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こんな世界で頑張れるもんか 〜今さら娘といわれてもねぇ、知らぬ存ぜぬでございます〜  作者: 与謝野竜胆


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第三十二話

 父上とジョンさんと3人で作戦を立てます。

私が『眠れ眠れ作戦』またの名を『ラリホー作戦』を絶対にやってみたいと押し通します。

 あのね、また3人なんですよね。魔物討伐部隊に参加する人が。

いっつも、いっつも同じメンツなんですよ。

いや、いーんです!

分かってますから、私の魔法は秘匿なんですよねー。

だからですよ、やるからには新し事にチャレンジしたいじゃないですか!

新しい魔法だよ?魔法にはテンションを爆上げする効果があるんですよ!

えっ?言ってなかった?それはごめんよ!

 《眠れ眠れ(ラリホー)作戦とは》

森から出てきた魔物達を蜂型睡眠薬に襲わせます。

ぶっちゃけ、それだけなんですけどね。

作戦というほど大した事じゃないですけどね。

ちょっと言ってみただけです。


 父上が、蜂型睡眠薬が見たいというので出してみましたよ。

いえいえ、大した事ないですよ。

液体の睡眠薬を蜂型にして飛ばすだけです。

 父上、これはですね、錬成魔法に風魔法を組み合わせて作ってみました。

 後ですね、この作戦の懸念点なんですが、ウルフ系には効果が薄いのではないかということです。

彼等は動きも早く仲間同士の連携能力も高いので、先陣の異変に気がついた時にどの様に行動してくるかわかりませんから。

 もう一つ、雨だと無駄うちになる可能性が高いです。薄まってしまって効果がなくなる可能性があるかもしれません。

 父上とジョンさんが暫し考えている。


 私はここで父上に質問してみることにした。ちょっとだけ、いやかなり私の本音をぶつけてみることにした。

 「父上、父上は私に色々な領地に行って魔物討伐をして欲しいと思っていますか?

私の能力があれば、イフメのマリアなら苦しんでいる人達を救ってあげることができるんじゃないかと思っていますか?

国民が苦しんでいるなら、助けられる能力or可能性がある私が頑張ることも一つの手立てじゃないかと考えていますか?」

返事によっては、かなり辛い思いをすると思う。

だけど、私は自分の今後を考えるために聞いておこうと思う。


 父上は、「マリアはマリアのやりたいようにするのがいいと思っているよ。私達が必要ならいつだって手を貸そう。間違っていれば注意もする。

 だから、マリアはやりたいことをやればいいし、やりたくないことはしなくていいんだよ。

 マリアは、イフメのマリアじゃない。ウェリントン公爵家令嬢のマリアだ。」

 ちーちーうーえー、ありがとうございます(泣)


 「私は、少し驕っているかもしれないけど各領地に行けばある程度の成果を出せると思っています。

だけど、そうすることが正しいのか分からないのです。

 今がスタンピードなら時期が来れば終息することだから討伐に参加することに躊躇することはない。

 だけど、理由がそうじゃない場合、例えば何かの意思が働いていて自然を守るためだとか、人間が魔物の頂点に立つものを攻撃した報復とか、何らかの他の理由があった場合には、ただただ魔物討伐を行うことは間違っていると思うのです。

理由がわからないまま魔物を悪だと決めつけて斬滅することはできません。」と2人に話した。


 ジョンさんが、「マリアはまだ四歳だ。

知らない事や分からない事がたくさんあるだろう。どんどん相談してくれていいんだよ。

 今回の魔物が増えている理由は、数百年毎に起こるスタンピードだと憶測されている。

前に起こったのが200年前だ。その時の記録もある。

国中が壊滅状態になったそうだ。

 周辺の国も同様な有り様だったから、国同士が力を合わせて復興に取り組んだそうだ。

 スタンピードは、何故起こるのか、いつ起こるか、どのくらいの規模でいつまで続くのか分からない。

前回は約半年で終息している。それなら、今回は半年を過ぎても一行におさまる様子がないのは何故か。

地域によってバラツキがあるのもどうなんだろうな。

 その件については私が所属する王宮騎士団が調査をしていこう。」そう言ってくれました。

ジョバンニ兄上(ジョンさん)ありがとうございます(泣)


 私は2人に感謝を述べながら、べしゃべしゃえぐっえぐっ感泣しました。

 私は1人じゃないんだね。あの部屋にいたころは1人だった。だから生きていくためにどうしたらいいか考えて行動していた。

 前世の記憶があったからやれたんだと思う。そうじゃなきゃ、あの部屋でどうなっていたか分からないよ。

 そして父上に出会った。運とタイミングと縁を掴み取れたんだよ。

父上、私を迎えに来てくれてありがとう。 

 そして、気がついた!

