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こんな世界で頑張れるもんか 〜今さら娘といわれてもねぇ、知らぬ存ぜぬでございます〜  作者: 与謝野竜胆


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第三十一話

 陛下は、高熱が出る、解熱剤を内服して一旦下熱する、そして再び熱が上がるを繰り返している。

 私は陛下の腹部をスキャンした。

出血なし!肝臓は浮腫もなし!水なし!膿瘍なし!

一つ一つ異常がないか確認していく。

胆汁もながれている。腹水もなし。

問題ないことが確認できて、少し安心した。

 あまり頻回にスキャンしても身体に悪いかな?と思って控えている。

 前例がないから分からないけど、何事もほどほどが丁度良いと思うんです。

 ほどほどって難しいんですよね。ついついやり過ぎてしまうんですよ。欲と自分との戦いです。


 陛下は今、3回目の解熱剤を飲んで休んでいます。

やっとやっとやーと念願のおしっこが出たよ。(バンザーイ)

回復過程の中でこれも安心材料のひとつです。よかったー(拍手)

 もう一つ、黄疸が消えてきている。 

まずまず順調だと考えているよ。

まだまだ、油断せずに行こう(ビシッ)


 私は公爵邸と陛下の部屋を転移魔法で行ったり来たりしている。

 王族のプライベートルームで、うっかり誰かに会ってはいけないからだよ。

 えっ?なんでマリアがいる?ってならないようにね。

 念のために立ち入り禁止にしてもらっている。けど、用心しているんだよ。

 私、転移魔法が使えて良かったよ。(ホッ)

じゃないと、陛下の側でオマルを使うことになるところだったかも。(ヒェ〜)

迂闊に部屋の外に出ることはできないからね。

 こんな風に予測や推測できることを考えて着々と準備をしてきたわけです。

そして今回の【陛下をお救いするぞプロジェクト】に挑んだわけです。

努力が報われます様に(合掌)

 

 3日が経過した。

 陛下は5回目の解熱剤使用後は高熱が出なくなってきた。いい傾向だと思います。

 体力は落としたくないからポーションを飲んでもらって、後はベッドの上で身体を軽く動かしてもらっている。やり過ぎないように眼を光らせているところですよ。

 陛下の食事は気を使う。

私がメニューを考えて公爵家の料理長に頼んで作ってもらった食事を、私が転移魔法で持ってきて陛下に食べてもらっている。

今はペースト状の食事を食べてもらっている。イメージは、ペトペト薄味の離乳食です。

 身体の調子が良くなってくると人は退屈になるようです。

 陛下も何かしらしたがるので、また熱が出ますよと脅している。

 ベッドの上でゴロゴロできるなんて至福の時間じゃないですかぁ!と思うけど、一国の主人は違うようだ。

ワーカホリックなのか?

 王弟を見れば「何かしようか?」と声をかけている。

 陛下に5日目くらいから調子が良ければ、通常の生活に戻していこうと考えている。それまで休養を楽しむ様にと伝えた。

 翌日にはトイレと室内歩行をすることにした。

思っていた以上に陛下が元気だ。良かったよー。


 そして、私に3人のお友達から其々にお手紙が届きました。

 ルイス様は、父上がお体の調子が悪くてお休みしています。会えなくて淋しいけれど、父上が頑張っているので僕も負けません。父上に早く元気になってほしいです。と書いてあった(涙)

 ルイス様、何て健気な良い子なんでしょう。(おばちゃん、頑張るから〜 )

 エルサとルーナからのお手紙には、変わりなく過ごしています。魔物の襲撃が多いらしくて怖いです。

また皆んなと遊びたいです。トランプが楽しいです。ありがとう。という感じ。2人とも可愛らしいね。

 そっかぁ、エルサとルーナのところの魔物討伐がどうなっているのか父上に確認しないといけないね。

状況によっては、魔物、殺っちゃうよ。


 あと、忘れていたけどジャックの長男(又の名を私の兄ともいう)に交流会で会った。 

会ったというか、見かけたというのが正しい表現かもしれない。

 交流会では、男子と女子が別々のテーブルだったのと自由に交流する流れだったから交わることがなかった。

彼は彼の私は私の社交に勤しんだだけ。

彼は私と関わることをしなかった。

 大人に指示されていたのか、彼の意思だったのかはわからないけどね。

それで良かったと思うよ。お互い嫌な気持ちにもならないかったしね。

 これからも関わりは持たないでおきたいな。

 

 陛下は医術を行ってから2週間後に通常の生活に戻った。

 それまでもできる範囲で執務を行ったりしていたけれど、時々熱が出たりしたことと、食事を離乳食擬きから常食に段階的にもどしていくために少し時間を要した。

 今の食事についてはアルコール禁止と味の濃い物禁止にした。

 あまり禁止が多いと本人の負担になるし、やる気もなくなると困るからね。

 まぁ、手探り状態で行った割には順調な経過だと思う。


 私は公爵家に帰りました。

といっても出たり入ったりしていたんだけどね。

ようやく一区切りついたって感じです。

 暫くは呑気に過ごしたいなぁと思っています。

まさにぐーたらしたいんです。

それくらいのご褒美は許されても良くないですか?


