず、ただ前に進むしかなかった。仲間はお互いを見失いぶつかり合う者もいた。みたいにならないかなぁ。
あっ、これはそうなったらいいなという私の妄想よ。
そして、やってきました。
エルサの領地です。いつもの3人組です。
父上とジョンさんは自分達が練習した蜂型睡眠薬を使うつもりだったみたい。残念だったね。
ごめんねー!今回の演目は『煙幕』なんだよー。
蜂型睡眠薬は、別の機会にご披露して下さいね。
私は、睡眠薬を煙の様に水分を細かい粒子にするイメージを描きます。白っぽくなる様にどんどんイメージを膨らませます。ヨシ、こんな感じだ、発動。
できたよ。やったんだ、私。
結構苦労した。煙はイメージできるけど粒子にするというのが難しかった。できて良かったです。
うーん、薬草を燃やして煙の流れを作るというのもありかもです。いつか試してみたいね。
あとは、この煙幕の状態を保たないといけないね。
ボチボチ魔物が現れる時間なんだけどね。
来ませんねぇ。こちらは準備万端なんですけど。
雨とかふらないでよねぇと空を見たりする。
きたきた、きましたね。足音が近づいてきます。
わぁー、妄想と同じだよぉ〜
入ってくる、入ってくる。どんどん入ってくる。
中でぶつかってるね、音がするよ。
煙で中の状況は分からないけど、ドンとかバシッとかドスンとか音がします。
あっ、出てきました。フラフラです。前向きに倒れたり後ろ向きに倒れたり、重なり合っているのもいます。いやぁ、効果があってよかったよかったです。
そして、いつもの様にこの後は、父上とジョンさんにおまかせです。
エルサの領地の騎士団員さんとトドメの一太刀と魔石回収ですね。
今回も無事に終わって良かった。めでたしです。
父上は自領地に行って魔力を持っている団員に蜂型睡眠薬を伝授してくるそうです。
うん、そうそう、そうやって仲間を増やしていきましょう。
「可愛いマリアも一緒に行こう。」と誘われましたが丁重にお断りしました。
ルイス様とエルサとルーナと王宮に集合するんです。久しぶりのお集まりです。
ルイス様から、父上が元気になったから王宮に遊びにきてねとお手紙がきました。
だから、ごめんなさい。一緒には行きません。と父上に伝えました。
父上からガーンという音が聞こえてきそうなくらいショックを受けた表情で、「マリアは、どこにもやらん。嫁になど出さんからな。マリアはずっとずっーと父上と一緒にいようね。」と言ってギュウギュウ抱きしめてきた。
いや、それはそれで問題でしょうに。貴族令嬢としてどうなん?って思われるよ。
母上から「バカなことを言ってないで早くお行きなさい。マリアはまだ四歳です。嫁になど行きません。」とビシッと指導を受けた。
しょんぼりと旅立つ父上の背中をドンマイ!と見送りました。
評価やブクマ登録をしていただいて、ありがとうございます!
リアクション、嬉しいです!
修正、返信が追いつかず、申し訳ありません