ジャックは私の兄だ。戸籍上。ギャー、わからんけど鳥肌です


 私がこの国に生まれた意味が何かあるのかもしれない。それを考えるのは後からにする。今は目の前の魔物を何とかしないといけないね。

 今回の魔物討伐はルーナの領地を選ぶんだね。ここもかなりな被害を受けているんだね。

私は自分の魔法を試させてもらうことにするよ。

今回はルーナの領地の騎士団の団員さんで戦える人は参戦してもらうつもりだ。

といっても眠っている魔物をズシャとしてもらうだけ。そして魔石回収も行ってもらう。これは領地に還元してもらえばいい。

 何もしなくてもウェリントン公爵家が何とかしてくれると噂が立つのは困る。だから、領地の人達が参戦できる戦法を考えて試していきたいんだ。

 今回、私は蜂型睡眠薬にしたけれど風魔法が得意なら睡眠薬を魔物に降り注いだり、纏わりつかせたりできるんじゃないかと思う。

蜂型にしたのは私の興味本位からです。無駄に魔力消費してるけど、格好良さと楽しみを取り入れたかったんだよね。

 

 では、ラリホー作戦を開始します。

ゴブリンやゴーレムとベア系は前回睡眠薬を飲ませたから効果は確認済み。ガッツリ寝ていただきます。

 蜂型睡眠薬が彼等を襲います。口や鼻に入ったり身体の至る所を刺したりします。

この蜂針なんですけど今回力を入れた特別な代物です。

魔物の硬くて分厚い皮膚にグッサリと刺さるように細く硬く鋭くしました。返しもついているから刺さると抜けません。一級品ですgood!

そうすると彼等はどんどん寝ていきます。ボア系も猪突猛進だから鼻から口から入り眠らせます。助かります。

ウルフ系は連携をとり始めました。だけどちょっと遅かったね。ボスが見つかっちゃいました。指示役を先に潰すと一気にチームが統率力を失ってバラバラになりますね。

 この討伐でもラッキーに恵まれました。

天気はまぁ、雨は降らないだろうという日を選びました。アメダスとかないので半分は勘です。

そして、ウルフ系のボスが早く見つけられたこと。何故だかボスはかなり焦っていたみたい。

 そして今、ジョンさんと父上は魔剣を試しています。何せ一太刀で終わるから驚いています。

 この後は父上がルーナの領地の騎士団に連絡をして寝ている魔物を討伐していくだけです。

騎士団の方々は魔剣を持たないので、一太刀とはいきませんが、相手は寝ているのでそこまでの苦労はないと思います。

 今後の参考にするため、騎士団の働きは見学させてもらいます。遠くから見つからない様にそっと見つめていますね。


 ルーナの領地で私達ができる魔物討伐が終わりました。一旦、撤収でーす。

 陛下の様子を診に行かないといけません。

1週間で大体の傷が落ち着きます。

2週間で副作用他の心配がほぼなくなります。

3週間何事もなければ、ほぼ安心です。(ニッコリ)

それからは、1ヶ月、3ヶ月、半年と体調確認とスキャンをさせてもらいたいと提案しようと思います。

 明日は王宮に行って陛下のお腹を診せてもらう予定なので、父上に陛下の承諾を確認してもらいました。

 そして今、私と父上は陛下の執務室横の書斎にいます。

そこには何故か王弟もいます。

チームだからか?私達はチームだから王弟はこの場に参加しているのか?何故に王弟がいるのだー?


 陛下は身体の怠さがなくなり、食欲も戻ってきているようです。

 もとは色白のツルツルお肌だったんですね。

黄疸が消失して元の皮膚の色に戻っているようです。

男前っぷりが3割り増しでしょうか(笑)

 肝臓も形状に異常なしです。

健康な肝臓が2/3残っているので今後は問題なく通常の生活を送ることができると思いますよとそう陛下に伝えます。

順調で嬉しいですねぇ。

 執務はもうしばらく前国王と王弟に手伝ってもらって仕事量を調整してもらうように説明した。

私も陛下も大変な思いをしたのだから、そこは守ってもらいたいと釘を指す。そうしないとやれるやれると仕事量をどんどん増やしていきそうだ。

王弟に眼を光らせて見守るように頼みました。

 では、失礼しますと次回の約束をして帰ろうとしました。

 そうしたら、王弟が私に「マリア、筋肉をつけるにはどうしたらいいと思う?」と問うてきた。

はぁ?知らんがな。何で今、筋肉の話?

鶏の胸肉でも食べときゃよろしです!と言いたいところだが、お世話になったしチームだし。無碍にはできません。

 何故筋肉をつけたいのか聞いてみました。

訓練をしても思うように筋肉がつかないらしい。

 私は「無理に筋肉をつける必要はないと思います。鍛えられていることが分かる体型をされていますし、力も十分にあると感じました。それでもこだわりがあるなら、タンパク質をしっかり召し上がるように心がけてみられてはいかがでしょうか。」と言いました。

 王弟は嬉しそうに「そうか、マリアが今のままでもいいなら問題ない。」そう言ってイケメンスマイルを送ってきました。

 「はぁ、そうですか。よろしかったですね。

私達は失礼させていただきます。」とイケメンスマイルを軽く交わして書斎を後にした。

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