 あの、ブラッディーベアの膀胱を用いた氷嚢なんだけど陛下のお気に入りなんだよ。

形を長方形や円形にしたりして、頭や首や肩に乗せたり敷いたりして涼を楽しんでいるらしい。 

 お役に立てればなによりです。


 ゆっくりしたいところなんだけど、エルサとルーナの領地でも魔物討伐は苦戦しているようだ。

というかこの国のどこもかしこも魔物に苦しんでる。

 領地によって、重体、重傷、軽傷に分かれているそうだ。

ギャーいかんいかん、まだ頭が医療モードになってるやん。

 うーん、どうしたもんかなぁ。

 私が魔物討伐した領地は、重体のところだったから復帰までに時間がかかっているんだよね。

 希望をいうと復活できたら、重体の領地に応援に行ってほしいけど、軽症の領地ですら自分達で魔物討伐するのが精一杯な状況なんだよね。

 おいコラァ、なんで聖女が現れてくれないんだよぉ

キラッキラッの光で「浄化」ってしてほしいんだよー

 まぁ、いないんだから仕方ないね ハァーだよ

軽症の領地は自分達で何とかできている。

重傷の領地は重体になりそう。

重体の領地は瀕死状態。

 あのー、お国の対策はどうなっておりますの?


 私もこの国で4年間を過ごしました。

ただ、非常に狭い世界で過ごした4年間です。

だからこの国の事情が分かっていないことが多いです。

にしてもですよ、非常事態ならその対策を1番に考えて欲しいんですよ。

 いかんわ、熱くなってしまった。おばちゃんモードを勃発するところだったわ。


 私は、私ができることを考えてやるだけだしね。

現地に行くと余りの惨状に何とかせねばと思ってしまうんだよね。

 今はエルサとルーナの領地を何とかせねばですね。

 そう、武器だよ、武器。

どうなっているんだい?魔石でドンぱちやっちゃってる?

えー刀なの?魔剣とか?いや、普通の刀やないかーい

あと、普通の弓と矢やないかーい

無理無理無理、よくこれで戦っているよね。

 武器から考えようよ。頭が痛くなりそうよ。

非常事態なんだからさぁ、

 例えば父上は火魔法が得意としたなら魔石に火魔法の付与をして剣に装着する。

その剣は火を纏った魔剣になる。(カッケーな)

 その魔剣をお師匠のシルビオさんが使って魔物を倒すんですよ。(カッケーな)

 今まで数人がかりだったのが、1人でも討伐できたりしませんかねぇ。 

 父上とジョンさんがフリーズしたとです。

ジョンさんはまた帰ってきとるとです。

 もうさぁ、やっぱり眠り薬を撒き散らしちゃう?

眠らせてグッサリやっちゃう?(悪の所業じゃ)

私、やれそうだよね!なんだかイイ感じじゃない?

上手いことやれそう。テンション爆上がり


 そして、私は魔石に火魔法を付与してジョンさんの剣に付与魔石を装着した。

 言い出しっぺがやるんだと、ふ〜んて感じ

 ジョンさんが「いでよ、業火の炎」と言って剣に魔力を流したら、刃が燃え上がったんだよ。

 へぇ、出来るもんなんだね(私、やっぱチート?)

 一応、ジョンさんはシールドで保護されてます。

じゃなきゃ大火傷でした。良かったぁ、シールドで保護しといて。

 しっかしさぁ、ジョンさん、よく燃え上がる剣を放り投げなかったね。素晴らしい(拍手)

 だけど、「いでよ、業火の炎」ってカッコつけ過ぎ(プップッ)

 ごめん、ごめん、気合いをいれたんだよね。

 ヨシ!じゃあさぁ、これで魔剣ができたからさぁ、使える人に使ってもらって「業火の炎」で焼き切ってもらいましょうよ。

 眠れ眠れ作戦もやっちゃいますよ。


 そして、父上が私の前に自分の剣を差し出します。

ハイハイ、父上も魔剣が欲しいんですね。

分かってますよ。作ればいいんでしょ。

 父上は、陛下の医術の時に非常にお世話になりましたから、魔剣の一つや二つや三つ作りますとも。 

 どーする?三つ作ってみます?

火と水と風かな?3種類ほど。

多分、魔力が弱い属性の剣は力を発揮できないかも。持っているだけでもいいんですか。わっかりましたぁ

 私は、父上のために三種の魔剣を作りました。

父上、喜んでいます。私、孝行しました。

 そして、出来上がった魔剣と眠り薬を持って

いざ、決戦の舞台へ出陣じゃー!!

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